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辻村氏の作品でお勧めとされていたので読んでみた。面白かった。他のも読んでみようと思った。物語は前半比較的ゆっくり、後半次々と大きな出来事が起こり、謎解き、伏線回収しながら終末へと進んでいく。予想通りなこともあったり、驚きの展開もあったりと、かなりドキドキしたし、なるほどそうだったのかと安堵したりしながら一気に読み終えた。それから、この話のメイン部分と思われる、あの人はどう現れ、途中どう振舞っていたのか気になり、思い出しながら、確認しながら結局二度読みした。登場人物が感じる閉塞感のようなものを表すのがこのタイトルなのかなと感じたが、それに準じて暗めで、悲しい要素が多いストーリー。でも不幸だった主人公の女の子が独り立ちをして、やはり不幸な境遇にいた男の子も成長して、最後になんだか楽しそうにやり取りしている姿が救われた。ドラえもんとその作者の藤子・F・不二雄氏がかなり濃く絡んでいるので、馴染みの薄い人はあまり面白くなく感じるかもと思ったりした。私は子供の頃、ドラえもんを読んだり、観たり触れる機会が多かったのでかなり楽しめたけど。 >> 続きを読む
2020/01/03 by Sprinter
はしなくも、まだ未読だった本書と身内の不幸が重なるという稀有な読書体験。臨終前に、交わした互いの少ない言葉を、どう受けとめ、どう整理して、永遠のお別れに臨むか?もう語ることも、泣くことも、笑うことも、怒ることもない故人は、見送る者たちのために無言の宿題を遺して去っていく生命の摂理のようなものを作品と並行しながら感じた。もう一度会って聞くことも、告げることも叶わない現実をどう解釈し、背負っていくか? 答えは残された者たちの明日の生命に繋がっているような気がした。 >> 続きを読む
2020/01/05 by まきたろう
正直、上巻では退屈ささえ感じなかなか読み進まなかったが、下巻に入ってからの展開がすごくて、どんどん引き込まれあっと言う間に読み終えた。辻村さんの作品だから、後半何か起こるだろうと思ってはいたが、なるほど、こうなっているとは。さすがと言うほかない。終わりに近づくごとに、あれはこういうことだったのか、の連発で、ドキドキ、わくわくしながら読み終えた。そして、今、感想を書いているが、もっと色々感じ、考えたことはあると思うんだけど、簡単には言い表すことができない、余韻に浸っている感じ。ただ、また辻村さんの作品を読みたいと思った。 >> 続きを読む
2020/05/04 by Sprinter
みなさんのレビューを拝見するととっても評価が高いんですね!私には合わなかったみたいなので、この本がお好きな方はレビューで嫌な気持ちになってしまうかもです、ごめんなさい><衝撃的な事件と、その被害者である女の子を助けようとする主人公の健気でまっすぐな言動。小説としてダメ!とかでは全くないんですが、感動したり、心を揺さぶられたりということがなく淡々と読み終えてしまいました。(他の方のレビューを拝見すると自分の心が枯れかけているのではないかと若干心配になるほどです。。)さらに、男の子が持っている不思議な力自体にもその使われ方も、あまり驚きが感じられなかったため、その能力の説明などが書かれている部分もとても冗長に感じてしまったというのが正直なところです。500ページ近く読んで意外性を感じられないというのがちょっと辛かった。とても人気な辻村作品ですが、私には合わないのかもです。。 >> 続きを読む
2019/10/04 by chao
雪の降る日に登校したのは、八人だけだった。校舎に閉じ込められ、外に出られなくなった高校生たちは、二カ月前の学園祭の最終日に、同級生が飛び降り自殺したことを記憶している。しかし、その顔と名前がなぜか思い出せない。あの瞬間の五時五十三分で止まった時計。出来事に深く関わっていたのに、姿を現わさない担任教師。人が消えるたびに鳴るチャイム。死んだのは、いったい誰だったのか?この辻村深月の「冷たい校舎の時は止まる」は、時空が歪み、異空間と化した校舎を舞台にしている。その上、考えなければならない謎も普通ではない。確かに、ミステリとして一風変わった内容ではあるのだが、綾辻行人の「辻」の字を筆名に入れた辻村深月(この作品のヒロインの名でもある)のこのデビュー作は、上質な青春小説でもあった、初期の新本格ミステリの感覚を受け継いでいると思う。生活環境や性格の違う、高校生それぞれが持つ強さと弱さ、クラス内の力関係などが、丹念に描かれていく。そして、偽った自分の心に逆襲される、一番意外なのは自分自身だった----というような、若者の心の揺れと、ミステリの手法としてのどんでん返しが緊密に結び付き、独特の世界を作り出していると思う。 >> 続きを読む
2020/10/22 by dreamer
思春期の男女がそれぞれ抱える複雑な思いをこれでもかっていうくらい丁寧に書き上げてる。雪降るある日に学校に閉じ込められたのは多分学校祭で自殺した人が関わってるんだろう。誰が自殺したのか。閉じ込められた一人一人の内面が暴かれそれぞれが苦しんでることが分かる。本当に居心地の良い場なんて偽りなのか。自殺したのはいったい誰でこの中にいるのか。こんなに自分や人の気持ちの裏を考えると精神的に大変だろうなと単純な私は思う。 >> 続きを読む
2020/01/18 by miko
脚本家であり、人からプレゼントされたという(!)アパート「スロウハイツ」のオーナーである赤羽環。環が一つ屋根の下で暮らしてもいいと思うメンバーを集め、生活している。人気作家のチヨダ・コーキをはじめとする、漫画家、画家、映画監督などクリエイター(志望も含む)があつまるトキワ荘的設定。良くも悪くも1人1人の個性が強く、ここのところ、多様性について考える機会の多い今の自分には非常に面白いキャラクター達だった。恋愛、仕事、将来への不安、ありがちなテーマではあるものの、7人(エンヤを含めたら8人)それぞれの全く異なるとらえ方が読んでいて全く飽きさせない。他の方のレビューにもあったが、上巻の最後の1ページはずるい。絶対に下巻を読まずにはいられない。 >> 続きを読む
2017/10/19 by アスラン
一般的なクライムノベルとは趣が異なるのだが、得も言われぬ静かな恐怖と、ごく普通の生活の中で起こりうる犯罪の香りをひしひしと感じて、怖くなった。さまざまな夢と理想を胸に秘めた人格は、社会や対人関係の衝突や軋轢で、壊れてしまうことが多い。それでも人格はイメージ通りの自分を貫こうと夢を見て、希望を抱く。第三者から見れば「イタイ」キャラになってしまっていても気がつかないまま。ふとした事で現実が危うくなってゆく様を5人の女性像に例えた著者の皮膚感覚はかなり鋭い。特出すべきは5人の女性の心理描写。リアル過ぎる。日常に潜むサスペンスとミステリーをあぶり出した力作。鍵がないのに夢を開こうと、もがく人々が明日もまたどこかで新聞にも載らない小さな事件を引き起こす。 >> 続きを読む
2017/06/16 by まきたろう
高校卒業という門出は、本土と離島ではだいぶ感覚が違う。同じ進学、就職でも家元、故郷を巣立つ精神的距離感がまったく違うように思える。島に残るという選択肢が極端に少ない環境の中、親は子育ての終わりを、子は家族との別れを、運命的な現実として受け止めなければならないタイミングが高校卒業なのではないだろうか。そんな離島の現実をリアル過ぎるほど克明に描出した著者の取材力に感服。観光、特産品の開発から過疎化、高齢化、後継者不足、空き家問題、Iターン、シングルマザーの活路まで社会が抱える課題の多くが、舞台の冴島に凝縮されていた。離島という社会の縮図を題材に地方の意味を考えさせてくれた作品。ラストシーンに描かれた希望を繋ぐ未来像に、中央集中政権が感じ取れない地域に生きる人々の誇りを感じたぜ! >> 続きを読む
2019/01/03 by まきたろう
メジャースプーンで登場した秋山先生がけっこう活躍するのが嬉しかった。私も最初は月子は孝太と付き合ってたと思ってた。なので月子が浅葱から殺されると言うときに妹だったんだと驚いた。多重人格をテーマにした殺人ゲームは悲惨だったけど赤川翼が生きてたところからムードが変わった。人間らしさが溢れてきて読んでて安らいだ。でも最後のシーン恭司だと思って月子が接してたのは浅葱だったと。読んでて浅葱と恭司の共通点はけっこう多かったのでこれも人格のひとつ?辻村さんは好きだけどあまり人を殺してほしくない。月子が魅力的だった。 >> 続きを読む
2020/01/23 by miko
久々の辻村さん。なるほど。題名の数字の意味が最後で分かる。こういうことだったのね。こういう流れに持っていける辻村さん。さすがだ。正反対の性格のみずほとチエミ。母親の存在も正反対だ。虐待のように自分の価値観をみずほに押し付ける母とただ娘のことが心配で過保護に接するチエミの母。みずほは結婚相手の啓太に救われたけどチエミは大地に遊ばれ捨てられた。チエミの母は最期まで娘のことを思ってた優しい母だったのが解ってホッとしたし友情も戻って良かった。 >> 続きを読む
2019/02/15 by miko
読んで思ったのは『スロウハイツの神様』がどれだけ相手を思って行動してるのかという人が主人公だったけどこれは真逆。いくら境遇が荒んで愛情を受けないで育ったにしても復讐のために容易く人の命を奪うことをゲームにしてるのは許せない。新幹線の中で起きた残虐な事件を思い出す。あの犯人は無期懲役を下されたとき万歳をしたとか。殺し損ねた女性客を救うために命を落とした男性の家族はそれを聞いてどう思っただろう。命を生むことは簡単だけど人間らしさを育むことはものすごく大変。娘たちが優しいのは夫のお蔭だと思う。後編に。 >> 続きを読む
2020/01/21 by miko
読み終えた後には爽快感、ハプニングも最後はまとまる、とあっぱれな気分になります。もしかして、この爽快感が「大安」?と思えるほど。ウエディングプランナーの仕事が、自分の仕事と少し似ている部分を持っていてのめり込みました。クレームだの面倒事だのが少なくないお仕事…それでも誰かの幸せのために奮闘し、自分も幸せに出会うことができた山井さんに拍手です。最後まで気を抜けないながら、共感することもできる、良いエンタメ小説です。 >> 続きを読む
2017/05/17 by Akane
この「V.T.R」は、一冊まるまる「チヨダ・コーキのデビュー作」として作品化されたものです。「今を切り取る作家」として注目を集める彼は、「スロウハイツの神様」に登場する人気ラノベ作家。作品解説は同じくスロウハイツメンバーの赤羽環。「ハケンアニメ!」に登場する王子千晴の名前も出てきます。「子どもたちは夜と遊ぶ」の木村浅葱を思い起こすエピソードもありました。つまり、辻村ファンへのファンブック。お楽しみ本。そんなかんじです。辻村さんの作品なのですが、文章が辻村さんのようで、そうでない。本当に人気作家チヨダ・コーキで一冊作品を作り上げています。プロってすごいな。チヨダ・コーキの本としては楽しめますが、辻村深月だと思って手に取ってしまうと物足りなさを感じて少々辛い。「スロウハイツの神様」は先に読んでおいたほうが良いと思います。読まなくても問題ないようにはなっていますが。「V.T.R」より巻末の赤羽環の解説がおもしろいです。チヨダ・コーキの小説について熱い思いを抱いているが伝わってきて、「スロウハイツ」を思い出し、じーんとさせられました。コーキのデビュー作を読んで、より「スロウハイツの神様」が心に響いて、好きになりました。 >> 続きを読む
2019/07/26 by あすか
辻村深月さんの小説はどれもこんな気持ちになったことが昔あったとか共感できる気がする。それに最後に光が差してくる終わり方が私としては嬉しい。一番好きだったのが最後の『樹氷の街』登場人物が個性豊かで優しい。特に松永君が魅力的だった。ピアノが秀でてるのに傲慢になったりせず謙虚で奥ゆかしい。はじめの友達が天木達で良かったと思う。多分多恵さんともう少し日本に留まるんじゃないかな。出来たらそうして欲しい。 >> 続きを読む
2020/03/02 by miko
短編で繋がってて、それぞれ別々の人物が主観になっている。華やかで目立つ人も地味な人も男も女もいて、それぞれの事情や視点がちゃんと書かれているのがいい。ドロドロも多いけど女の友情が光って気持ち良く終わる短編もあり。自分自身が同窓会全く無いので最初はちょっと羨ましかったけど終わりの方ではまったく羨ましくなくなったのは、いい事かわるい事かよくわからん。 >> 続きを読む
2017/02/10 by W_W
おもしろかったーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!これだけビックリマーク付けて伸ばしても足りない。☆が5しか付けられないのが悔しい。それくらい、いやそれ以上面白かった。もう、辻村さん大好き!もう、なにこの読後感・・ちょーハッピー!!多分この面白さは、体験したものは言葉では語れないし、持ちあわせていない。もう、兎に角凄い、素敵な作品!もう、みんなに読んで欲しい!そして感動を楽しさを共有したい!いつかくんとあすなちゃん。とてもお似合い♪まさか、ラストでああいう真実が隠されているとは!?まんまと騙された。でも、騙されて良かったというか、こういうのがあるからおもしろい、辻村さんの作品を好きになり読むんだよな。この作品に出てくる人達に色々と教わったし、良い子、良い人達計りでもう・・涙が・・。いつか、あすな、秀人、甘木、椿、河野、小瀬、松永、三山、絢乃。このメンバー、最強だよ!!!もうみんな大好き!!!良いよな~。この名前だけ観てても全然飽きないし、直ぐ物語に入っていける、そして思い出して・・(´Д⊂グスンいやあ、この「名前探しの放課後」は自分の中の辻村さん作品で一番だな。もう、下巻の冒頭読んだ時点でもう面白かったし、最高傑作になるなと予感してた。当たりましたよ!最高傑作!!SFものでもある今作だけど矢張り人間描写、心理描写、青春描写がずば抜けていたし、ミステリの部分もしっかり練られていて文句の付けようがない!多分SFものだけ好きな人でも、ミステリだけ好きな人でも楽しめると思う。この作品「神作品」です!最後のラスト5行くらいでもう十分掴まれているのに更に心を鷲掴みにされた!なんだよー!あのラスト!!もうニヤニヤが止まりませーん笑面白かった。ほんとに面白かった。この作品も薦めて頂いたあすかさん有難うございました!また素敵な読書体験が出来ました!あー!読み終わるのが勿体無かったのに読み終えて仕舞ったー!!ああ、この余韻に暫く浸ろう。 >> 続きを読む
2015/05/15 by 澄美空
2018/3 8冊目(通算40冊目)。短編集。辻村さんの作品は「太陽の坐る場所」を一番最初に読んだが、この作品はそれに近い感じ。思春期の頃の学校という世界とのつながり、友達とのつながり、そういう物が話のメインになっている。「冷たい校舎の時は止まる」を先に読んだ方がいいと書いてあったが、未読でも大丈夫だった。印象に残ったのは「ロードムービー」かな。雪の降る道もハラハラさせられたけど、結局ハッピーエンドになって良かったなと思う。感想はこんなところです。 >> 続きを読む
2018/03/13 by おにけん
途中まで女子中学生の人間関係の話がメインで、当方男なので正直そこまで楽しめなかったのと、このままいくと最後のオチはどっちに転んでもあんまし面白い話にならなそう、、、と思っていたら!!最後はちゃんと意外性のある感じになって読後感良好でした。読了後ネットで本書名をキーに検索したら著者と大槻ケンヂの対談があって夢中で読んだ。そうかー『凍りのくじら』のあれはあれだったのかあ、とか、著者と同い年の自分は、彼女も若い頃、オーケンの曲で同じ感情を共有してたんだなあとか、楽しくてしょうがなかった。 >> 続きを読む
2016/12/28 by W_W
2010/10/30 発行 >> 続きを読む
2019/11/14 by ゆ♪うこ
【辻村深月】(ツジムラミズキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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