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平川克美

著者情報
著者名:平川克美
ひらかわかつみ
ヒラカワカツミ
生年~没年:1950~

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このランキングは1日1回更新されます。
      移行期的混乱 経済成長神話の終わり
      4.5
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      •  私が読んだ上での解釈では
        「移行期的混乱」とは今我々の暮らす現時点を
        歴史的転換点と見て次なる展開をむかえる移行期であり、
        その混乱の時期にあると著者はとらえている。
         この本の発行された時期は今から5年以上前だけれど
        今でもこの移行期的混乱は続いていると思う。

         さて、その歴史的転換点とは
        さまざまな指標が明らかにしている
        「人口減少」と「経済成長の鈍化」にあるという。
         今までの日本の人口動態を見ると
        歴史上増加の傾向を保ってきていた。
        それが2006年をピークに急速に減少に転じ
        「少子高齢化」が進んできている。
        と同時に経済成長の鈍化も連動してきた。
         これは小手先の施策では止められないと著者はいう。
        人口減少は行きつくとこまで行き、その時点で混乱も終息する。
        人口減少、少子高齢化、経済成長の鈍化は避けがたく
        歴史的な転換点とみて、それに応じた暮らし向きをするべきだ。
        というのが著者の書いてることのあらましである。
         
         以上については、著者の以下の言葉が端的に表している。
         
         「わたしには、人口減少局面とは、民主化の進展によって
          女性の地位が向上し、家族形態が変化し、関係が分断され
          (むしろ進んで孤立化し)、個人中心の生き方ができる
          ところまで進んだことの複合的な結果であり、
          自然としての人間と文明化した人間が作り出す社会形態の
          アンバランスを調整しようとする、歴史的な文脈の中で
          起きてきた出来事だと考えた方が自然なことのように思える」

         少し補足します。
         
         この混乱を危機と捉えるのは、経済の拡大を至上命題とするからで、
        時代の変化として冷静に受け入れ道を模索するしかないのではないか
        …と著者はしています。

         まさにその通りで
         
         人口減少、経済成長鈍化の中で市場は低迷します。
        企業が利益を上げ売り上げを伸ばそうとすれば
         
         それは合理化して仕入れ単価を下げて利ザヤを稼ぎ売り上げをのばす。
        これは今の流通大手のやってるコンビニとスーパーの展開です。
        このため、地方の商店は壊滅しました。

         それとも、金融取引にお金をつぎ込んで
        マネー資本主義をつきつめるかでしょう。
        これはいつ破綻するかわからないリスクをともないます。

         どうするのか、どうやって今の暮らしを安定的に保つのか。


         
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        2015/05/30 by 俵屋金兵衛

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      株式会社という病
      カテゴリー:企業、経営
      5.0
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      • 電通残業自殺問題が最近の大きな話題である。みなさんご存知の通り、残業が続いたため若手女性社員が自殺してしまったという事件である。

        まだ社会経験も少ない若手女性社員を自殺まで追い込む電通という会社組織に大きな問題があることは間違いないのだが、この事件の本質と問題点はどこにあるのだろうか。

        それを解くカギは、「会社とはいったいなんなのか」と「会社というものに対するわれわれの抱く幻想」にある。

        結局のところ会社というのは利潤追求の組織。それ以上でも、それ以下でもない。しかしながら、人がつくったはずのこの会社という組織が、あたかもモンスターのように人を支配し、社会に影響を与え、もはやその暴走を人がとめられなくなりつつある。

        そして、"会社から給料をもらってるんだから"と思考停止してしまった幹部たち。

        この本は、会社というものの本質、そしてわれわれはそれを自覚したうえで会社というものと付き合っていかなければならないこと、を教えてくれる。

        若きビジネスマンたち、これから社会に出ようとする就活中の学生たちに一読おすすめしたい。

        そして、若き命を絶ってしまった女性社員のご冥福をお祈りしたい。

        【このひと言】
        〇株式会社というシステムが、その内に病を抱え込んでいるとするならば、それは人間の病でもあるわけである。
        >> 続きを読む

        2017/02/12 by シュラフ

    • 1人が本棚登録しています
      9条どうでしょう
      カテゴリー:憲法
      5.0
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      • ここ数年、憲法についての話題になる事が多い。
        そのため、毎年、この時期、憲法に関する本を読む事が恒例となりつつある。

        今年、読んだのは内田樹と、彼が選んだ3人が語る憲法9条を中心とした憲法論である本書。
        「虎の尾を踏むのを恐れない」という触れ込みだが、主に踏んでいるのは改憲派の「尾」

        4人に共通しているのは「なにがなんでも憲法を守れ」と言っているわけではない、と言う点。
        「変えてもいいけど、なぜ今、変えなければならないのか?」という点が根底で共通している。

        自分が分からない点もまさにそこだった。

        結局のところ、改憲派の人は「変える事」が自己目的化しているような気がする。
        突き詰めると「自主憲法を制定した」という事実を作って、自分のプライドを満たそうとしているだけでは?

        今の憲法を根本的に変えたとして、何を目指すのか?

        なんだかんだ理屈はこねても、「平和国家」という看板は降ろさない(まさか憲法で「侵略国家」を掲げよう、という人はいないだろう)から、結局、9条がジャマなのだろう。

        9条を無くす事で「普通の国」になる、と言う人もいる。
        が、「普通の国」とは他国と戦争する事もできる、という意味になる。

        そういう覚悟を持った上で主張しているのかは、はなはだ疑問。
        自分だけは安全な所にいる、という前提でモノを言っている気がしてならない。
        (特に政治家は安全な場所にいる充分な理由があるから)

        本書の中では、町山智浩氏が最後にこう語っていたのが印象に残る。
        「そんなに軍隊を持ちたいなら持てばいいが、その場合は自分もちゃんと兵隊やれ」
        (外国では職業軍人に軍隊を独占させるのは危険なので、国民皆兵制を敷いている国もあるらしい)

        改憲派の人たちは、どう答えるだろうか。
        >> 続きを読む

        2014/05/05 by Tucker

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      9条どうでしょう
      カテゴリー:憲法
      5.0
      いいね!
      • 【「改憲論議」の閉塞状態を打ち破るには、「虎の尾を踏むのを恐れない」言葉の力が必要である。四人の書き手によるユニークな洞察が満載の憲法論!】

        ウチダ先生が書いてらっしゃるってことと、今アベさん達が盛んに「改憲」をしたがっている(前々からですが)ということで、読んでみました・・・ら、これがもう一気に読んでしまいました。
        お願いだから、アベさん達これ読んで、きちんとした改憲への説明なり、反論なりをしてください。
        でなければ、アベさん達(きちんとした説明ができない方)に改憲されるのは怖いんですけど。

        というのは、この本に書かれていることが実に納得いくのです。以下、いっぱい引用。( )以外。

        >憲法は(…)主権者である国民が、「法」によって権力の暴走や侵犯を防ぐという意味をもつ。その意味で、憲法はまさに権力者の自由を制限するために存在している。これが、権力者の都合に合わなくなったので陳腐化したというのでは、そもそも話の筋目が通らない。しかし、不思議なことに、現実にはひとりひとりが、乖離や陳腐化が何処に(何故に、ではない)生じているかというふうには、考えなかったのである。(←平山さん。 与党の傲りじゃない?それって私欲じゃないの?)

        >改憲派の掲げる改憲の目的
        ①有事の際に迅速に対処するため
        ②海外に出兵できるようにするため。集団的自衛、国際貢献に必要である。
        ③現実に対応するため。憲法は時代に合わせて書き換えられていくべきである。
        ④自衛隊は「戦力」であり、憲法九条と矛盾しているので、「ねじれ」が生じている。その「ねじれ」を正すため。
        ⑤「普通の国」になるため。「普通の国」には自国を守る権利があり、軍隊を持っている。
        ⑥アメリカから押し付けられた憲法なので、日本人の意志で書き換えるため。
        ⑦日本人の誇りを取り戻すため。

        改憲を支持する人々の多くのメンタリティには⑥が必ずあるし、突き詰めれば⑦がある。僕はそれが恐ろしい。(←町山さん。 私も恐ろしいです。日本人は絶対に戦争をしないぞ、という誇りならいいんですが…)

        >憲法に謳われた、「国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的」(憲法前文)を実現するという理想主義的な原則を捨てて、現実的に対応するという現実主義へのシフトを意味しているのである。(理想をすてて、現実に迎合するの?「普通の国」を目指すの?成り下がる?)

        >政治家がすべきは、憲法が示した理想を現実化する仕事だ (←平川さん)

        >「普通の国」であるための論理的条件とは、アメリカを含むすべての国と戦争をしたいときには戦争することができる権利を留保することである。(←内田さん )

        (これこれの場合は武力を行使することができる、という条文を入れるということは、)
        >「戦争をしてもよい条件」を実定的に定めるということである。どれほど合理的で厳密な規定であろうとも、「戦争するためにクリアーすべき条件」を定めた法律は「戦争をしないための法律」ではなく、「戦争をするための法律」である。(←内田さん。そっちへの可能性を開いちゃうってことだもんね)

        >「人を殺してもよい条件」を確定した瞬間に、「人を殺してはならない」という禁戒は無効化されてしまうからだ。「人を殺してもよい条件」を確定してしまったら、あとは「人を殺したい」場合に「そのためにクリアーすべき条件」を探し出すことだけに人間は頭を使うようになるだろう。人間がそういう度し難い生き物である、ということを忘れてはならない。(私は、戦争も殺人や暴力も(同じ事だけど)全否定したい。みんなそうじゃないの?)

        >「武装国家」か「非武装中立国家」かの二者択一しかないというのは「子ども」の論理である。

        9条を変えなければ、日本は他国に侵略されて戦争に巻き込まれて死んでしまうのでしょうか?
        武力行使されて、多くの命が犠牲になるのでしょうか?
        それよりも何よりも、戦争にならないようにする努力、戦争そのものをなくす努力、他国と平和に生きる努力はできないものなのでしょうか?そのための憲法なんじゃないのかな。

        武器による平和? 平和をもたらすための戦争? 軍事的なパワーバランスの均衡による両すくみの平和? ピースメーカーという名前の戦略爆撃機? 殺されるのはいやだけど殺すのはよい???

        仕方がない場合もあるけど、回避できるものは回避しようよ。憲法ではなくて外交で。(戦争をしないという基本を変えないで)

        ウチダ先生は、憲法九条と自衛隊は、矛盾していないと言います。アメリカから見れば、何も矛盾してない。そして、日本は「矛盾として受け取るという病態を選択した」。それで60年以上、少なくとも戦争に巻き込まれ殺人を犯すことは免れてこられた。何故、今あえて変える必要があるのか?「ねじれ」たままでいいじゃんないの?

        私も、今ある現実をあるがまま受け入れ、理想に向かって出来ることを出来るように(二者択一でなく)、少しずつ、苦しみながらも折り合いをつけてやっていくしかないと思うのですが。
        何で、憲法を変えなきゃいけないかが、分かりません。少なくとも、戦争や殺人や暴力という方向へは、変えないでもらいたいものです。
        >> 続きを読む

        2014/02/19 by バカボン

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      小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ
      4.0
      いいね!
      • 前作を読んでから面白いことを書かれるなと思っているし、何となく、自分の思いと近いので、腑に落ちる。
        生き方の問題。
        あいも変わらず成長戦略だとしか言わない政治屋達と、それにすがろうとする人々。
        まだまだ、モノに拘るからだろう。
        書かれている通り、モノが無い時代からモノだけは溢れるようになってしまったがために起きてしまったことかもしれない。
        大事なものがなくなりつつある。
        そこを、うまくまとめられているのかなと思う。
        ただ穏やかに書かれているので、もう少しインパクトがあると、もっと良かったと思う。
        >> 続きを読む

        2014/07/16 by けんとまん

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