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沼田まほかるの「ユリゴコロ」は、母を事故で失った青年が、実家で見つけた四冊のノートをめぐる物語だ。それは、幼い頃から殺人を繰り返してきた、何者かの手記だった。何故そこにそんなものがあるのか、そして手記を書いたのは誰なのか?生まれながらに、心のどこかが欠損している殺人者の手記の恐ろしさと、実の両親を疑わなければならない立場に置かれた、主人公の懊悩とが絡み合い、読みながら戦慄が、私の胸にひたひたと迫ってくる。しかし、読後に残るのは、ある人物のあまりにも深い愛情だ。理解は難しいし、そもそも他者の理解など最初から望んでもいない、法や倫理を完全に無視した、だがそれ故にどこまでも純粋---。そんな愛情を描くことで、善悪の彼岸を垣間見せてくれる、いかにも著者らしい迫真の力作だ。 >> 続きを読む
2020/10/10 by dreamer
読み進むうちにどんどん違和感が大きくなって、中盤以降は素直な気持ちで読むことができなくなった。最愛の息子が行方不明となれば藁にもすがる精神状態になるのだろう。そのことを差し引いても主人公が衝動的に行動し過ぎ。本当の精神病患者はこの主人公なんじゃないかと疑いながら読んでしまった。他にも仕事もせずに主人公宅に通いつめる服部とか、失踪に関して一切動こうとしない警察とか不自然な設定が多すぎた。 >> 続きを読む
2017/01/15 by Magic_Hour
映画のシーンを追想しながら読んだ。9割くらいのところから一気に引き込まれる。ストーリーの紡ぎ方は、映画のほうが好き。陣治が落ちる瞬間に過去のシーンを振り返る。映像ならではの手法かもしれないけど。田口ランディのコンセントに似た空気感だった。読むタイミングが悪いと引っ張られてしまうかもしれない。 >> 続きを読む
2020/09/22 by ちっちゅう
ザワつく感覚がずっと貼り付いたまま迎えた終盤の展開は、ただの狂気を描いただけじゃなかった。予想以上に読み応えのあった作品でした。 >> 続きを読む
2018/12/19 by hiro2
自分で 飼っていた猫を思い出した。最後は とても悲しかった。3月に産まれた孫を会いに行く途中の新幹線で読んだ。生と死って何?って考えさせられた。ユリゴコロも前に読んだが 、不思議な小説です。 >> 続きを読む
2017/01/26 by 缶詰め
凄く良かった。ムッと湿気が充満する空間に動物性の甘い香りがフッと混じるような、その香りに酔って気分が悪くなるような読後感。水気を含んだような、重苦しくそれでいて美しい文章。私、この作家さん好き!林檎曼荼羅の、緩やかに壊れていく世界で明かされる秘密。この話が一番いい。不安定な足元の踏み台が大海に浮かぶ船になって、姑が望む散骨のイメージになる下り、泣きそうになった。ヤモリの井戸は子宮を思わせる。自分のお腹に戻したんだと。沼毛虫、テンガロンハット、クモキリソウ・・じわじわ這い上がってくる不快感や嫌悪感。ああ、痺れる! >> 続きを読む
2017/10/27 by ももっち
オカルティックなホラーサスペンス一人の少女を巡って飛び交う狂気狂気狂気。序所に確実に壊れていく、日常の描写は本当に鬼気迫るものがあります。沼田まほかるさんは他にも数冊読んでいますが、本書は比較的ファンタジックで宗教的な描写も多いです。さらに人を選ぶかもしれません。気分がモヤモヤしてるとき、それを上回るモヤモヤで忘れさせてくれる一冊。 >> 続きを読む
2014/04/17 by オオスカシ
2010/4/25初版1刷発行
2018/10/05 by 匿名
【沼田まほかる】(ヌマタマホカル) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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