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下和田サチヨ

著者情報
著者名:下和田サチヨ
しもわださちよ
シモワダサチヨ
生年~没年:1968~

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      まるまれアルマジロ! 卵からはじまる5つの話
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! Tsukiusagi
      • 表紙のアルマジロがかわいいっ!!!(絵:下和田サチヨ)この短篇集の主人公は動物です。
        「卵があった。…」と ここから始まる5篇の短篇は、ユーモアたっぷり。
        児童書らしく楽しくハッピーなお話(ときにダジャレもおふざけもあり)ですが、
        大人が読めば人生を感じさせる深いお言葉に溢れている傑作なのです。

        動物寓話。主人公はオケラ、オオカミと小鳥、ハゲタカ、ダチョウとアルマジロ、コウノトリ。

        お話は一篇で独立していますが、場面や主人公や脇役が微妙に交差することで
        小説世界がゆるくまとまっています。
        そして、共通するメッセージも読み取れます。

        幸せって何だろう?これが一つのテーマであることは間違いありません。

        ときに美しくときにシャレで笑い飛ばし。
        5つの物語はそれぞれが別の輝きで微笑みかけてくれている。
        そして、いつしか「愛」を見つめている自分にきづくことでしょう。


        「オケラのお月見」 様々な読み方ができる哲学的で美しい一篇。
           オケラのケラは物知り。
           「土の中には地球の記憶が埋もれ声にならない声をあげている」
           いつもその声を聴いているから。
           あるとき子供たちに「月を見てみたいよ。外を飛んでみたいよ」と言われて……
               
           「世界は息をのむほどに美しかった」
           いつまでもそうあって欲しいですね。     
             

        「オオカミの大きなかんちがい」 自分らしい生き方って何?
           思いはいつもすれ違い? オチはジョークです。(笑)

           卵から孵ったヒナが最初に目にしたのは、歌が好きな臆病オオカミだったから大変。
           
           きみのほんとうの声を聞きたい。きみの心からの声を聞きたいんだ。
            

        「ハゲタカの星」  自分らしい生き方を見据えた感動の一篇。
           ハゲタカが選んだ星とは?……それは地球なのではないでしょうか。

           ハゲタカやハイエナはディズニーアニメなどではいつも悪役ばかりです。
           私、この扱いにいつも疑問を持っていました。
           安東さん。偉いです(^-^)//""ぱちぱち
           「自分がきめたひとつの星に恥ずかしくないように生きていけりゃそれでいいんだ」
          
           「ほぉ。命をとるのが、勇者ってのかい」
           「命の終わりにつきそっておるんだ」
           「死んだものを食うことは、その魂を天につれていくことだと。それが神さんとのやくそくだとな」

           清水玲子さんの「20××」にも通じる死生観です。


        「まるまれアルマジロ!」  これは落語の人情ものです!会話のテンポもいいし、笑えます。   
           笑わせつつ、母の愛、夫の愛、そして家族とはを考えさせます。

           ダチョウ夫妻とアルマジロのお話。
           孵らない卵を抱き続ける妻を心配した夫は、ある決断をしましたが……
           

        「心配性のコウノトリ」  生まれてくるということの意味。そこに答えはないけれど。
           これだけは言える。
           「幸せってのは、まずは生まれることじゃあねえでしょうか」

           天で働くコウノトリに選ばれたストークは、赤ん坊をとどける初仕事に重大な責任を感じます。
           赤ん坊がぜったいに幸せになるように親を選ばなければ!
           お金のある家、りっぱな両親、愛情がたっぷりすぎて愛の罠?な家。全部ボツです。

           けれど「ぜったいに幸せになる、そんな約束の家があるんでしょうか」    

           「コウノトリではなくフコウノトリになるところでした」と反省。
            


        ハゲタカのヒナはこの世が生まれるに値する物だろうかといぶかしむ。
        コウノトリは自分に託された赤ん坊が絶対に幸せになる家に届けようと決意する。

        回答なんてありはしないけれど、敢えて言います。
        「生まれてくること」が肝心なんだ。そして懸命に生きることが全てなのだと。

        命の大切さは「大切だ」という単語なんかでは伝わらないものです。
        こんな本を何冊も何度も読むことで、しみとおるように心でわかるものなのだと思います。
        >> 続きを読む

        2014/09/15 by 月うさぎ

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