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金子哲雄

著者情報
著者名:金子哲雄
かねこてつお
カネコテツオ

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      僕の死に方 エンディングダイアリー500日
      カテゴリー:個人伝記
      3.3
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      • 突然の余命宣告。
        絶望の中でやがて彼は「命の始末」と向き合い始める。
        その臨終までの道程はとことん前向きで限りなく切なく愛しい。
        これは41歳で急逝した売れっ子流通ジャーナリストの見事な死の記録である。

        話題の本でしたから、図書館に予約してから手許にくるのに、半年くらいかかってしまいました。
        仕事の合間に…と、読み始めたら、一気に最後まで読み通してしまったほど、ごくごく身近な死生観、自分と重ね合すことが難しくない環境や考え方に惹きこまれました。

        僕も死ぬ時は、妻と愛犬たちと、住み慣れた自宅で、苦しくなくというのが希望です。
        金子さんと少し違うのは、仕事が生きがいでないので、死ぬ時期がわかった時点で勤めるということは辞めるだろうと思う事。
        金子さんは、仕事=自分と仰ってはばからない方だったようですが、僕だったらどうだろう。
        死までの猶予期間くらい、好きなことだけをやっていたいと思うのだけれど、弱っていく体でできることといったら、読書か映画くらいか、と思います。
        映画でしょうね、最後は。
        好きな映画を観ながらならば、取り乱さずに安らかに逝けるような気がします。

        死病を患うと、「本人がいちばんつらいだろうけど」という冠言葉をつけないと看病にあたる家人や、近しい方々をねぎらうことができません。
        日本ておかしな国ですよね。
        大切な人が目の前で刻々と死に近づいている様を見せつけられている周囲の人間たちの苦しみはいかばかりか。
        「戦うべきだ」とか「少しでも希望があるのなら」とか。
        本人が「もういい」ってリタイヤしようとしているのに、まるで死ぬことを忌み嫌うことのように「頑張れ」を繰り返す。
        こういう本を読むたびに、僕にそういう時が来た時に、病人本人にどれだけ寄り添ってあげられるだろうか、とロールプレイを繰り返します、ちょっと変ですが。
        大切なことだと思うので。

        特に、40歳という年齢は死生観を確立するのに、ちょうどいい年齢だと思います。
        僕も今年、めでたく不惑を迎えますが、ここ1、2年は、ほんとうに「死」というものに対して前向きに考えられるようになりました。
        上昇欲や性欲や、人間として当然持っているんですが、少しみっともない欲望が、だいぶ落ち着いてきたからかと自己分析しています。
        僕には子供もいないし、妻はひとりで立派に暮らしていける強い女性です。
        財産と呼べるものは自宅と、愛車くらい。
        失うものが少ないと強いな~、と、妙にうれしくなったりしていました。
        金子さんは仕事に穴をあけること、仕事関係の方々に不義理をしてしまうことにすごく罪悪感を持っていらっしゃったようです。
        人生これからとエネルギー放射が活発な方から先に逝かれてしまう不条理には、心が痛みました。

        「潔さ」というのが、人間として生まれ落ちて死ぬまで、常に僕が胸にしていたいテーマです。
        自分という意識が無くなることが死でしょうから、考えてみれば、毎晩、死んでるんですよね。
        そう考えるようになって、だいぶ死についても潔くなれていると思います。
        だから、いつも考えてるんですよ「今、この瞬間、死が目の前にあったとしたら、どう行動できるか、どう行動するか」。
        絶対に「死にたくない」と言ったり、思ったりしたくない。
        そんな、カッコ悪い死に方だけは絶対にごめんです。

        …40代で死ぬということが、どういうことか。妻のために準備しておくことはないか。気持ちにはどんな変化があるか。
        それを残しておきたいと思った。

        医療の進歩というものは凄いもので、病気を治すという技術的な進歩は劇的に飛躍していると思います。
        つい100年前には当然のように不治の病だった病気が、今では入院もせず、簡単に治ってしまう。
        裏返すと、不治の病もどんどん明瞭に分かるようになってきていて、「いつ死ぬか」という生物にとって、ちょっと究極の答えが割と確実性を伴って導き出せるようになりました。
        おかげで金子さんは自分の死までの準備を、期間を逆算して、心置きなくすることができました。
        きっと金子さんのように、自分の終わりに向かって、前向きに取り組んでいる方々は、それこそたくさんいらっしゃるのでしょう。
        現代という今に生きることができた私たちは、そのことにもっと感謝しなければいけないのかもしれませんね。

        身近にある「死ぬということ」に衒いなく向き合える、そして具体的に深く考えられる、行動に移せる。
        そういうことを教えてもらえる、良著だと思いました。
        >> 続きを読む

        2015/02/08 by 課長代理

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