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アフガニスタンでもジャカルタでも、スラム街でも売春窟でも、みんな自分たち日本人と考えてる事や感じる事はさほど変わらないんだな、というのが率直な感想。ここで紹介されたアジア各国にすごく親近感を覚える。 >> 続きを読む
2020/06/02 by キトー戦士
貧困。断じて一括りに出来ない多様な実態が、世界を見渡せばあるのです。衝撃だつたのは、たとえば売春。犯罪の一括りで片付けてしまっては、貧困の実態は何も見えてこない。貧困の故に売春に走る、そんな短絡的な構図しか思い浮かばないとすれば、森を見て木を見ない「知ったかぶり」でしかないのだ。ああ、政治が対象とするのは往往にして総論でしかない。リアルな実像ひとつひとつに向き合ってこそ、本当の救済がはじまる。そんな思いに駆られる一冊。 >> 続きを読む
2015/01/18 by junyo
物乞いのために腕を切断された少年。腕が無かったり、目がつぶれていたほうが、同情を引きやすく、物乞いが上手くいくからだ。 そんな出来事を知ったのは、筆者が高校生くらいの時であった。だがそんなひどい状況はつい最近まで続いていた。 インドの都市ムンバイで行われる生々しい少年たちの記録。それが本書のテーマだ。 タイトルにある、レンタルチャイルドとは物乞いをする路上生活者の女性が借りる子どものことである。子どもを抱いていたほうが、同情を引きやすいというのがその理由だ。そしてそんなレンタルチャイルドは、半年くらいで女たちの元を離れる。理由は、情が移ってしまわないため。中には子どもを連れて逃亡する者もいるというが、結局生活できずに捕まってしまう。 悪臭と不衛生が渦巻くムンバイの貧民街での生活は、むき出しの欲望と一時の現実逃避が交錯する。 その中で考えさせられるのは、何より人間としての尊厳だろう。 人は貧困の中でも、人としての尊厳を保っていられるのか。 そもそも尊厳とは何か。 疵を負った売春婦は、一人の子どもの世話をすることに生きがいを見出す。 別の売春婦は、男たちに求められることで自分の存在価値を見出す。 マフィアに利用されていた少年は、やがて成長して大人になり、自らもマフィアと同じように子どもを傷つけ、物乞いをさせる。 だがそれも生きるために必要なことだと自分に言い聞かせる。仲間を食わせるために犯罪に手を染める。そこにも、一つのプライドのようなものがある。 本書には、ここでは書けないような生々しい記述も多い。それが事実かどうかは、正直なところわからない。 ただ、人の汚い部分を見ずにきれいごとだけを並べても、貧困は無くならないし、荒廃した心を元に戻すことは難しい。 街の発展とともに、物乞いの子どもたちは姿を消し、路上生活者は郊外へと追いやられていく。彼らがこれからどうなるのか、それはわからない。先進国の人間は恵まれているのだから甘ったれるな、などと言うつもりはない。 貧しかろうと豊かだろうと、人にはそれぞれ悩みがあり、そして自らの尊厳を守ろうとする。今の我々に、守るべき尊厳があるのだろうか。何のために生きているのだろうか。生々しい生命の蠢きを見るたびに、筆者は自分に問いかけずにはいられない。 >> 続きを読む
2015/02/09 by ぽんぽん
最終章のインドは特に衝撃的。前章の諸国も強烈だったけどどこか希望めいたものがあって暖かい気持ちになれたけどインドに関しては絶望しか無かった。この本は15年前に書かれたものだけど今はどうなんだろうか。いずれインドも含め東南アジアはゆっくり旅したいと思っているけど、石井氏ほどは無理としてちょっと踏み込んだ旅にしたい。 >> 続きを読む
2020/01/02 by キトー戦士
「地を這う」という意味が、頁をめくるたびに少しずつ実感となってくる。これもまた、事実の一こまであるということ。写真と最小限の文章で構成されているからこそ、伝わるものもまた少し違う。目を覆いたくなる事実もあれば、希望を感じさせる光景もまた事実。しかし、その背景にあるものを考えると、複雑な心境にもなる。世の中は、光の部分にばかり目がいくし、その傾向は強くなっているようにも思う。視線の角度を、少し変えるだけで、見えてくるものがいかに多いことか。 >> 続きを読む
2014/10/08 by けんとまん
今、この本を読んで、改めて思うこと。それは、記憶・記録の風化という事実。もちろん、一個人としての自分という視点から、それは始まる。それにしても、いろいろな人がかかわり、時間が流れ、状況が変化し、その中で起きていること、起きてしまったこと、起きようとしていること。頭の中が、いろんな方向へ行ってしまう。どう自分の中で、受け入れるのか。いまだに、出来ないでいるが、それは、時を経て思い出したその時に、自分自身のことを、その変化をどう思えるかにかかるのかもしれない。 >> 続きを読む
2014/08/10 by けんとまん
海外の人がイメージしている日本人について言及しているのですが、「こんなことあるはず無いでしょ!」と読みながら本に突っ込みを入れている自分がいました(笑)。悪い噂(反日など)が多く記載されているので、読んでて気分を害する人もいると思います。この著者の本は、この部分に関しては一貫してます。#ストレートの表現を使うので仕方がない感じです。この本を読んで改めて感じましたがこの人の本は、ドキュメンタリーの方が面白いです。 >> 続きを読む
2012/10/23 by higamasa
情熱大陸の著者の特集が放映されて、興味を持ったので手にとってみました。リアルなのかは正直わかりませんが、今まで読んだスラムの実情を描いた本の中では一番衝撃があった。スラムの日常や仕事、食生活だけでなく、構造までもが理解出来ます。凄く生々しいので、気分を害する方もいるかも知れませんので、そこだけは注意して下さい。 >> 続きを読む
2012/08/28 by higamasa
現場を見ることの意義を強く感じた。まさに百聞は一見にしかず。ネット画当たり前の時代になり、いくらかは映像から情報を得ることも増えてはきたが、そもそもその映像が意図されたものであることも多い。ましてや、机上の論だけで判断することの怖さ・脆さということに、いかに思いを持ち続けることができるかだ。その背景にあるものを知らずして、多くを語ることなかれだと思う。もちろん、一人一人がすべてを知ることはできないが、何かを感じ取り、アクションをとることは可能だと思うし、その積み重ねしかないのだ。 >> 続きを読む
2014/10/17 by けんとまん
【石井光太】(イシイコウタ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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