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相場英雄

著者情報
著者名:相場英雄
あいばひでお
アイバヒデオ

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このランキングは1日1回更新されます。
      震える牛
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! ryoji
      • 現実にありそうで、震える私。

        2015/04/30 by abechin

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      震える牛
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!

      • かつてWOWOWの連続ドラマを観て、いつか原作も読んでみようと思っていましたが、ようやく読了しました。

        この相場英雄の「震える牛」は、牛肉にまつわる疑惑と、居酒屋での殺人事件、そして生き馬の目を抜く小売業界を絡めた、重厚な社会派ミステリだと思う。

        刑事の着実な捜査、女性フリーライターの私怨も含めた執念の取材が、ある企業と産業の暗部に斬り込んでいく。

        事件のスケールは大きく、ディテールは細かく、登場人物は生き生きとしていて、ぐいぐいと読ませるんですね。

        尚、この小説のテーマである、食の安全に関わる食品偽装問題は、かつての雪印やミートホープによる牛肉偽装事件などは、既に過去の歴史と化したかも知れないが、その背景にあった、安売りに飛びつく消費者、疲弊する生産者、熾烈な競争の時代に生き残りを賭けて暴走する大資本などの社会状況は、まだ全く変わっていないのだ。

        この物語の課題は、十分、「今」の問題でもあるんですね。

        >> 続きを読む

        2019/02/18 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      血の轍 = BLOOD ON THE TRACKS
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 妻の不倫現場を凝視させられながら、公安捜査員として鍛えられる男。公安部の差し金によって最愛の娘を失った恨みを胸に、刑事部に生きる男。二人は所轄時代の盟友だった。「元警官殺し事件」。警視庁上層部をも巻き込む大事件を巡り、二人は再び相まみえる。

        『震える牛』以降、著者にどういう変化があったのか。
        すさまじい現実感、これでもかとたたみかけてくる登場人物たちのぶつかりあい。
        幻冬舎から書き下ろし。担当編集者優秀。
        僕の中で今年上半期ナンバーワンの警察小説。
        読んで損はないと思います。
        エンタメですけどね。
        >> 続きを読む

        2014/07/21 by 課長代理

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      共震
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 震災後の東北。過酷な現場で、一心不乱に被災者に向き合い、働き続けた公務員が殺害された。
        警察と新聞記者、それぞれがそれぞれの立場から、事件の全貌を炙り出してゆく。復興の裏に隠された現実、闇。

        ・・・というレビューになる。
        作者の筆力を信じている。
        だから、震災復興の現実なのか、ミステリなのか、はっきりしてほしかった。
        あきらかに前者にスポットをあてて、仕上げていくべきだったんじゃないかな。
        「麺食い記者シリーズ」なんてものにこだわる必要ないと思う。
        >> 続きを読む

        2014/07/20 by 課長代理

    • 3人が本棚登録しています
      鋼の綻び
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 及川首相が出席する東京証券取引所の大納会で、日本を代表する企業の株価が一斉に原因不明の大暴落を始めた。
        警察庁出身の首相秘書官・桐野は何者かによる経済テロと断定。
        元部下の警視庁刑事・土田とともに動き出す。
        浮かび上がった犯人は原発事故の被災地・福島県と接点があった。
        大暴落が刻々と進む中、犯行とフクシマの関連が濃くなってゆく…。

        徳間書店の文芸誌『問題小説』誌へ2010年6月から2011年12月に亘って連載されていたものに、加筆・訂正を加え纏めたものです。

        市場の大混乱を招く金融テロ。
        それを阻止せんが為に死力を振り絞る者、市場の裏で行われている混乱をいち早く報道しようと躍起になる者、亡き故郷と失ったかけがえのない人の復讐の為に国家に挑戦する者。

        息を呑む物語の行方を追う視点は四つです。
        警察庁から内閣官房へ出向し、首相秘書官を勤めるキャリア・桐生。
        桐生がかつて率いていた機動隊時代の部下で現警部補・土田。
        生き馬の目を抜くマスコミ業界でなりふり構わず上昇志向をみせる女性ジャーナリスト・井口。
        静かなしかし誰もが怯える強い視線を放つ金融ブローカー・矢吹。

        “終わりの始まり”は新宿歌舞伎町で起きた金融ヤクザの殺人事件。
        三十ヶ所以上メッタ刺しにされた死体が発見されたのは、韓国クラブのトイレの個室でした。
        犯人は近隣のクラブに勤めるホスト、動機は痴情のもつれ。
        歌舞伎町に踏み出せば必ずぶつかってしまうような、そんなありふれた事件に、まずは現場の土田のアンテナが反応しました。
        すると、すぐ犯行現場のごく近所、ゴールデン街での“伝説のママ”自殺事件が浮かび上がってきます。
        この案件、誰もが遠ざけるトップシークレットでした。
        現に、臨場した鑑識官をあたった土田は「7・3でコロシ」との感触を得ます。
        政財界のトップたちが夜な夜な通っていた、新宿の裏店での事件は、現職の大臣、官僚、財界人たちの醜聞を巻き込んで大きく膨らんで、破裂寸前でした。

        土田からの報告を受けた桐生のセンサーも敏感に反応します。
        彼の今の至上命題は、総理大臣、ひいては現内閣を徹底的に守る事。
        私情では、福島の対応のお粗末さや、その狭量さに辟易しているにせよ、仕えるべき相手は守らねばなりません。
        そのためには、ほんの些細な出来事からも最悪を想定し、常に次善の手を打っておくこと。
        漠とした不安感から周囲を見渡すと、同じく東大出身のキャリアで後輩の金融官僚が行方をくらましていることに気付くのでした。
        彼の携帯電話のGPSを追うと、沖縄県宮古島・伊良部島近海をさししめします。
        沖縄県警に問い合わせると、そのあたり一帯では、台湾黒社会と繋がった日本のヤクザが鮫を使った殺人ビジネスを行っているということ。
        あらかじめ大量の豚や牛の臓物をドラム缶に入れ海にばら撒き、鮫が集まってきた頃合いを見計らって裸に剥いた人間を放り込む…跡形も無く人がひとりいなくなる、という寸法です。
        誰が彼を殺したのか、彼を殺すことでいったい何が起きるのか。
        まだ見ぬ敵を前に、桐生の背筋を冷たい汗が流れます。

        特ダネを挙げるためには枕営業も辞さない、美貌の野心家ジャーナリスト・井口も、きな臭い市場の動きに目を凝らしていた一人でした。
        そんな井口に急遽、新宿の殺しの現場の取材が命じられます。
        担当ディレクターの代打で現場に駆けこむ井口。
        他局の後追い取材になってしまった金融ヤクザの殺しよりも、近くで拾った歌舞伎町でも高名なスナックママの自殺事件の方に食指が動きます。
        カメラマンを誘って現場に赴く井口。
        埃をかぶったシャッターを持ち上げようとした瞬間、内側から突然持ち上げられ、現われた鋭い眼光の男。
        「撮るんじゃねぇ」
        ひとこと呟いて立ち去った男の背中を見つめつつ、井口には、どこかで会った顔…という思いが込み上げてくるのでした。

        故郷・福島にいい思い出なんかなかった。
        それでも亡くした故郷の恨みは晴らさなければならない。
        闇社会を生き抜いた金融ブローカー・矢吹が繰り出す、数々のトラップ。
        すべては現・総理大臣の失脚を目論んでのものだったのです。
        3・11の失態、原発事故の後の失敗。
        すべて責任をとらずのうのうと政権に居座る内閣をパニックに陥れる恐怖の計画、金融テロ。
        最後の歯止めであった育ての親である女性を殺されたとき、矢吹はその全知を振り絞り、株式市場に特大の爆弾を落とすのでした。

        相場さんは上質なエンタテインメント小説の作り手さんです。
        本作も金融の知識や、震災の記憶などふんだんに盛り込んだ、読み応え十分の一冊です。
        犯人もすぐわかってしまうし、読者にはその動機も明らかにされますから謎解きや、大どんでん返しのスリルは味わえませんが、読み始めから終章に至るまでの疾走感にあふれた物語に、きっとページをめくる手を止めるのは難しいのではないかと。

        相場さんの小説では、多く被災地の悲惨が伝えられます。
        本作でも根幹部分は、まさしく東日本大震災、そしてそこから誘発された福島第一原発爆発事故の痛みです。
        「浜通りの人たちは原発事故のせいで棄民扱いされた。怒って当然だ」
        「半径20キロ圏内の10万人以上の人々は文字通り人身御供にされたわけだ。総理は彼らには痛みを甘受せよと仰るわけか」

        渦巻く怨嗟の声は、あれが人災であったから。
        絶対に安全だと高らかにうたってきた諸々が呆気なくも瓦解し、なおかつその後の処理のお粗末さに、全国民は呆然となり、怒り心頭となったのは僕だけではなかったと思います。

        未だ万を超す方々が故郷に帰れず、不本意な避難先の空の下にいるいま、頭のどこがどうなっていれば再びほかの原発を稼働させようという気が起きるのか、まったく理解に苦しみます。
        まだ福島は終わってないだろう。
        >> 続きを読む

        2016/03/17 by 課長代理

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      ナンバー = Number
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 所轄署から警視庁本部への転属が決まった西澤は、意気軒昂として桜田門に向かう。
        だが、所属は期待していた捜査一課ではなく捜査二課。
        横領や詐欺事件を捜査するその部署は、同僚をライバル視するエグい捜査員の集団だった。
        事件の全体像を示さず捜査情報も出さない二課にあって、誰よりも狡猾で悪事に長けた知能犯を西澤は追いつめて落とすことができるのか?
        犯人、同僚、上司、協力者…。
        事件に関る人間の裏表を、かつてない緊迫感で描く新しい警察小説。

        一躍、メジャー作家の仲間入りをさせた代表作『震える舌』よりも、『血の轍』という公安警察を題材に採った長編で、お気に入りになった作家さん、相場英雄さん。
        警察内部=男性社会に生きる男たちの機微を、硬質なタッチで、やや非情な第三者目線で描きます。
        登場人物に甘えを許さず、その人生に甘美な希望を抱かせない。
        厳然として存在する人間というものの表裏を、ただあるがまま遍く読ませてくれる、貴重な作家さんのひとりです。

        本作は警視庁捜査二課、主に横領や詐欺事案を担当する部署を舞台に、所轄から不慣れな部署に配属された西澤という刑事の、成長を追いかけた連作短編集です。
        短編4本。
        『小説推理』誌に2011年4月号から2012年2月号にかけて、不定期に連載されていたものを纏めたもの。
        最後の1編のみ、単行本化にあたり書下ろされたということです。

        本作を紹介するうえで適当と思われるのは、巻頭短編『保秘』。

        高校時代、甲子園を狙おうかとも言われていた強豪校で野球をしていた経験を持つ、刑事・西澤は、配属になって数か月経っても馴染めぬ捜査二課の仕事に疲れ果てていました。
        おかげで、毎年、どれだけ忙しくても顔だけは出していた、高校野球部同窓会に、今年はついに欠席することに。
        ある日、そんな西澤を心配した、かつての野球部マネージャーで高校時代の西澤の恋人だった美恵子は、彼を神宮球場に野球観戦に連れ出します。
        すでに人妻となり、いまや大手都市銀行の融資部のエースとして働く美恵子と、いまだに独り身で休暇もろくにとれない刑事の西澤とでは、もはや住む世界がまるで違っていましたが、ふたりになればあの頃のまま。
        仕事に疲れ果てた西澤を慰めつつ、美恵子は妹の素行について相談を持ち掛けます。
        どうやら妹は、筋のよくない男に囲われているらしい、しかもその原資になっている金は職場からの横領による汚い金らしいのだ、と。
        話を聞いているうちにムクムクと刑事としての触覚に反応を覚え始める西澤。
        もしかすると、1件の横領事案をモノにできるかもしれない…。
        心底、美恵子を心配する反面、そんな損得勘定が頭をかすめます。
        詳しい話を聞き出すため、美恵子と接触を繰り返す西澤でしたが、問わず語りに、自分が追っている横領事案についての情報を漏らていたことに気づきます。
        美恵子が西澤に接触してきた本当の狙いを知ったとき、西澤の中で何かが音を立てて崩れ始めるのでした。

        タイトルの"ナンバー"とは、捜査二課に所属する経済事案を扱う刑事たちを呼ぶ符丁のようなものです。
        4編を通じて刑事・西澤は、非道な殺人犯や暴力団を追い詰めるのではなく、きわめて狡猾な経済犯を検挙する仕事に邁進します。
        靴をすり減らして聞き込みにまわるのではなく、電卓を片手に帳簿に隠された金の流れに目を凝らす。
        切羽詰まった事情があるわけでなく、ただ己が欲望のため、勤務先の金に手をつける市民たち。
        彼らには驚くほど罪の意識が乏しく、驚くほど自己中心的。
        西澤はそんな身勝手で、ずる賢い犯罪者たちを前に、どんどん絶望していきます。
        また、そんな経済事件を追う捜査二課自体も一枚岩とは言えず。
        同僚、上司、すべてがライバル、凌ぎを削りあう関係性の中で、徐々に疲弊してゆく西澤の姿は、相当な現実感を伴って読み手の前に著されます。

        夢も希望もない、欲の塊のような人間の姿を、改めて読まされることで、自分の立っている地面の確かさをしっかりと確認させてくれるような、そんな小説です。
        いたって退屈な作品と捉える方もいらっしゃると思いますが、物語特有の起伏が無い、まったく救いも無い、突出した現実感を感じさせる本作は、もっと高く評価されてよい作品であり、作家さんだと思いました。
        >> 続きを読む

        2015/05/13 by 課長代理

      • コメント 10件
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