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葉室麟

著者情報
著者名:葉室麟
はむろりん
ハムロリン

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このランキングは1日1回更新されます。
      蜩ノ記
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
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      • 不義密通の疑いによって10年後の切腹、その間に家譜編纂をする役目を命じられた豊後羽根藩の元郡奉行の戸田秋谷の生きざまを描いたお話でした。

        自分にとって、人としての生き方や姿勢の軌道修正になるようなとてもよい本に出会えたと思いました。戸田秋谷の人としての懐の深さ、損得や私欲に左右されない清廉な生き方が素晴らしく、心が洗われる気持ちになります。

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        2020/02/15 by うらら

    • 他6人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      銀漢の賦
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! kumpe Tukiwami
      • 心に染入る良い物語だった。
        藤沢周平原作の時代劇映画をを見ている様な清々しさを感じた。
        (藤沢周平さんの時代小説を読んでいないもので・・・)
        三人の男たちの友情にまつわる物語。
        名家老と呼ばれるまでの地位に上り詰めた小弥太こと松浦将監。
        郡方の日下部源五、そして数十年前に処刑された農民の十蔵。
        50才を過ぎ人生の終盤に差し掛かった彼らが、藩内で密かに進行している大きな事件に命を懸けて立ち向かう。
        人物の描写が秀逸で登場人物たちのそれぞれぞれ想いが切ないくらいに伝わってくる。
        幼少時代から語られるエピソードは詩情豊かで、人間というものの根本のところは幼少期に体験したことにより形作られると感じさせる。
        ただ美しいだけでなく、時代小説と呼ばれるにふさわしく手に汗握る激しいチャンバラのシーンもある。
        葉室さんは藤沢周平の正統な後継者と呼べるだろう。
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        2017/12/27 by くにやん

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      蜩ノ記
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko emi
      • はじめましての著者である。また時代小説は久しぶりである。江戸屋敷で側室と密通し、そのことに気づいた小姓を切り捨てたとして戸田秋谷は、本来なら家禄没収のうえ切腹のところ、取り組んでいた御家の家譜作りが途中だったので、10年後に切腹するとしてそれまで家譜編纂のため家族とともに幽閉されていた。そこへ城内で刃傷沙汰を起こし、切腹を免れた庄三郎が秋谷の監視役としてやってくる。家族と起居を共にするうちに、庄三郎は秋谷の切腹を回避できないかを考え始める。
        読んでいて季節の移ろいや景色の描写がうまく、まるで一枚の絵を見るようだった。また人々の性質が味わい深かった。
        >> 続きを読む

        2017/10/30 by konil

    • 他2人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      いのちなりけり
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 九州佐賀藩の鍋島家と龍造寺家の因縁、島原の乱の際に生き残った黒滝五郎兵衛 の因縁によって、雨宮蔵人と咲弥の夫婦が、数奇な運命へと導びかれていくお話でした。

        雨宮蔵人が天源寺家の入婿した夜、咲弥から自分の心を表す和歌があるかと聞かれ、見つかるまでは寝所を共にしないと宣言されますが、真面目に咲弥に伝える和歌を考えているうち、陰謀に巻き込まれ、16年離れ離れになります。

        蔵人が飛脚に変装して、京都の円光寺から東海道を江戸に向かう場面から涙が…。
        黒滝五郎兵衛 :江戸の死地へ向かって走るとは雨宮蔵人は愚か者だ。いや、江戸まで無事にたどりつけるかも怪しかろう。
        深町右京 :たとえそうであっても蔵人は走りましょう。蔵人殿は恋をしてござるゆえ 

        蔵人が咲弥に伝えた和歌が 
        「春ごとに花のさかりはありなめど、あひ見むことはいのちなりけり」
        (春がおとずれるごとに花の盛りはありますが、その花に会えるのは自分の命しだいです) この意味が、本当に蔵人の心を表していて、心に響きました。
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        2020/03/26 by うらら

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      川あかり
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 「川あかり」・・・ 陽がおちて、あたりに夕闇が迫る頃になっても川の流れだけが白々と見通されることをいう。

        蛍の出る頃や花火を待つころ、子供はあまり外に出ない時間に見た白い川を思い出した。「川あかり」というのか。
        何にでも名前がある。
        ただ単に、呼び名の無機質な響きとはちがう、余韻のある言葉を選んだ作者の思いが伝わってくる。

        とんとんとテンポ良く話が進み、七十郎の人となりが、降り続く雨のように心に沁みてくる。いつ川止めが解けて彼はどうするのか、想像はむつかしくないが、そこがいい。裏切られない誠実さと、話運びのたくみさ、人物描写のあたたかさが、良質の作品になっている。
        >> 続きを読む

        2015/07/23 by 空耳よ

      • コメント 13件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      柚子の花咲く
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 江戸時代に瀬戸内で隣り合う日坂藩と鵜ノ島藩の干拓地の境界線をめぐる紛糾と、百姓も学べるきょうがく青葉堂村塾の教授の死にまつわる謎説き物語。探偵役はその教授の教えを受けて成人した恭平。教えを受けた教授の過去や、同窓の人生など感慨深く語られる物語になっている。
        「桃栗3年、柿8年、柚子は9年で花が咲く」からの題名。
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        2017/12/09 by aka1965

    • 3人が本棚登録しています
      実朝の首
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 今回読了したのは、松本清張賞受賞作の葉室麟の「実朝の首」。

        この作品で描かれているのは、凄絶きわまりない権力崩壊のドラマだ。

        鎌倉幕府三代将軍の源実朝の甥の公暁による実朝殺害、実朝の首の消失をきっかけに、それまで、かろうじて均衡していた諸々の権力のバランスが崩れ、血みどろの潰し合いが始まるのだった。

        権力掌握に策謀をめぐらす北条義時に三浦義村、一族の復讐戦を挑む和田朝盛、朝廷を利用した幕府存続の道をさぐる北条政子、河内源氏に代わって摂津源氏の再興をめざす源頼茂、武家の抬頭を憎悪する後鳥羽上皇。

        「実朝は生きていた時よりね鎌倉に大きな影響を与えているのではないか」と北条政子は思うんですね。
        力を持たぬ者が、力を持つ者たちの激突を引き寄せるという興味深い仕掛け。

        そして、実はこの潰し合いこそ、「将軍の座をめぐっての騒乱を無くしたい」と願う実朝の夢の実現だったのだ-------。

        この「実朝の首」という時代小説で著者の葉室麟が描いたのは、暗く炸裂する権力崩壊のドラマ。
        これはなかなか面白い小説でしたね。

        因みに、私はこの源実朝暗殺の黒幕は、歴史作家の永井路子が彼女の「炎環」の中でも指摘していたように、三浦義村が公暁をそそのかして暗殺を実行させた黒幕だと考えています。

        >> 続きを読む

        2018/05/16 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      風渡る
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • 「戦国時代のイエズス会布教状況。とある日本人修道士仕立て ~大友宗麟と黒田官兵衛を添えて~」って感じかなあ。

        官兵衛がそれなりにブラック仕様な上に、本能寺の変の黒幕という説を採用しているお話なので、大河とは違う黒田官兵衛像が見られるし、そのときのイエズス会の動きや内情も垣間見られるのも興味深い。

        …んだけど。
        なんだか、ものすごく物足りない。

        全てはキリシタンである黒田官兵衛が、キリシタンの理想の国を作るべく企んだものだったのです!
        と、ものすごく大雑把にまとめてしまえる(←個人的に)割に、肝心の官兵衛のキリスト教への傾倒ぶりがさっぱり見えてこないから?
        そもそも、いつ受洗したの? なんで受洗したの?っていう、大切だと思われるところがスルーされていて、「いつのまにそれほどまでに熱心な信者になってたの!?」という、読者的には置いてきぼりなまま話が進んでいったから?
        信教については、有岡城の幽閉のとき? それにしても、理由とかが弱い気がするんだよなあ。
        日本人修道士(ジョアン)のターンである大友宗麟メインのところが多い上に、天下の行方を巡る官兵衛のターンが少なくて、ワクワクする感じがなかったというのもあるのかも?

        …なんだろう? 好みの問題もあるのだろうけども…。うーん?
        >> 続きを読む

        2015/01/30 by koh

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      無双の花
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 島津勢の猛攻に耐え、駆けつけた秀吉に「その剛勇鎮西一」と誉め称えられた立花宗茂は、九州探題大友家の元家臣であったが、秀吉によって筑後柳川十三万石の大名に取り立てられた。
        関ケ原の戦いで西軍に加担した宗茂は浪人となったが、十数年後領地に戻れた唯一人の武将となった。
        その半生を描く。

        初めての作家さんです。
        最近、映画化され話題になっている『蜩ノ記』のような時代小説を専らとされる作家さんとばかり思っていましたが、本作は戦国の世の九州の大名・立花宗茂を主人公にした歴史小説でした。
        個人的な感想ですが、著者のホームグラウンドでないためか、些か手応えの無い作品でした。

        九州・筑後の豪族・高橋紹運の子として生まれた千熊丸(のちの宗茂)は、乞われて、父と同じく大友宗麟配下の豪将・立花道雪の養嗣子として筑前立花城へ入ります。
        花嫁は、男勝りの烈女・誾千代。
        物語は関ヶ原敗戦の途につく宗茂一行が、帰国したところから始まります。
        誾千代の諫めをきかず、豊臣家への己の義を貫いた結果、今や立花家存亡の窮地に立たされている宗茂は、帰国早々、誾千代が別に屋敷を構える宮永村へと歩みを進めます。
        その胸には、亡き実父、継父への思い、また誾千代とともに守り、育ててきた「立花の義」への強い執心が去来するのでした。
        誾千代と再会を果たし、思い新たに「立花の義」を貫こうと再び行動を開始する宗茂。
        その行く手には早くも東軍へ寝返りを打った隣国・鍋島の三万の軍勢が押し寄せてくるのでした…。
        そののち、大坂の陣、慣れぬ奥羽の地にて新たな知行地、さらには島原の乱をも越え、戦国の最後の生き残りのひとりといっていい宗茂は、寛永十九年(一六四二)江戸に没します。
        齢七十六を数えていました。


        昨今、歴史小説(とくに戦国時代を扱ったもの)では時代の主流を為した人々を主人公とするものよりも、いわば時代の脇役たちを群像風に仕上げた作品が多いように感じます。
        本作もその流れをくんだ作品と考えてもいいようです。
        筑後・柳川十三万石の大名・立花宗茂の名など、ゲーム「信長の野望」や、司馬遼太郎さんの小説が無ければ、一地方の偉人としてしか後世に伝わらない名前です。
        そんな媒体を通じて、今世の我々は朝鮮の役や、関ヶ原の戦で抜群の戦働きをした戦鬼・立花宗茂を身近に感じることができます。
        これは喜ばしい限りです。

        さて本作ですが、冒頭に書かせていただいた通り、歴史小説としては手応えがありませんでした。
        大・司馬や、海音寺に比べては著者が可哀そうですが、あまりにも現実感に乏しすぎて、同列で比較はできないといったところでしょうか。
        「立花の義」など、最近のゲームの影響でにわかに“戦国好き”になった方々にしか通じません。
        戦国の世に、律儀・義を重んじるといった風潮が、かほど正しいとか、美しいとかいった倫理観は存在しなかったのですから。
        「立花の義のため!」と勢い込んで戦場に向かう主であれば、心ある配下たちは呆れかえり、雲散霧消してしまったでしょう。
        戦国乱世の道徳観は、どちらかというと今の日本に似ていますね。
        食うか食われるか、騙すか騙されるか。
        義理や惻隠の情といった、日本人の美しき美意識・倫理観は江戸三百年の文化の賜物、儒学を隅々まで浸透させた徳川家康というひとりの傑物の執念の結晶。
        「君、君たらざれば、臣、臣たらず」
        主家への忠義は、御恩と奉公という旧態依然とした、義務と権利を明確に具体化した形で実現していました。
        忠臣蔵で発揚されるような、無形の、精神的な忠義・義理の形は、戦国乱世を描く上では違和感にしかなりません。
        そうした風潮をよしとする文化も当然、現世日本人の遺伝子にも未だ残っているようですから、そういった部分や、そういった方々の情緒を刺激するといった意味でいえば、水準以上の出来といえるのでしょうか。

        葉室さんの文章は美しく、時代考証もしっかりなされています。
        登場人物たちの口から語られる言葉も瑞々しく、かつ美しく、読んでいて、繰り返し読み返してみたくなる箇所もありました。
        歴史小説ではなく、江戸期を表した時代小説で、再度、読んでみようと思いました。
        >> 続きを読む

        2015/02/15 by 課長代理

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      山桜記
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 図書館本。
        初読みの作家様だが、本書を読んだだけで気に入ってしまった。試し読みをした時から、この作家の文章が好きかもと期待していたが、文体だけでなく行間ににじむ情感にたまらなく魅かれる。

        本書には、武将とその妻の想いと絆を描く物語が七編おさめられている。御家のためと男達が画策する中で、妻もまた静かに戦っている。その情念が手紙や槍などの小道具、キリスト教への信仰に集約していく。いかつい武将が妻への想いをふと漏らす場面は、たまらなく魅力的である。

        実は、優しげなペンネームのせいか、この作家のことを女流作家だと勝手に思い込んでいた。女の情念をここまで繊細に描く男性作家の作品に触れるのは初めてなので、しばらくは夢中になるだろうと思う。


        >> 続きを読む

        2017/10/28 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      花や散るらん
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「いのちなりけり」の後の蔵人と咲弥のお話でした。

        離れ離れだった蔵人と咲弥が、香也という子を迎え、京の鞍馬で静かに暮らしていましたが、江戸幕府の第5代将軍徳川綱吉の生母桂昌院の従一位叙任を先送りにさせようとする大奥の女たちの企みを止めさせるため、咲弥は大奥に入ることになります。

        一方、蔵人は咲弥が三ヵ月過ぎても江戸から戻らないので、進藤長之を訪ねますが、そこから赤穂浪士の討ち入りなどに巻き込まれていくことに。

        「いかにせん都の春も押しけれど慣れし東の花や散るらん」この和歌の末尾からこの本の題名が付けられたのでしょう。このお話のテーマは、武士としての生き方なのではないかと思いました。武士には武士の花があり、命を賭けて咲かせる花があるという意味です。お話の最後に蔵人がつぶやいた言葉「いのちの花が散っているのだ」は、感極まりました。
        >> 続きを読む

        2020/04/05 by うらら

    • 2人が本棚登録しています
      川あかり
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • オビに記載された抜粋だけでもググっとこみ上げて
        クる、バリバリに浪花節で熱く、心優しい時代小説。
        藩で一番の臆病者が様々な思惑から刺客となった。
        そんな臆病者の武士である主人公「七十郎」が
        思わぬ事から知り合いとなった怪しげな五人組と
        関わっていく事で、己の武士としての在り方、
        生き方を学んで行く様は、薄らの涙と勇気を
        与えてくれます。

        ラストに「これが藩で一番
        臆病者の戦い方だ」と胸を張って対峙する
        男っぷりは胸がすくような想いで思わず...
        目から汗が...。
        ベタっちゃベタなストーリー故、話の結末は
        分かるものの、そんな事よりもこの「七十郎」や
        その「友」達の一生懸命に生きてるのに、
        哀しい様や、でも哀しい事だけではない、
        キラキラとした美しさが伝わってきます。
        流石。
        >> 続きを読む

        2013/06/21 by za_zo_ya

      • コメント 2件
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【葉室麟】(ハムロリン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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