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道尾秀介

著者情報
著者名:道尾秀介
みちおしゅうすけ
ミチオシュウスケ

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      向日葵の咲かない夏
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! ooitee
      • ミチオが学校を休んだS君のためプリントを届けるが、そのS君は家で首を吊っていた。
        ミチオは戸惑うが、そのS君が生まれ変わって接触してくる。

        ホラー的側面もあるが、後半から終盤にかけて隠された真実が次々と明らかにされていく。

        初見でこの仕掛けを見抜くのは容易ではない。
        真相を知ると確かにおかしい箇所や描写はあるのだが、それがまさかという状況を生んでいる。

        犯人も二転三転するし、ミチオの周辺は実は…という驚きで溢れている。
        せつない真相を含めて、ミチオは大人になっていく。
        >> 続きを読む

        2018/08/23 by オーウェン

    • 他25人がレビュー登録、 96人が本棚登録しています
      カラスの親指 by rule of CROW's thumb
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • ミステリーでクライムサスペンスなホームドラマ。

        楽しく読めました。
        ホームコメディっぽいタッチで伏線をはったサスペンスフルなバックボーンが同時進行していく。
        騙し騙されてしまう軽妙な展開も「なんじゃそりゃ」ってなるかと思いきや、なかなかスッキリした後味だから良い。
        >> 続きを読む

        2018/07/18 by motti

    • 他6人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      シャドウ
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ooitee
      • 道尾秀介の「シャドウ」は、読み出したらページを繰る手ももどかしいほど、一気に読まされてしまう本格ミステリの傑作だ。

        父親同士、母親同士、子供同士が同級生で、家族ぐるみで親しい付き合いをしていた我茂家と水城家。

        だが、子供たちが小学5年生になった5月、我茂の妻が病死してしまう。
        その告別式以降、息子の凰介は、憶えのない奇妙な光景が、映像となって目の前に浮ぶという体験をする。

        それから一週間後、今度は水城の妻が、夫の職場である医科大学の屋上から飛び降りて死んだのだ。

        妻の自殺は、自分へのあてつけだと我茂に打ち明ける水城。
        実は、水城は2年前から幻覚を見るようになり、娘の亜紀が交通事故に遭い、凰介は自分の父親に不信を抱くようになる-------。

        心理学用語で「シャドウ」とは、抑圧している自分の影の部分を投影する相手のことを指すそうだ。
        いったい、誰の何が投影されているのか?

        同じ空間にいて同じ時を過ごしながらも、視点の人物によって、その表情が変わっていく。

        この物語に潜む巧妙な仕掛けは、さらに洗練され、みんなの幸せを願う凰介少年ですら怪しい空気を醸し出すんですね。

        やがて導かれる真実は、驚愕だけではない。
        真相のあとに明かされる人間の深い行動心理も、本格ミステリの核に含まれるのだと痛切に感じられる作品だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/14 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      ソロモンの犬
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! ooitee
      • 雨のため偶然集まったカフェで、秋内は大学の同級生3人と出会う。
        そして殺人者は誰なのかを尋ねる。

        まともな進み方と思ったら、当然道尾さんはそんな普通の作品を作ったりはしない。
        実は冒頭から伏線が仕込まれており、事件の経過から秋内が周りの人間に聞き込みを始めていく。

        密かな恋心だったり、その裏だったり、揺れる社会人になる前の最後の自由なひと時も描かれる青春もの。

        かなり嫌悪されるキャラも出てくるが、そのフォローも最後にはなされる。

        人は恋をする相手だと半音高くなるとか、ホントなのかね間宮先生(笑)
        >> 続きを読む

        2018/05/12 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      龍神の雨
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • これはとてもおもしろかったです!!
        騙された~!
        なにもかも作者の思うままにミスリードされていました(笑)

        母を失い継父と暮らしている蓮・楓の兄妹と、両親を亡くし継母と暮らしている辰也・圭介兄弟の2家族が、妙に絡んで事件に巻き込まれて…というお話でした。
        どちらの家族も、継母・継父と近しくなる前に実母・実父を失ってしまったがために、ぎこちない生活を送っているのが事件の始まりでした。
        最後まで蓮・楓兄妹一にまったくの救いがなく、この兄妹の意思を汲み取って、辰也・圭介兄弟が更生していくだろうという終わり方はなんとも遣りきれません。
        >> 続きを読む

        2015/07/03 by K8cay

      • コメント 1件
    • 他4人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      月と蟹
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 大人が書いてるもんだから仕方ないけど、小学生が主人公のストーリーって、モノローグがしっかりしすぎていて大人びて感じられてしまうのでウソくさい内容に感じてしまうことが多い。
        多少この作品もそういうところがあるのは仕方ないと思うけど、それを差し引いても細かな心情描写がとてもよかった。
        自分が少年だった時に嗅いだ匂いが文章から浮かび上がってくる錯覚を感じた!
        てか、海なし県育ちなんですがw
        車に隠れてるのとかは出来過ぎな感じかなと思うw
        じいちゃんがステキ。
        直木賞候補にあがって5度目で受賞した作品。
        やっぱし、そろそろ受賞させよう的な感じだったのですかねw
        >> 続きを読む

        2018/07/22 by motti

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      ラットマン
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • まあまあ

        2015/07/26 by kurobasu

    • 他3人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      球体の蛇
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!

      • 道尾秀介の「球体の蛇」は、嘘を抱えた人間の希望を描いて、なかなか読ませるいい作品だと思います。

        両親が離婚した後、隣家の橋塚家に居候してから4年。
        奥さんと長女のサヨは7年前、キャンプ場のテントで起きた火事が原因で亡くなって、主人の乙太郎さんと次女のナオとの3人暮らし。

        2歳年上のサヨは、幼い頃から憧れの存在だったが、「私」は、サヨの死への深い関わりを秘密にしてきたのだった。

        そして、高校3年、17歳になった「私」は、乙太郎さんの白蟻駆除業を手伝って、週末は無料点検員として床下に潜っている。

        そんなある日、白蟻駆除を引き受けた屋敷で出会った、死んだサヨによく似た女性・智子に強く惹かれた「私」は、深夜、その家の床下に潜り、彼女の情事を盗み聞きするのだった。

        やがて、思いがけない事件が起き-------。

        ナオと結婚し、乙太郎さんの死を迎えた今、16年前を回想する「私」をいわば"道案内人"として、著者の道尾秀介は、人が大人になっていくために、失い、断念しなければならないものを描き出していくんですね。

        若さとは、言ってみれば、総じて「直線」であると思う。
        誠実と偽善、真実と嘘というように対句的に並べるなら、誠実、真実と信ずることに一直線であり、それはしばしば残酷であることには気づかないものです。

        大人になるということは、何事にも表と裏、虚と実があることを知っていくことであり、時には残酷を思いやりにくるむ術を知ることでもあるだろう。

        道尾秀介は、直線的な誠実が、いかに嘘であり残酷であったかを「私」に回想させることで、喪失したものの大きさを浮かび上がらせていると思います。

        この作品の題名の「球体の蛇」とは、サンテグジュペリの「星の王子さま」に出てくる「ゾウをこなしているウワバミ」のことなんですね。

        「象を呑み込んだ苦しみにじっと耐えている蛇」に、「嘘を抱えた人間」を見る「私」に、その先に「希望」はあるのだと言わせるラストの1行に至るまで間然するところがない力作だと思います。

        >> 続きを読む

        2018/08/22 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      鬼の跫音(あしおと)
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • Sの名に代表される恐怖を描く6篇の短編集。

        設定が違ったり、年代が違ったりするのだが、ラストの落とし処は恐怖だったり無常だっりという風に変えている。

        「ケモノ」
        刑務所で見つかったメッセージと、父親の死体に施された奇妙な装飾。
        これらを結び付ける真実とは。

        「よいぎつね」
        20年ぶりにカメラマンとして故郷へ帰ってきたが、高校時代に犯した過去の罪が重くのしかかる。

        「悪意の顔」
        僕はSにいじめられる毎日だが、ある日出会った絵描きの女性に消したいものは絵に閉じ込めるという噂。
        Sをその女性の家に連れていくがという展開。

        表紙の絵だけでも不気味だが、短編でも道尾さんはしっかりホラー風味を感じさせるのは流石。
        >> 続きを読む

        2018/09/05 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      月と蟹
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 第144回直木賞受賞作の道尾秀介の「月と蟹」を、読了しました。

        この小説の主人公は、父親の故郷である鎌倉に近い海辺の町でおじいちゃんとお母さんと暮らしている小学校五年生の慎一。

        二年前に、父親が勤めている会社の倒産をきっかけに引っ越して来たのだが、そのお父さんは、すでに他界しているんですね。

        転校して来て以来、クラスになじめずにいる慎一のたった一人の友だちが春也。
        学校帰りに二人は、岩場に仕掛けておいた罠にかかったヤドカリを、ライターで炙り出す遊びで時間をつぶしているような子供なんですね。

        彼らにはそれぞれに抱えている秘密があって、慎一は、母親が男と密会しているんじゃないかという疑いで苦しんでいて、春也は、両親から虐待を受けている。

        この二人が、やがて山の中に見つけた秘密の場所で、ヤドカリを神様に見立てた"ヤドカミ様"に願い事をするようになる。

        最初は百円欲しいとか、たわいもない願掛けだったのが-----という物語なんですね。

        とにかく、大変イヤな話なんですね。
        この小説を読んで思ったのは、大人になると忘れてしまうのですが、子供が生きている世界というのは、すごく狭くて逃げ場がないと思うんですね。

        大人だったら、本当に嫌なことがあれば、引っ越すことも出来るし、会社を辞めることも出来る。
        でも、子供は、どんなにダメな親であっても傍にいなければいけないし、どんなに嫌な学校であっても、勝手に転校は出来ないんですね。

        しかも、思春期になれば、大人からすると何ということもない問題でも恥ずかしくて、自分一人で抱えてしまいがちなものです。
        そんなこんなを心の中にため込んでいって、どんどん暗い気持ちを育てていってしまう。

        その過程が、新鮮な比喩を巧みに織り込んだ、非常に繊細な文章によって描かれているのが見事な小説だと思いますね。

        今までの仕掛けとか、トリックみたいなものをどんどん外してシンプルにしていって、何が出来るかというのを、著者の道尾秀介はこの作品でチャレンジしているのではないかと思う。

        著者の前の作品で「球体の蛇」という、同じ路線の作品がありましたが、この作品では、さらにシンプルになっていて、その中心になるイメージは、ヤドカリだと思う。

        ヤドカリが、殻の外に出て来ると、左右非対称の、非常に気持ちの悪い、いびつな形をしている。

        その気持ちの悪さが、この小説全体のシンボルになっていて、タイトルの「月と蟹」という言葉の意味は、一番最後で明かされるのですが、そういう要素が非常にうまく配置されて、最後まで読むと、いろんなところで腑に落ちるという、とにかく、よくできた小説だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/07/24 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      カラスの親指
      カテゴリー:小説、物語
      6.0
      いいね!
      • 素晴らしい!! メチャクチャ面白い!!
        全てが美しく、キチンと落ち着き、なんて
        楽しい気分で終わるストーリーなんだろう。凄い!

        タイトルにもなっている「指」のエピソードには
        泣かさせるし、会話のいたるところではニヤニヤ
        させらるし...。最高の一冊。

        コンゲームものになくてはならい最後の
        ドンでん返しがここまで切れ味よく、爽快なものって
        滅多にないよね。
        >> 続きを読む

        2013/04/06 by za_zo_ya

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      光媒の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 前作「球体の蛇」が良かったので期待して読む。
        期待通り良かった。しかし短編なので案外あっさり。
        ちょこっとリンクさせる作りが「おっ」と思わせるがそれ自体にはあまり意味はないので...。
        >> 続きを読む

        2018/07/13 by motti

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      光媒の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ―――道尾秀介は、ミステリーという土壌に咲いた大輪の花である。巧みな仕掛けに驚愕の結末、文章だって美しい。2年という歳月をかけて紡ぎ出された短編集「光媒の花」(集英社)を手に取れば、気づくだろう。その地に安住せず、より広い場所へと歩みを進める作家の姿に――

        「光媒の花」は6章に別れ、今まで感じていた作品とは傾向が違う、淡い哀しみの色彩を帯びた短編集になっている。それぞれは微妙につながっている。

        静かな文芸作品のような香りのする文章で期待を裏切ってくれた。
        彼の本領はここにもあると思った。
        もっと読んでみよう。
        短編は読みやすく、早く終わってしまったがこれから長編にとても期待できる。
        >> 続きを読む

        2015/06/27 by 空耳よ

      • コメント 8件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      鏡の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • パラレルワールド!!

        短編の登場人物がリンクしていて最後に繋がる群像劇なやつ。
        流行りの手法でそういうのが例えば伊坂幸太郎さんなんのなんかがヒットし、劇団ひとりさんもマネして「陰日向に咲く」書いたらヒットして完全に書式は方程式。

        本作はそれぞれの人物の生死がバラバラで関係性が若干づつ違うところがおもしろかった。
        やっぱ道尾さんの本は面白いです。


        (amazon解説)
        製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。まだ誰も見たことのない群像劇。
        >> 続きを読む

        2018/08/17 by motti

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      龍神の雨
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 添木田蓮と楓の兄妹。
        そして溝田圭介と辰也の兄弟。
        何も関係なこの二組が絡むある事件にまつわるミステリ。

        トリックとしてそこまで驚くという類いではないが、当人が思い描く予想とは悉く違うというスタンスはよく出来ている。
        惜しむらくは登場人物が少ないので、事件の先読みは見抜けるかも。

        二組とも過去の出来事に囚われており、それが事件を通じて少しずつ光が射していく。
        結局のところ思い込みや誤解が招いた悲劇なのである。
        >> 続きを読む

        2018/03/27 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      月の恋人
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 月9の為に書き下ろされた本というのを後書きで知った口。
        普通の道尾作品だと思っていたらミステリー的な所があんま無くて肩透かし。
        道尾作品への期待値が高い分だけちょっと物足りなかった。

        一方でこまごまとした雑学をストーリーや人物の状況に絡めてグッとくる感じにはさんでくるのは他の作品と同じように健在ぶりを示してると思う。

        >> 続きを読む

        2015/12/11 by W_W

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      笑うハーレキン
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 2013年に単行本版で読んだ作品の再読。主人公の東口は、10年も前に潰れた工場のスクラップ置き場で四人の仲間と暮らす、元家具職人のホームレス。幼い一人息子を事故で亡くし、妻とも離縁し、経営していた家具会社が倒産した末に行き着いた居場所で、携帯電話とトラック、長年使ってきた工具などの僅かな持ち物で方々を家具修理に回り、なんとか生計を立てています。ある日、彼のトラックの助手席に見知らぬ若い女性が忍び込んできます。家具職人の弟子にしてほしいと訴える女性・奈々恵に不審を抱く東口ですが、彼女もいつしかスクラップ置き場の仲間に。そんな中、近くを流れる川に死体らしきものが浮かび上がり…。

        全てを失ってホームレスになった東口のトラックの助手席には、彼が「疫病神」と名付けた亡霊が座っており、東口の過去に潜む深い後悔と自責の念を常に呼び覚ましています。死んだ息子のビデオを何回も見返しながら、失意の底で生きる東口ですが、奈々恵との出会いや、ホームレス仲間に起きた事件をきっかけに、心の奥底にしまい込んでいた、彼が向き合うべき真実と、それを必死に覆い隠そうと仮面を被っていた己の姿を直視しようとします。誰もが皆 ---ホームレス仲間でさえ---「本当の自分たちの姿を正視したくないという思いから」ハーレキン(道化師)のような仮面を被り、「こうでありたいという自分を」演じている、という表現が印象的でした。

        多かれ少なかれ、私たちはいろんな顔を持っています。会社、近所、家族、友達、恋人などに向けたそれは、本来決して「仮」の「面」などではなく、どれもが本当の自分の一面なはずなのですが、例えば外面良く見せようなどと邪念が入り、己を繕って演じ始めた途端に、それは本当の自分を隠す「仮面」になってしまうのかもしれません。そして本当に怖いのは、初めは相手に対して本当の自分を隠すためのであった仮面が、いつしか仮面をつけた本人の本心までも覆い隠してしまう仮面となり、自分で自分の本心が見えなくなってしまうことではないでしょうか。

        仮面をつけた登場人物たちが、それを剥ぎ取るきっかけとなるのは、東口に届いた奇妙な家具の修理依頼です。この一件からラストまでの展開がやや唐突で、妙にエンターテイメント性が高く戸惑いますが、多くの謎に誘導されて、一気に読み終えてしまいます。ちょっと強引なこじつけもあるものの、最終的には色々な伏せんが全て回収され、衝撃的な事実が明らかになった上での読後感は、決して後味の悪いものではありませんでした。
        >> 続きを読む

        2016/02/28 by nomarie

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      ソロモンの犬
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ミステリーというと、息もつかせない緊迫した展開をイメージするが、この作品はちょっと雰囲気が違う。確かに、ショッキングな出来事は次々と起こるのだが、とぼけたキャラがいるせいか、陰鬱な感じはしない。後半の謎の核心に迫る部分からは、驚きの展開が次々と押し寄せてくる。
        ミステリーはあまり読まないのですが、魅力的なキャラやストーリーの面白さで十分楽しめました。
        >> 続きを読む

        2018/08/16 by かんぞ~

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      光
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 蛍の幼虫って光るんですね。

        川に取りに行った時の、「あっためればいいんでしょ」



        見舞いに行った時のくしゃみ

        だけであの登場人物のスネ夫ぶりが全部ゆるせる気がした。
        >> 続きを読む

        2016/02/02 by W_W

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      鬼の跫音 (あしおと)
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 2006年から2008年にかけて角川書店の小説誌「野生時代」に掲載されていたホラー短編を纏めたものです。

        タイトルは作中編『冬の鬼』内の一節から採ったもので、全6編を通じて人間の内なる“鬼”が次第に膨張し、現実に具現化した時の恐怖を表した絶妙なものと思いました。

        短編六本。
        なかでも怖ろしく読み終えたのは『けもの』という作品です。
        主人公の若者(♂)は、家族の落ちこぼれです。
        医師や教師、警察官といった祖父母、両親と、優秀な妹に馬鹿にされながら、卑屈な毎日を過ごしています。
        志望した大学への入学も失敗し失意の浪人生活の只中、ふとしたはずみで壊してしまった室内の椅子。
        バラバラになった椅子の足の付け根の部分、分解でもしない限り絶対に人目につかぬ場所に、彫刻刀で彫られたとみられる奇妙な書き込みを発見します。
        …そういえばこの椅子は、刑務所作業製品ということだったな…
        彫られた文章の異常さに、思わずインターネットで調べ始める彼。
        すると、その椅子は、福島県内で数十年前に起きた猟奇大量殺人の犯人が獄中で作りあげたものであることが判明するのでした。
        憑かれるように福島へ向かう彼。
        ひとつ屋根の下に暮らす優秀な家族たちは、彼の動向にもはや何の関心も示すことはなかったのです。
        事件の地に降り立ち、殺人事件のあらましを調べだすと、そのおぞましさに身震いを禁じ得ない主人公でしたが、徐々に自分と犯人との間に共通する境遇を感じはじめ…。

        解説で京極夏彦さんが評しておられるおられる通り、道尾さんはテクニシャンという評が相応しい作家さんです。
        敢えて「S」とアルファベット一字で登場する、禍々しさを象徴する、物語のキーとなる登場人物。
        物語の随所に登場する鴉、鴉、鴉…。
        多作ゆえかどれが代表作かと問われれば、返答に窮する作家さんではありますが、逆を言えば駄作を生み出していないことの裏返し。
        今年は、彼の作品をたくさん読んで、道尾ベストを探してみたいと思います。
        >> 続きを読む

        2016/02/08 by 課長代理

      • コメント 2件
    • 5人が本棚登録しています

【道尾秀介】(ミチオシュウスケ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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