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道尾秀介

著者情報
著者名:道尾秀介
みちおしゅうすけ
ミチオシュウスケ

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      向日葵の咲かない夏
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! ooitee Tukiwami
      • まったく事前情報なしで読み始めたこの作品、こんな小説があっていいのかと衝撃を受けた。途中嫌悪感さえ感じながらも最後どう収めるのかが気になり読了。終わって今でももやもやしている。
        ラストの展開は破壊的ではあるが、これはこれである意味完成度が高いのなとも思う。(作品の評価が思いのほか高いことを鑑みると)
        でも、氏の他の作品を読もうという気にはまだなっていない。



        >> 続きを読む

        2019/05/11 by Sprinter

    • 他28人がレビュー登録、 104人が本棚登録しています
      カラスの親指 by rule of CROW's thumb
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ooitee
      • 【騙されることの快感】

         本作の主人公は、サラ金や債務整理屋に食い物にされた挙げ句、妻子を亡くし、あろうことか自分もそのサラ金一味の片棒を担がざるを得なくなり、『ぬき屋』と呼ばれる債務者の最後の最後の金をむしり取る役(はらわたまで抜くことから『ぬき屋』と呼ばれるのだそうです)をやっていた武沢という中年男です。

         武沢は、ぬき屋をやったために、その債務者の女性を2人の子供を残して自殺させるところまで追い込んだという過去がありました。
         武沢はそれですっかり嫌気がさし、組織の拠点などを記載した書類を事務所から盗み出して警察に出頭し、それによって組織を壊滅に追い込んだのです。

         ただ、そんなことをやった以上、もう普通に暮らしていくことはできなくなり、以後は偽名を使って逃げ回り、金も詐欺をして稼いでいたのです。
         自分はもう悪になったのだと自分自身に言い聞かせながら。

         そんな武沢の相棒は入川という中年男でした。
         入川もやはりサラ金に手を出して借金を抱えた男で、錠前屋を営む傍ら、わざと他人の家の玄関の鍵に接着剤を流し込むなどして壊し、その修理に駆けつけては金を取ることを繰り返しているような男でした。
         入川には愛する妻がいたのですが、彼女は浮気に走り、相手の男からシャブ漬けにされ、男と別れて入川のところに戻ってきたもののシャブを断てず、シャブを買うためにサラ金に手を出し、身体を壊して亡くなったのでした。
         入川は武沢のアパートの鍵を壊していつものように金を取ろうとしたところ、武沢に見破られてしまい、以後、武沢の相棒となり、二人でちんまい詐欺を働いていたのです。

         そんな人生をドロップアウトしてしまったような2人は、ひょんなことからまひろというスリ常習犯の若い女の子と知り合います。
         まひろは金が無くてアパートから追い出されそうだというので、武沢は渋る入川を押し切って自分たちのアパートに住まわせてやることにしました。
         そうしたところ、まひろの姉のやひろとその彼氏だという太った貫太郎までアパートに転がり込んでくる始末。
         こうして5人は奇妙な共同生活を始めたのでした。

         武沢が入川の反対を押し切ってまひろ達をアパートに住まわせてやったのには理由がありました。
         それは、このまひろとやひろという姉妹は、武沢がぬき屋をやって自殺に追い込んだ女性の子供達だと気付いたからでした。
         武沢はこれまでずっと責任を感じていたのです。

        さて、この作品を読んでいて、作者は至る所で読者を騙しにかかっていることにすぐに気が付きました。
         筆先三寸でミスリードし、その少し後で読者の勝手読みだったことに気付かせるわけですね。
         「この作者、こういうことをやるんだ」と思いながら読み進めていったのですが、前半は気が滅入って仕方がありませんでした。
         というのは、武沢や入川、まひろ姉妹の話がウェット過ぎて辛気くさく、あまり好きなタイプの話ではなかったからでした。
         貧困、借金苦、自殺、病死、ヤクザの報復……ずっとこんな悲惨な話が続きますが、私はこういう話はあまり好きじゃないんですよね。
         まあ、いくらネットでお勧めしている作品でも、全部が全部自分の好みに合うわけじゃありませんから、こういう場合もあるよねと思いながら読み進めました。

         そうしたところ、後半に入って俄然雰囲気が変わってきました。
         武沢は、自分が壊滅させた組織から逃げ回っていたのですが、連中は決してあきらめようとせず、転居しても名前を変えても必ず見つけ出されてしまい、今また5人で暮らし始めたアパートにも奴らの手が伸びてきたのです。
         またどこかに逃げなければならないのか……と絶望的な気持ちになりかけたところ、この際復讐してやろうという話になっていきます。
         自分たちだって詐欺師だ、いつまでもやられっぱなしじゃ終わらない。
         あいつらの鼻をあかせてやるんだというわけですね。

         「おぉ、これはあれだ。ジェフリー・アーチャーなどの作品みたいに、詐欺によって痛快に仕返しを果たす物語なのだな。」と思い、ようやく自分の好きなタイプの展開になってきたと気を取り直して読み続けました。
         彼らが仕掛けた詐欺は……ちょっと幼稚じゃないのという気はしましたが、まぁ、その点は置いておいて……と思っていたら……。

         え゛~!
         こういう結末にしちゃったの?
         と、この作品に対する評価が一気に急落してしまいました。
         せっかく後半盛り上がってきたと思ったのに……。

         残り少ないページはおそらく人情話的に泣かせにでもかかるのかななどと思い、消化試合的に読み進めていったところ……。
         何? そうくるの?!

         そうなんです。
         この作品は最後の最後まで気を抜いてはいけません。
         途中、どんなにツマラナイと思ったとしても、決して途中で投げ出してはいけません。
         だって、一番のお楽しみはラストのラストに仕込まれているのですから。
         あー。なるほど。
         私は最後まで作者に騙されていたというわけですね。
         いや、こういう騙され方なら大歓迎です。
         というわけで思わぬカタルシスを味わうことができました。
         なるほど、お勧めするだけのことはある良い作品でした。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/04/12 by ef177

    • 他9人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      シャドウ
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ooitee
      • 道尾秀介の「シャドウ」は、読み出したらページを繰る手ももどかしいほど、一気に読まされてしまう本格ミステリの傑作だ。

        父親同士、母親同士、子供同士が同級生で、家族ぐるみで親しい付き合いをしていた我茂家と水城家。

        だが、子供たちが小学5年生になった5月、我茂の妻が病死してしまう。
        その告別式以降、息子の凰介は、憶えのない奇妙な光景が、映像となって目の前に浮ぶという体験をする。

        それから一週間後、今度は水城の妻が、夫の職場である医科大学の屋上から飛び降りて死んだのだ。

        妻の自殺は、自分へのあてつけだと我茂に打ち明ける水城。
        実は、水城は2年前から幻覚を見るようになり、娘の亜紀が交通事故に遭い、凰介は自分の父親に不信を抱くようになる-------。

        心理学用語で「シャドウ」とは、抑圧している自分の影の部分を投影する相手のことを指すそうだ。
        いったい、誰の何が投影されているのか?

        同じ空間にいて同じ時を過ごしながらも、視点の人物によって、その表情が変わっていく。

        この物語に潜む巧妙な仕掛けは、さらに洗練され、みんなの幸せを願う凰介少年ですら怪しい空気を醸し出すんですね。

        やがて導かれる真実は、驚愕だけではない。
        真相のあとに明かされる人間の深い行動心理も、本格ミステリの核に含まれるのだと痛切に感じられる作品だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/09/14 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      龍神の雨
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 再婚したばかりの母が突然の7か月前に事故で死に
        継父・添木田睦男と暮らす兄の蓮19歳と妹の楓(中3)

        突然の事故で母親が亡くなり
        蓮や楓に暴力を振るうようになり
        会社を辞めて部屋に引き籠るようになった継父・睦男
        暴力を振るわなくなったと思ったら
        楓に性的な目で見るようになる
        睦男に殺意を抱いた連は事故を装った小細工をするが
        その前に楓が……



        心臓の弱かった母が海の事故で死に
        その顔見知りのお姉さんだった圭介と父が結婚。
        しかし父が病気で亡くなり継母の里江と暮らす
        溝田辰也(中2)と圭介(小5)の兄弟
        母親が亡くなったのは自分が余計な事を言ったからと
        心を痛めてる圭介
        里江を母と認めたくなくて里江を困らせてばかりいる辰也
        嫌がらせのため、蓮の働いている酒屋で
        嫌がる圭介にジュースの万引きを強要
        自分も万引きをし……


        再婚相手に複雑な思いを抱いてる2組の兄妹、兄弟。
        全く関りがない2組の心理描写が交互に語られ話が進む




        睦男の死体を運び出す蓮と楓
        辰也と圭介は運び出すのを目撃
        そして脅迫状
        楓の誤解
        純粋に心配してた辰也
        これから家族としてやり直そうとしてた睦男
        睦夫の死の影に蓮のバイト先の酒屋のオーナー・半沢
        人のいい半沢には裏の顔があり
        裏の顔を知った時!!!!!Σ(ll||д゚ノ)ノ


        思い込みが自分の中で真実になり
        ‶大きな間違いに〟
        そしてタイミングの悪さが
        やがて取返しのつかない事態に…
        そしてそこに付け込む男が!!


        辰也が里江に対して思ってた本当の気持ち
        この兄弟は大丈夫だと思うけど
        真実を知った蓮と楓が悲しい


        解説を読んでなるほど!!と、思ったけど
        連と楓は今後どうなるのか?
        どちらにしても重たいモノを背負ってしまったなぁ


        雨さえ降らなければ
        もう少し話合うことができたなら
        何かが変わってんだんだろうね…
        想像は人を喰らう…かぁ
        龍神が去った後はどうなるんだろう?
        重たい話だけど、面白かった(゚д゚)(。_。)ウン





        半沢の異常さも凄かったけど
        あれが本性なんだべね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル



        前半思わせ振りな話で進んでいき
        後半真相が読めてしまうんだけど
        分かってからの怒涛の展開!!
        これ、意外と面白かったわ(≧∇≦)b OK
        降りつづける雨の表現と龍
        そしてどんよりとした閉塞感
        こ2組の兄妹、兄弟の心情が閉塞感とともに描かれている
        >> 続きを読む

        2020/03/24 by あんコ

    • 他5人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      ソロモンの犬
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! ooitee
      • 雨のため偶然集まったカフェで、秋内は大学の同級生3人と出会う。
        そして殺人者は誰なのかを尋ねる。

        まともな進み方と思ったら、当然道尾さんはそんな普通の作品を作ったりはしない。
        実は冒頭から伏線が仕込まれており、事件の経過から秋内が周りの人間に聞き込みを始めていく。

        密かな恋心だったり、その裏だったり、揺れる社会人になる前の最後の自由なひと時も描かれる青春もの。

        かなり嫌悪されるキャラも出てくるが、そのフォローも最後にはなされる。

        人は恋をする相手だと半音高くなるとか、ホントなのかね間宮先生(笑)
        >> 続きを読む

        2018/05/12 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 24人が本棚登録しています
      月と蟹
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • あまりこの手の作品は道尾さんらしくない作風だが、痛みを伴って成長する少年の物語には少なからず共感できた。

        小学生の慎一と春也はいじめられている者同士として気が合い友達に。
        学校終わりに海の近くでヤドカリを使って遊び始め、次第にヤドカミ様として願いをかけるようになるとそれが実現してしまう。

        ある種ファンタジーの様な構成だが、日常の少年少女の揺れる心。
        特に慎一と春也の願いが言葉に出さないという点でドラマを生んでいる。

        ラストはせつないが、大人になる通過点でもあると。
        >> 続きを読む

        2019/09/01 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      ラットマン
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • バンドメンバーのギタリスト姫川はスタジオで練習の際に恋人の死を発見する。
        そこは閉じられた空間であり、バンドメンバーは姫川の行動に疑問を持つ。

        このスタジオの殺人と並行して、姫川の過去の姉の死が関わってくる。

        タイトルに題されるように、人によっては思い込みの意識がそのまま真実となる。
        それが間違っていたと気づくまでは。

        ミスリードの部分は最初から怪しいと思ってみるが、幾重の真相を後になって明かすというのは道尾さんにしては珍しいタイプのミステリ。
        >> 続きを読む

        2019/05/26 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      球体の蛇
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 人にはそれぞれ思い込みがある。それがすれ違うことによって生み出されるドラマ。

        友彦と父親の乙太郎。そしてナオの3人で暮らす家だが、彼らにはある過去が影を落としている。
        それと同時に友彦の仕事であるシロアリ駆除が思わぬ運命をもたらす。

        道尾さんの得意なミステリではなく、過去との清算や、出会いの妙の一瞬がよく捉えられている。

        思い込みは良い方にしか考えないものだが、最悪の出来事も想定せざるを得ないというのは人間ならでは。
        >> 続きを読む

        2018/11/10 by オーウェン

    • 他3人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      鬼の跫音(あしおと)
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • Sの名に代表される恐怖を描く6篇の短編集。

        設定が違ったり、年代が違ったりするのだが、ラストの落とし処は恐怖だったり無常だっりという風に変えている。

        「ケモノ」
        刑務所で見つかったメッセージと、父親の死体に施された奇妙な装飾。
        これらを結び付ける真実とは。

        「よいぎつね」
        20年ぶりにカメラマンとして故郷へ帰ってきたが、高校時代に犯した過去の罪が重くのしかかる。

        「悪意の顔」
        僕はSにいじめられる毎日だが、ある日出会った絵描きの女性に消したいものは絵に閉じ込めるという噂。
        Sをその女性の家に連れていくがという展開。

        表紙の絵だけでも不気味だが、短編でも道尾さんはしっかりホラー風味を感じさせるのは流石。
        >> 続きを読む

        2018/09/05 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      カササギたちの四季
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami
      • リサイクルショップのカササギで働く2人の日常。
        推理をすることに目ざとい華沙々木と、それを肯定するため動く日暮。

        疑問に思う事柄に対し、華沙々木が推理を披露しようとすると、日暮がちょっと待てと時間を取らせて真実を構築するため準備を。
        華沙々木の推理が正しいとさせるのは、すべては菜美のため。

        真実=正しいとは限らない。
        そういうことを見せるドラマであり、あくまでも華沙々木と日暮にとっての真実である。

        冒頭に出てくる強欲なヤクザ和尚が意外と味を出しており、ラストの章には違う顔も見せてくるのが楽しい。
        >> 続きを読む

        2020/03/25 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      光
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 道尾さんの「スタンド・バイ・ミー」という印象。
        ただしこれまでの題材には必ず悲劇がついて回る中身だったが、この作品はノスタルジーを意識してたよう。

        ちょっとした謎が重大なことになるかと思いきや、実は些細なことというミステリ。
        これを子供の視点で捉えているから、そういう方向に考えるのかと納得させる。

        これはこれでありだとは思うけど、道尾さんの作品としてはさほど印象には残らなかった。
        やっぱり成長と不可欠な要素が欠けているのが物足りなさを感じてしまった。
        >> 続きを読む

        2019/10/03 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      鬼の跫音 (あしおと)
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 短編集です。
        全部で6本。ネタバレありのあらすじです。

        「鈴虫」
         刑事の取り調べからはじまる。主人公には過去に男を崖から突き押し埋めたという容疑がかかっているが、主人公は自分は死体を埋めただけだという。なぜなら今の妻は当時主人公が埋めた男と付き合っており、行方不明となってくれた方が妻が男を忘れてくれると思ったから。
         しかし、犯行現場で聞いた鈴虫の羽音が忘れられない。
         主人公は死体と一緒に自分の身分証も埋めていた。実は男を殺したのは妻で主人公は妻をかばっていたのだ。
         交尾を終えた鈴虫のメスはオスを食らうように主人公は妻に未来をささげた。
         
        「ケモノ」
         エリート家族の中で落ちこぼれの高校生が主人公。受験勉強にも力が入らない。ある日、祖母の部屋の椅子の足の断面からある人物が残したメッセージを読み取る。
         そのメッセージを頼りに真実を探る旅に出る。
         その真実は不具の父の再婚相手の女と関係を持たざるを得なかった若者の物語。結局その若者は家族を皆殺しにして刑務所作業製品に自分の思いを刻み込んだのだった。
         主人公は自分と同じ若者の過ちを知り、家族と話し合うことの重要性を感じるがもう遅い…

        「よいぎつね」
         主人公はどうしても故郷に戻りたくなかった。なぜなら青年時代、悪友とつるんでいた主人公は祭りの最中ある女性を犯す計画を立てる。主人公は葛藤しながらもその計画を実行するが、衝動的に殺してしまう。
         しかし、過去にフラッシュバックした主人公は女が実は生きていたことを知る。しかし、何者かに後ろから殴られ埋められる。果たして主人公を埋めているのは自分自身なのか?犯した女なのか?それとも自分とその女の間に生まれた子供が父親と同じ罪を犯しているのか?

        「箱詰めの文字」
         作家である主人公の家に青年がやってくる。以前この家に空き巣に入った。謝罪をしに来たと。そして、その時盗った貯金箱を返しに来たのだ。だがその貯金箱の中の手紙を見て主人公は青年を追い返す。
         二年前、主人公の友人が小説を見せに来た。当時なかなか売れなかった主人公はその小説を自分の名前で賞に出し、それがきっかけで売れたのだった。友人は必死に抗議したが主人公は無視。
         そして、青年は友人の弟だと名乗る。主人公は青年を口封じのために殺す。しかし、翌日新聞で青年が友人と兄弟でないことを知る。一体あの青年は何がしたかったのか?

        「冬の鬼」
         願いがかなったため左義長に達磨を投げ込む女の日記。日にちを遡ると女の本当の外見。一体どんな願いがかなったのかがわかってくる。
         実は女の顔は火事で達磨のように焼けただれていて、旦那の目に映る自分の顔が嫌だからだと旦那を失明させていた。

        「悪意の顔」
         Sに虐められていた主人公はキャンバスに家族やカラスや感情を閉じ込めたという女に出会う。女は主人公を虐めるSをキャンパスに閉じ込めてあげるというが、女はSを閉じ込めることはできなかった。
         主人公は女の家族は事故で亡くなり、女は気が狂っていることを知らされる。そして女は失踪する。
         しかし、Sの感情は閉じ込めることができたみたいで、主人公とSは友達になる。だが、Sと別れるとき鏡に映ったSの表情が一瞬、昔のような悪意に満ちた顔に戻っていた。
         女の家が解体されるとき、女の叫び声のようなものが聞こえて来た。


        >> 続きを読む

        2018/10/22 by beppinudon

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      カラスの親指
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 素晴らしい!! メチャクチャ面白い!!
        全てが美しく、キチンと落ち着き、なんて
        楽しい気分で終わるストーリーなんだろう。凄い!

        タイトルにもなっている「指」のエピソードには
        泣かさせるし、会話のいたるところではニヤニヤ
        させらるし...。最高の一冊。

        コンゲームものになくてはならい最後の
        ドンでん返しがここまで切れ味よく、爽快なものって
        滅多にないよね。
        >> 続きを読む

        2013/04/06 by za_zo_ya

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      光媒の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 前作「球体の蛇」が良かったので期待して読む。
        期待通り良かった。しかし短編なので案外あっさり。
        ちょこっとリンクさせる作りが「おっ」と思わせるがそれ自体にはあまり意味はないので...。
        >> 続きを読む

        2018/07/13 by motti

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      光媒の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ―――道尾秀介は、ミステリーという土壌に咲いた大輪の花である。巧みな仕掛けに驚愕の結末、文章だって美しい。2年という歳月をかけて紡ぎ出された短編集「光媒の花」(集英社)を手に取れば、気づくだろう。その地に安住せず、より広い場所へと歩みを進める作家の姿に――

        「光媒の花」は6章に別れ、今まで感じていた作品とは傾向が違う、淡い哀しみの色彩を帯びた短編集になっている。それぞれは微妙につながっている。

        静かな文芸作品のような香りのする文章で期待を裏切ってくれた。
        彼の本領はここにもあると思った。
        もっと読んでみよう。
        短編は読みやすく、早く終わってしまったがこれから長編にとても期待できる。
        >> 続きを読む

        2015/06/27 by 空耳よ

      • コメント 8件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      鏡の花
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • パラレルワールド!!

        短編の登場人物がリンクしていて最後に繋がる群像劇なやつ。
        流行りの手法でそういうのが例えば伊坂幸太郎さんなんのなんかがヒットし、劇団ひとりさんもマネして「陰日向に咲く」書いたらヒットして完全に書式は方程式。

        本作はそれぞれの人物の生死がバラバラで関係性が若干づつ違うところがおもしろかった。
        やっぱ道尾さんの本は面白いです。


        (amazon解説)
        製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。まだ誰も見たことのない群像劇。
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        2018/08/17 by motti

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      龍神の雨
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
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      • 添木田蓮と楓の兄妹。
        そして溝田圭介と辰也の兄弟。
        何も関係なこの二組が絡むある事件にまつわるミステリ。

        トリックとしてそこまで驚くという類いではないが、当人が思い描く予想とは悉く違うというスタンスはよく出来ている。
        惜しむらくは登場人物が少ないので、事件の先読みは見抜けるかも。

        二組とも過去の出来事に囚われており、それが事件を通じて少しずつ光が射していく。
        結局のところ思い込みや誤解が招いた悲劇なのである。
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        2018/03/27 by オーウェン

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      月の恋人
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 月9の為に書き下ろされた本というのを後書きで知った口。
        普通の道尾作品だと思っていたらミステリー的な所があんま無くて肩透かし。
        道尾作品への期待値が高い分だけちょっと物足りなかった。

        一方でこまごまとした雑学をストーリーや人物の状況に絡めてグッとくる感じにはさんでくるのは他の作品と同じように健在ぶりを示してると思う。

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        2015/12/11 by W_W

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      笑うハーレキン
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 2013年に単行本版で読んだ作品の再読。主人公の東口は、10年も前に潰れた工場のスクラップ置き場で四人の仲間と暮らす、元家具職人のホームレス。幼い一人息子を事故で亡くし、妻とも離縁し、経営していた家具会社が倒産した末に行き着いた居場所で、携帯電話とトラック、長年使ってきた工具などの僅かな持ち物で方々を家具修理に回り、なんとか生計を立てています。ある日、彼のトラックの助手席に見知らぬ若い女性が忍び込んできます。家具職人の弟子にしてほしいと訴える女性・奈々恵に不審を抱く東口ですが、彼女もいつしかスクラップ置き場の仲間に。そんな中、近くを流れる川に死体らしきものが浮かび上がり…。

        全てを失ってホームレスになった東口のトラックの助手席には、彼が「疫病神」と名付けた亡霊が座っており、東口の過去に潜む深い後悔と自責の念を常に呼び覚ましています。死んだ息子のビデオを何回も見返しながら、失意の底で生きる東口ですが、奈々恵との出会いや、ホームレス仲間に起きた事件をきっかけに、心の奥底にしまい込んでいた、彼が向き合うべき真実と、それを必死に覆い隠そうと仮面を被っていた己の姿を直視しようとします。誰もが皆 ---ホームレス仲間でさえ---「本当の自分たちの姿を正視したくないという思いから」ハーレキン(道化師)のような仮面を被り、「こうでありたいという自分を」演じている、という表現が印象的でした。

        多かれ少なかれ、私たちはいろんな顔を持っています。会社、近所、家族、友達、恋人などに向けたそれは、本来決して「仮」の「面」などではなく、どれもが本当の自分の一面なはずなのですが、例えば外面良く見せようなどと邪念が入り、己を繕って演じ始めた途端に、それは本当の自分を隠す「仮面」になってしまうのかもしれません。そして本当に怖いのは、初めは相手に対して本当の自分を隠すためのであった仮面が、いつしか仮面をつけた本人の本心までも覆い隠してしまう仮面となり、自分で自分の本心が見えなくなってしまうことではないでしょうか。

        仮面をつけた登場人物たちが、それを剥ぎ取るきっかけとなるのは、東口に届いた奇妙な家具の修理依頼です。この一件からラストまでの展開がやや唐突で、妙にエンターテイメント性が高く戸惑いますが、多くの謎に誘導されて、一気に読み終えてしまいます。ちょっと強引なこじつけもあるものの、最終的には色々な伏せんが全て回収され、衝撃的な事実が明らかになった上での読後感は、決して後味の悪いものではありませんでした。
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        2016/02/28 by nomarie

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      ソロモンの犬
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ミステリーというと、息もつかせない緊迫した展開をイメージするが、この作品はちょっと雰囲気が違う。確かに、ショッキングな出来事は次々と起こるのだが、とぼけたキャラがいるせいか、陰鬱な感じはしない。後半の謎の核心に迫る部分からは、驚きの展開が次々と押し寄せてくる。
        ミステリーはあまり読まないのですが、魅力的なキャラやストーリーの面白さで十分楽しめました。
        >> 続きを読む

        2018/08/16 by かんぞ~

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【道尾秀介】(ミチオシュウスケ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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