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大好きな人の結婚式で失態を晒してしまったこと葉は会場を一気に引き込むほどの挨拶をする久美さんに興味が沸いた。親友の結婚式のスピーチを頼まれ久美さんにアドバイスを受けることになる。『言葉のプロフェッショナル』はその声や話し方や内容で人の心を掴み操る。こんなステキな魔法のような力を持ったらステキだ。私も子供を引っ張る仕事をしてるので楽しくてキラキラしてる子供たちの目を前にすると気持ちが盛り上がる。まるでエンターティナーになったような気持ちだ。選挙戦の話はちょっと退屈だった。でも聴衆の心を引く言葉のプロフェッショナルを利用したいのは政治家だからそれも納得かな。伝えたいメッセージが溢れるほどあってそれに洗練された言葉や声や態度が合体されたら聞いてる人の心は動くんだろうな。図書館本だけど自分で買いました。 >> 続きを読む
2019/11/30 by miko
【巧いなぁ!】 キュレーターの資格を持つ著者ならではの作品。 物語の中心になるのは、これまで世に出ていなかったルソーのマスター・ピ-スと思われる作品の真贋鑑定合戦ということになるのですが、この鑑定を任せられたのはMoMAのアシスタント・キュレーターであるティム・ブラウンと、当時新進気鋭の天才的研究者として売り出し中だった織絵の二人。 もっとも、ティムは、確かに自分の名前宛ての依頼状を受け取ってはいるのですが、どう考えてもMoMAのチーフ・キュレーターである、自分とは1文字違いのトム・ブラウンが指名されたとしか思えないわけで、このチャンスを活かすべく、トムの振りをして鑑定に参加するのでした。 まぁ、織絵の方も本来指名された世界的な権威の代理として参加しているのですが。この世界的権威は、既にこの絵画について真筆であるという証明書を発行しています。 この二人を指名したのは、件のルソーの絵を莫大な金で買い取った名画コレクターの大富豪。この大富豪は、本当にそんな名画コレクションを持っているのかという事自体が謎とされている伝説的な人物でした。 ところが、この鑑定の方法というのが奇妙なものなのです。 問題の絵そのものを鑑定するのではなく、7章からなるある物語を、二人がそれぞれ、毎日1章ずつ読み、その上で、7日目に講評をし合うというもの。 いずれか優れた講評をした者に、なんと、このルソーの絵の取扱権を進呈するというのです。つまり、鑑定の勝者はこの絵を好きにできるというのです。 何ともそそられる設定である上に、大変細かい点にまで注意が行き届いた作品で、非常に巧みに練り上げられていると感心しました。 よく、日本人が、外国人を登場人物とする小説を書くと、何とも言えない違和感が漂う場合が多いのですが、この作品はまったくそんなことを感じませんでした。 この辺りも巧いなぁと思わずにはいられません。 本作には鑑定合戦に使われる1冊の本の内容が織り込まれているのですが、それ自体が大変面白く、また、単なる鑑定合戦に止まらない、人間関係の深みもしっかり押さえられているので物語に奥行きが出ています。 非常に評判の良い本だったので手にしてみましたが、納得の面白さでした。 これは文句なしに名作でしょう! 「画家を知るには、その作品を見ること。何十時間、何百時間もかけてその作品と向き合うこと。そういう意味では、コレクターほど絵に向き合い続ける人間はいないと思うよ。キュレーター、研究者、評論家、誰もコレクターの足下にも及ばないだろう。ああ、でも---待てよ。コレクター以上に、もっと名画に向き合い続ける人もいるな。誰かって?---美術館の監視員だよ。」 >> 続きを読む
2020/01/26 by ef177
映画館で映画を観ることは別世界へ旅に出ることである。 そう語る1ページ目から、心をまるっと持っていかれた。私もずっとずーっと感じていたからだ。 そして映画館には『キネマの神様』がいるという。 確かに。あの異世界には神の領域のようなものを感じる。 それを熱く語るのは、結婚もせずに積んできたキャリアを手放した主人公、歩(あゆむ)の父親『ゴウ』だ。 ギャンブル依存症であると共に、何よりも大好きなのは映画鑑賞。 いい加減に見えて情に熱く、自分勝手に生きてるようで家族と友達を大事にする。 そんな『ゴウ』の、映画への溢れる想いが周りの皆を変えていき、想像もつかない展開へ。。 2020年冬に公開される映画での『ゴウ』の役は、志村けんさんだった。 読み始めてすぐに確信する。この役の適役は、志村けんさんしかいない。ひとつひとつのセリフに、けんさんの息吹を感じるのだ。 けんさんの、コントへの尋常ならぬ思い入れが、そのまま『ゴウ』の映画への思い入れに直結する。 けんさんの『ゴウ』が観たかった。。 何度も何度も涙を流してしまったから、エピローグならぬエンドロールでは得も言われぬ爽快感で、心地よい余韻にひたれた。 >> 続きを読む
2020/06/20 by NOSE
【おにぎりは美味しい!】 日本農業新聞に掲載された作品だということで、内容の方もそれらしくなっています。 主人公の人生(じんせい)は24歳にして引きこもりの生活をもう4年も続けています。 中学生の頃、両親が離婚し、母と二人で生活することになったのですが、転校したこともあり、中学、高校と壮絶ないじめに遭います。 以来、不登校になり、一時は就職しようともしましたが、結局どこも長続きせず、引きこもり状態になっています。 母は清掃の仕事を掛け持ちして生活を支えてくれますが、そんな母親に対する思いやりの気持ちも持てず、コンビニのおにぎりとカップラーメンだけを食べ、携帯でネットだけをやり続けるという毎日です。 俺はずっとこのままでいいんだ。 ある日、いつも通り午後遅く起きてみたところ、家の中の様子が何となくおかしいことに気付きます。 いつもは入りもしない母の部屋に入ってみるとそこには置き手紙が。 「もう疲れてしまったので家を出ます、家賃と携帯代は払います」という母からの手紙でした。 手紙と共に現金5万円と、「この中の誰かが助けてくれるかもしれない」という書き置きと共に10枚ほどの年賀状が置かれていました。 いきなり現実に直面させられて愕然とする人生。 5万円でこれからどうすりゃいいんだよ! と怒りを覚えます。 置かれていた年賀状を見ても、どれも定型印刷のものばかりで、また、頼ろうにも知らない人ばかりでした。 その中の一枚に祖母からの年賀状がありました。 祖母は、余命数ヶ月と書いていたのです。 ばあちゃん……。 蓼科にいる祖母のことはよく覚えていました。 両親が離婚する前は、父に連れられてよく蓼科の家に行きましたし、それを楽しみにもしていたのです。 あのばあちゃんが死んじゃう? いてもたってもいられなくなった人生は、蓼科に向かいます。 何とか蓼科にたどり着き、駅前の定食屋さんのおばさんの助けも借りてなんとか祖母の家に行けたのですが、祖母は認知症になっており、人生のことが分かりませんでした。 また、祖母の家には座敷童子のような見知らぬ女の子がいるではないですか。 「あんた誰よ!」その女の子つぼみは人生に喰ってかかります。 「俺はばあちゃんの孫だ」と答えると、「嘘ばっかり。私が孫なのよ!」と言うではありませんか。 つぼみは随分と気の強い女の子じゃありませんか。 まぁまぁというおばあちゃんの取りなしもあり、人生とつぼみはおばあちゃんの家で暮らすようになります。 そうして少しずつお互いのことを知り、またおばあちゃんの介護をしたり、初めて仕事に就いたりと、少しずつ生活を立て直していきます。 そんな中で、人生とつぼみはおばあちゃんがわずかばかりの土地で作っていたという米作に興味を持ちます。 それは、機械や肥料など一切使わない自然栽培の米でした。 何しろ、おばあちゃんがつくるおにぎりはおいしいのです。 これまでコンビニのおにぎりばかり食べていた人生にとって、おにぎりって、お米ってこんなに美味しい物だったのかと気付かせてくれるようなおにぎりだったのです。 そして、まわりの人たちの協力も得て、人生とつぼみは生まれて初めて米を作ることになったのですが……。 原田さんは泣かせるツボをよく心得ていて、うまいこと話を進めてくれますので、じわっと来てしまいますよ。 安定した作品ではないでしょうか。 >> 続きを読む
2019/08/02 by ef177
原田マハのデビュー作。花々を読みたくてこの本をブックオフで購入。私の中では「原田マハ ハズレなし!」が確立された。絵画系ミステリーだけでなく、こんな素朴な話で素敵な読後感を味わせてくれます。 >> 続きを読む
2019/01/14 by わくさん
売れないタレント丘えりこ(通称おかえり)。唯一のレギュラー番組が打切りとなり暗澹としていた頃、旅好きが奏したのか旅行の代理をする世にも珍しい「旅屋」を始める事に。旅屋も慣れてきた頃、おかえりに待ち受けるものとは…。原田マハさんお得意の大団円。性善説を絵に描いたような話なので、人によっては物足りない内容かも。個人的に読後感はすっきりで満足でした。旅をする職業って、本当旅番組ぐらいしかないよなー。旅行雑誌の記者とかも行くには行くか。何かしらの理由で旅を代わりにしてほしい、というとんでもない事もこの世の中では本当に需要がありそうな気がする。単行本ではサブタイトルに「the long way home」と書いている。このサブタイトルは読後に色んな解釈が出てきて個人的に好きなんだけど、文庫本には書いてない(?)のかな。旅好きな方、爽やかな本を読みたい方にオススメ。 >> 続きを読む
2018/11/11 by 豚の確認
4つのアートにまつわる近親者によるドラマ。ドガの踊り子やモネの睡蓮などが対象となり、彼らの世話をしていた身の回りの人たちによる繋がり。何気ない日常のことから、ありふれた食事。そういったことが画家にとっての活力となり源となる。特にモネの日本好きは有名であり、そのための睡蓮の池を作らせたこと。人との繋がりを見ても、物質的なものは幸せにはならないことが分かる。そういった心情を想像できるのは流石としか言いようがない。 >> 続きを読む
2021/02/03 by オーウェン
主人公のOLの育ちの良さやそれを取り巻く周りの人達のリア充っぷりな設定に「ん?」と思うところはあるけれど、それを除いても言葉の使い方によって人はこんなにも心を動かされるんだと実感させられる作品。作品の中のどのスピーチの文章を読んでいてもゾクゾクっとさせられる。ある意味スゴイなあと感心。この方の作品に「総理の夫」という作品があるが、関連はあるのかなと邪推。「キネマの神様」といい、スゴイわ、この人。他の著作も随時読んでいきたいと思う。 >> 続きを読む
2017/09/07 by おにけん
女の友情って、いいなぁ。青春時代を転校先の見ず知らずの土地で過ごすことになった主人公。そして友達と、特別な人と…。現在と過去の話がうまく絡み、自分も思い出の場所に行って物思いに耽るような、くすぐったい感じがした。そして、始まりそうな恋よりも、友情を選んだあゆがとても苦しくて、長いため息が出てくる。ラストは、なんとなくひっかかっていたものが急に、残酷に現れる。でーれー、ええ夢見せてもろうたが。本書の中で好きな文章があった。「そう。あの頃、私たちは誰もが光の中にいた。おかしなものだ。光の中にいる時は、光を意識することなんてめったにない。そのくせ、その場所から一歩踏み出すと、どんなにまぶしい光のさなかにいたのか、初めてわかるのだから。」昔の光も忘れてはいけないけど、それ以上に今この時の光をしっかり噛みしめないといけないなぁ、と感じさせられる本だった。 >> 続きを読む
2018/02/21 by 豚の確認
芸術分野以外での原田マハ作品というのは初めて見た。地元の特性を生かした南大東島でのラム酒の生産。そこに尽力したまじむの奮闘記。舞台が沖縄なので、頻繁に方言が飛び交い、なんくるないさの緩やかな精神が全編に渡って染みわたる。古臭いかもしれないが、人と人との繋がりが仕事を実現へと結びつけていくのはやはり王道。タイトルにもある風のマジムを飲んだ時の形容が、一体どういうものだろうと想像を掻き立てる。 >> 続きを読む
2020/10/16 by オーウェン
本書の冒頭で、一気に心を持っていかれました。あー。この本は面白いんだろうなぁ、と。ギャンブル依存症の父と、超大手会社の課長職を辞めた娘。壊れかけていた家族を繋ぐものは映画であり、物語で出会っていく人たちもやはり映画によって繋がれていく。原田マハさんに多い(ような気がする)女性のサクセスストーリーかと思いきや、家族愛なのかな…と思いきや、彗星の如く現れた登場人物との友情。どこに向かうのかしら、と繙く手が止まらない。そして涙溢れる場面があり、ラストも暖かさがじんわりと残り、いい旅をしてきたなぁ。という心地良さがあった。正直、私は映画を見ることが苦手だ。これから数時間は見なくてはいけないのか、と思うと余程心の準備をしないといけない。この話をすると誰からも共感は得られないのだけれど。さらに言えば、「ほら、こうしたら感動するでしょ?」「原作読んでません(設定変えてみました)」「ジャニーズとアイドルで人気とります」という、目線の違いに溜め息が出てしまうから。とは言いつつ、何かしらの理由で見に行けば七変化の如く感情的になって、劇場の灯りが点るまで余韻に浸るわけだけども。そのため、本書の中に出てくる映画はほぼ見たことがない作品でした。しかし、それでも十分に面白かった。名画座は近所にないので、DVDで少しずつ見て行きたいと思った。…しかし、風のマジムでは読了後ラム酒を買って、本書では映画を見て、恩田陸さんの蜜蜂と遠雷ではクラシックを聞いて…影響されやすい自分がなんとも滑稽だなぁと一人で苦笑をしてしまった。 >> 続きを読む
2017/09/23 by 豚の確認
まあまあかな。どん詰まりの人間交差点。愛と赦し、最終的に在るべき所に帰ってく。あと、名前に複雑な仕掛けがあるわけでは無かった。 >> 続きを読む
2019/09/18 by hiro2
女性に一回任せてみてはどうですか?←とてもわかります!あまりに男の論理が柔軟性や発想力に欠け、観念的で利益追求型すぎて、日本の政治には理想が無いのか?と日々残念に思っている上に、米国の大統領選が間近ですが、ヒラリーが「女性だから」当選させたくないというアメリカの実は女性蔑視の伝統が垣間見えてしかたない今日この頃です。作者曰く「政治ファンタジー」凛子の女神化は作者の意図的なもの。リアリティの追及は全く心がけていません。とのこと。…ですね~。あえて避けていますね。マンガチックなテイストの小説を表すのにファンタジーって言葉をあまり軽々しく使ってほしくないのですけれど。総理の夫になってしまった相馬日和(ひより)の日記というスタイルで描かれています。凛子は最年少で開田川賞(芥川賞のことか)を受賞した父と国際政治学者を母に持ち、東京大学法学部卒、ハーバード大学で博士号を取り、シンクタンクの研究員を務めたのち、政治家に転身。弁舌さわやか、理想主義者で美人。まあ欠点ゼロな女性です。一方、総理の夫になってしまった日和君だって凄い。東京大学卒で博士号も取得、日本を代表する大財閥相馬一族の次男。絵に描いたエリート夫婦でございます。夢っちゃ夢ですが、こんなの本当にあなたの「理想」なんですか?だとしたらあまりにもスノッブであまりにもおとぎの国であまりにも想像力に欠けませんか?日本国民って下剋上が大嫌いな国民なんですよね。下から上がって来る人の足を引っ張りたい人たちが多い。ホリエモンなんかいい例ですよ。日本って家柄とかなんとか、本当の意味で「出世」ができない階級社会なんですよ。「どこの馬の骨」って考え方が抜けないのです。上流階級の人や一般大衆に文句を言わせないためには雲上界から聖人君子の「降臨」が待ち望まれる…。やれやれ、この点では日本の現実を描いているかもしれません。現実世界はうまくいかないから、夢を見てもいいじゃないか、とマハさんは言います。でも、夢を読んで憂さ晴らしして終わってしまっていいのか?理想はこうよね~。現実にはいないわよね~。でいいのか?政治活動に足を踏み入れたと思われたくないから、リアルには描きませんでした?それでいいのか?都合のいい逃げじゃないのか?なんとなく、面白い~♪で終われない気分になってしまった、ひねくれ者の私でした。民心党党首の原久郎(はらくろう)は小沢一郎氏がモデルとのことです。挿し絵:みづき水脈おお。そうかそうか。「ラブコメ」で一緒に米作りした彼女ね!! >> 続きを読む
2016/05/27 by 月うさぎ
ファッションデザイナーに憧れ、高校生にして自分で服を作る男の子・美糸(びいと)と芽衣とクラスメイトたちのバタバタ。美糸の熱い想いが周囲を動かして、一大イベントを成功させる。 >> 続きを読む
2018/04/20 by 匿名
数時間で読了。偶然の出会いから、大手都市開発会社で働くことになった主人公・しいな。目の前に矢継ぎ早に出される課題を解決していく中で、老舗花火屋の祖父のことを誇りに思うようになったり、チームで協力することや目標に向かって努力することを学んでいく。憧れる社長の夢を叶えることが自分の夢、それが仕事だなんて最高じゃないか。自分ひとりではできないことも、先輩や友人に恵まれてなんとか達成し、しいなもほかのチームメンバーにはないセンスで貢献する。そういうことって新人がいきなり得られるものじゃないと思うから、現実味はなかった。それでも「人が変わらないと環境は変わらない」というメッセージには共感したし、後半は何度かジーンとする場面もあった。mixi公式企画ということで、独特の携帯小説っぽい文体がちょっと苦手。 >> 続きを読む
2014/10/05 by lilli
短編集。どの話も過去、もしくは現在に心の闇を持っている女性が主人公となっている。きっと誰しもが大小違えど心の闇は持っていると思う。本書では旅先にて(最後の話は違うけど)人と関わり、少し前向きになれる、そんな温かくなる内容になっている。個人的にはナギが好き過ぎて、もっと話に出てきてほしかったなぁ。原田マハさんの本は、読み終わった後に「自分らしく生きたい」と思わされることが多い。「さいはて」は終わりではなく、どこまでも行けることを示しているのかな、と思った。旅がしたい。人と触れ合いたい。 >> 続きを読む
2017/10/22 by 豚の確認
両親の離婚、主人公を置いて出て行ってしまった母親、家庭を省みる事が二の次で不器用な父親。大事にしていたカナリアもいなくなってしまった。追い打ちをかけるように、登場する継母。「あたしはあなたのお母さんよ」・・・超嫌な展開。思わず本を閉じた。泥沼の予感がプンプンする。意を決して読み始めるのにしばし時間を要した。でも全くそんな話ではなく、読み終わって、読んで良かったの一言。図書館で借りて、期限がある中、3度読み返した。冷静になってみると、結末ありき、その為に壮絶なエピソードをてんこ盛りに後付けしたような気もするが、皆それぞれに思い悩み、主人公の心の変化への過程が、沢山の愛情や友情に支えられ、誰に強制されるのでもなく、自然に変わって行く、成長していく。美しい自然描写の巧さもあり、爽やかな読後感でした。音楽の素晴らしさを伝える文章も秀逸だと思いました。現実はもっと厳しい。でもそれをなぞっても希望がないし、たまには綺麗なものを読んだり見たり聴いたりする事で、ちょっとリフレッシュする。良いタイミングで読めたのが良かったのかも。 >> 続きを読む
2018/02/05 by チルカル
切なさ残る話に、それを優しさや強さに変えて生きていく人たちの姿がみえました。
2017/08/29 by asa_chann
【携帯電話もメールもないあの頃、会いたければ、待つほかなかった。知りたければ、傷つくほかなかった。私は何ひとつ、あなたのことを知らなかった-。80年代の神戸を舞台に、若い恋の決定的瞬間をたどったラブストーリー。】図書館に本を返しに行って、読みかけの本があるから借りないでおこう、と思ってたのについつい借りてしまうんだなあ・・・原田マハさんの本は好きです。でも、ベタな恋愛ものは苦手。これはベタの中に入る?そうでもないか・・・どっちかいうと、はつ恋に近い?挿絵?の写真がとてもおしゃれで綺麗な本です。お話は短くて、あっという間に読み終わります。で、ちょっとだけ若気の至りを思い出したりして・・・恋とは、、、勘違いである。 ワタクシの場合^^; 小学3年生のはつ恋は、自分でいうのも何ですが、かわいかったなあMくん、いいおじさん(もとい、紳士^^;)になってます。ワタシは賢いいたずらっ子が好きだった。てへ今は・・・・・・・・慈悲ですよ、慈悲^^ >> 続きを読む
2014/08/13 by バカボン
母親の本棚にあったので、借りて読みました。 原田マハさんの小説を読むのは初めてでしたが、繊細な文章にとても引き込まれました。 まず、旅行をしているときの温泉の描写がとても素敵なんです。例えば、P90のにある「肩まで沈みこんで、ようやく止めていた息を放った。頭頂からつま先まで、とろけるように湯がしみわたる。」という文章です。 とろけるように湯がしみわたる、って良いですよね。言葉だけでは感じにくいお湯の柔らかさや、温かさを心地よく表現してくれています。まるで、自分が温泉に入っているかのように感じました。 次に、ふと夜空を見上げたときの描写も魅力的だと思いました。P150にある「ビロードのような漆黒の夜空に、無数の星が広がる。冷たい宝石にも似た輝きをみつけて、引っ込めかけた身体を、思い切って凍った空気の中に乗り出す。ほんとうに、ぱらぱらと降りかかってきそうな星空だ。」という文章です。 原田マハさんの紡がれる言葉や文章は、繊細で、どこか儚さを感じます。そして、何よりも経験の積み重ねを感じます。きっと、温かい温泉に浸かったり、寒空の下で夜空を見上げたことがあるのだろうと思いました。 この短編集に登場する主人公はみんな女性ですが、それもまた原田さんの繊細な文章とマッチしているように感じました。 繊細と儚さのなかに、どこか強さを感じる小説でした。こういう旅行をする小説を読むと、私も旅行したくなります……。 コロナが落ち着いたら早く旅行に行きたいな、と思いました😊 >> 続きを読む
2020/08/21 by ゆきの
【原田マハ】(ハラダマハ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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