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料理関係のエッセイだったら嫌だなあと軽い気持ちで手にとったのだが、婚約者から別れを切り出された女性が失恋の痛手から立ち直っていくお話なのだが、彼女の叔母に当たるロッカさんがとても素敵な感じで、長嶋有の「夕子ちゃんの近道」に出てきた瑞枝さんを思い出した。しっとり優しい感じで、今年後半に読んだ小説の中では一番良かったかなと思う。 >> 続きを読む
2020/12/09 by 和田久生
宮下奈都さん初読み。美しすぎる妹の存在で小さいときから負け組みになり自分に自信が持てないヒロイン。でも家から独立して一歩ずつ不器用ながらやりたいことをつかんでいく。家庭は自分自身の原点になるから親や姉妹との関係は人生で大きな影響があるのかも。恋に対して臆病だったヒロインを愛してくれる男性が現れて良かった。作者の自伝かな。 >> 続きを読む
2018/05/18 by miko
宮下奈都の「よろこびの歌」は、同じ学校に通う女子高生六人の物語を、七篇収録した連作短篇集で、最初と最後が「御木元玲」の視点になるという構成で、少女たちの心が痛いほど伝わってくる作品だ。有名なヴァイオリニストを母親にもつ玲は、音大附属高校の受験に失敗し、「ここを第一志望として入ってきた子がどれくらいいるだろう。口に出さないだけで、行きたい高校は他にあった子が多いはずだ」という私立明泉女子高等学校に入学する。音楽で生きていくこと以外考えたこともなかった彼女の、今の自分を「仮の姿」であると感じると同時に、「それではいつ『仮』を返上するのか、ほんとうの姿とはどんな姿なのか、もちろん何の見通しもないし、自分だけが間違った籠に放り込まれた洗濯物のように感じている」。この宮下奈都という作家の特徴でもある、地の文が多めの丁寧な筆の運びが、少女たちの繊細な心情描写に非常によくあっていると思う。誰かの発した言葉に対して、さざ波のように起こり、大きな波になって激しい言葉になろうとする直前で引いていくような、女子高生の心の在り様が、痛いほど伝わってくるのだ。物語は、クラス対抗の校内合唱コンクールを軸に進んでいく。ある日、玲は「仲間と力を合わせ、声を合わせよう」と書かれたポスターを見ていらだつ。だが「クラスの団結が目的で、合唱は手段になってしまっている。歌を利用していることへの軽い憤りを、どうでもいいじゃないそんなこと、と声に出してかき消した」。そんな玲が、合唱コンクールの指揮者としてクラスをまとめる立場になってしまう。案の定、自分の音楽観をクラスメイトに押し付け、反発を招いたままコンクールの日を迎えてしまう。「麗しのマドンナ」という受験で失敗した曲を取り上げたのも、よくなかった。だがその後、あるきっかけで、クラスメイトたちがこの曲を自然に口ずさみはじめるという場面に出会うのだった。そこで「これは、まぎれもなく彼女たちの歌、そして私たちの歌だ」と気づく。長い鬱屈の果てにやっと、新しい音楽と新しい人生に出会うという最初の一篇「よろこびの歌」をはじめ、ピアノを担当した千夏の視点でコンクールの練習の日々を綴った「カレーうどん」。やはり、中学で才能を見限らなくてはならなくなった早希の物語「No.1」など、育ちも考え方も違う少女たちの「スモールステップ」を描いた作品群のタイトルは、すべて、ザ・ハイロウズの楽曲からとられている。1980年代半ばに発表された吉田秋生の傑作漫画「櫻の園」から「よろこびの歌」へと読み継ぐと、少女たちの心理の根っこは変わらないながらも、社会の環境の変化によって、かなり辛いものになっていると思う。 >> 続きを読む
2018/12/22 by dreamer
本を紹介する雑誌であらすじを見て読みたいと思っていた一冊。ちょうど図書館で見つけたので借りました。ほんわかあったかいお話でした。これならいつか購入して本棚に置いておきたい(^^)天気の良い日にコーヒーを飲みながらずっと微笑みながら読んでいました。鎌倉で暮らす小宮家の、由一とまどか兄妹の物語。高校生の兄、由一のパートを小路幸也さんが、小学4年生のまどかのパートを宮下奈都さんがそれぞれ執筆されたそうです。印象に残った兄妹のほんわかなやりとり…由一「父さんだっていつも言ってるだろう。悲しいことより楽しいことを考えている方がいいんだって。おんなじシワが出るんなら、ほら」左手の人差し指でまどかの眉間を触った。ゴシゴシした。まどかの眼が寄った。由一「ここのシワより」それから両方の人差し指でまどかの口の両端を押した。にいっ、て。由一「ここのシワを増やした方がいいってさ」 >> 続きを読む
2015/04/25 by すもも
初読みの作家の方。突然婚約破棄を言い渡された明日羽が再び立ち直るまでの過程を描いた大人の女性の「再生」の物語。文章全体に漂うほのぼのとした雰囲気が深刻さを感じさせない。読んでいて心が温かくなるようだ。女性監督がとる日常系の映画の雰囲気を思い起こさせる。もっとこの人の作品を読みたくなったのでチェックしたいと思う。感想はこんなところです。 >> 続きを読む
2016/09/27 by おにけん
この本は宮下奈都さんの良さが詰まってる気がした。最初は正直あまり乗らなかったけど登場する少女たちが愛おしくなるとはまる。入りたい高校を落ちてやる気を失ってた玲。でも合唱コンクールの指揮者として動き出すうちに本当の音楽の喜びに気づく。みんながひとつになっていく過程が心温まるわ。サンダーロードと夏なんだなが好き。 >> 続きを読む
2018/07/04 by miko
10月31日当日、ハライに行きたい。
2017/07/06 by hiro2
文章のあちこちにこの世の真理があり、共感納得する言葉がある。イメージが伝わってくる。そうそう、わかる。その通りなんだよなあ。 みんな足らないんだ。 「夏は絹 冬は木綿 今はあんころ」 小さく産まれ親に保育器にも入れてもらえず、小さい体に育ち、人の話がうまく聞き取れずトンチンカンな答えになってしまう。教室の前の席の男の子から「バカがうつる」と言われ、仕事も資格を取るのもなかなか難しい。 でも、それで不幸だとか幸せだとかは思わない。 期待せず、比べず、決めつけず、もちろん押しつけず生きてきた佐古。 見え方は人によって違うということを知っている。そして、人の使う言葉では、思い(イメージ、感覚)は完全に表現することはできないということを知っている。 そんな佐古を先生は「賢い」と言い、隼やあの人は「強い」「大きい」と言う。言葉や知識がある人が賢いんじゃない。心の清らかな人が賢いんだ。そういう人が強くて大きいんだ。 「アウトでもセーフでも私はかまいません」 共感した文章をあげればきりがない。 「同級生のことを『クラスの友達』と呼ぶのが小学校での習わしだった。友達じゃないのに友達と呼ぶのはおかしい気がしたが、私の気など誰も気にしちゃいない。・・・そんな友達が百人いたってなんにもならないのだ」「人に支えられて歩くのは楽ではない。自力で歩く方がいい」「たぶん、タンポポって見えてる部分だけがタンポポなんじゃない。花も茎も葉も、そして地中に埋まった根っこも含めて丸ごとタンポポだし、だから花が咲いても、綿毛になっても、やがて枯れて朽ちても、ニュースじゃない。その一場面一場面がタンポポなのだから」「壊れてしまった日々、なくしてしまった日々を、取り戻せるわけがない。取り戻せないから、取り戻さずやっていく。」「みんな持ってる物差しが違うんだよ」 ・ ・ ・ 書ききれない。 私が間違っていた。「お母さんとお父さんのせいにするからいけなかったんだ」 佐古のはじまりの物語である。先生家族との関わりの中で佐古はまた、新しい人生を生きていく。 ほっとする。おだやかな気持ちになれる作品。みんなちがって、みんないいと思えるとてもいい作品だった。 >> 続きを読む
2013/01/07 by バカボン
「旅」をテーマにした短編集。「スコーレNO.4」、「羊と鋼の森」を過去に読んでいる。12の短編は各々が「今いる場所から遠くの場所へ行く思い」を表しているけれど、正直に言ってこの短編集はいまいち楽しむことが出来なかった気がする。短編の登場人物につながりを持たせているが、そのつながりが多すぎる為、逆にそれを気にしすぎて話に入り込めなかったというのが正直な感想。その辺は自分の心構えの問題なのか、良いと思った作家の方の作品なのにいまいち集中して読むことが出来なかったのは残念。感想はこんなところです。 >> 続きを読む
2017/11/05 by おにけん
読みながらも、何となくペースがあがらないままで終わった。つっかえながら読む感じ。どこか詰まった感じがしているのを、全編から感じるからなのだろうと思う。しかし、自分の中でいろいろな思いが交錯しながら、だんだんと時間の経過とともに、周囲との接点もできていく。それをどう思うかなのかな。そして、この田舎はどこだろうと考えてしまう。北陸・国道8号線・訛り・・・北陸に住む者としては、やはり気になってしまう。 >> 続きを読む
2015/02/02 by けんとまん
2人の子供の母であり、うつの夫の妻である梨々子が、田舎で暮らすことで色んなことにぶつかり考え方が変化していく。私は妻でもないし母でもないから想像で読む部分が多かったけれど、妻や母に限らず、生きる上で何を目指していけばいいのかわからなくなることは誰でもあると思うから、そんな時に読みたい本だと思った。「持ち時間が尽きるまで手ぶらでせっせと暇をつぶして過ごすのだ。目的のない編み物をして、いつまで経ってもどこを編んでいるのかわからないことにため息をつき、目がもつれ、目をとばし、それでも編み続けて、いつしかいびつな何かが編み上がる。あるいは編み上がらぬまま編み棒を置くことになるのかもしれない。それでもただ手を動かして、暇つぶしを、ただひたすらに。」目的のない編み物、というのはすごくしっくりきた。何のために生きてるか、なんて考えだしたらきりがないし、考えるのもしんどくなったらこの話を読み返したい。深くて軽い話ではないけど、ちょっと楽な気持ちになる素敵な話。 >> 続きを読む
2017/01/13 by ぎんなん
メイク・コスメが好きなら、楽しんで読めるかも。表紙、可愛い。
2018/01/18 by pink-tink
【宮下奈都】(ミヤシタナツ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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