こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


藤井非三四

著者情報
著者名:藤井非三四
ふじいひさし
フジイヒサシ

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      陸海軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人
      3.0
      いいね!
      • 「組織論」と銘打ってはいるがどちらかと言うと日本軍の実情から組織を分析した本である。この本から現在の日本の組織は何を教訓とすればよいかまでは言及されていない。帯に「ただの戦史の本ではない」と銘打ってあるが、それはそうである。組織分析の本なのだから。野菜を売っている店を魚屋とは言わないのである。そしてもしこれを戦史本とするならば個人的な評価は「ただの戦史の本」である。

        まず二章、四章、五章はなかなか乱暴な理論が展開されている。特に四章「誤解された『経済』の概念」については経済について論じるのであれば日本軍を取り巻く様々な状況についても触れなければとても理論的とは言えない。兵力の出し渋りを批判するのは良いとして、もう少し当時の日本そのもののポジションについても考察をするべきだったと思う(組織論の範疇を超えてしまうと思ったのかもしれないが、それならばそもそも書かなければ良い)。二章の「社会階層を否定した軍隊」も軍隊の実情を書いているまでは良いがそこから先の考察が些か乱暴である。

        一方で一、六、七章は興味深い。特に六章「情報で負けたという神話」は情報と言う点について日本軍のどの部分が脆弱だったのかが詳しく考察されている。暗号解読のからくりなど目新しい部分があったからかもしれないが、よく書きあげられていると思う。個人的に六章を先にしておいて「ではなぜ負けたか?」を他の章で論じることが出来たのであれば上記の批判も避けられたのではと思う。一章も気候と戦争という面白い観点であるのに、章の配置が悪かったように思う。

        考察に粗が見られ、章の配置にも疑問点が残るものの、内容自体は決してつまらなくはなかった。「この本から何を考えるか」と自分で分析をするという点では非常に有用な本であると思う。しかしだからこそこれは組織論ではなく組織分析の本であり、戦史本とするのならば「ただの戦史の本」だと感じてしまうのだ。
        >> 続きを読む

        2017/01/17 by aokaze

    • 1人が本棚登録しています

【藤井非三四】(フジイヒサシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本