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生物とマシンが融合進化した近未来で、世界中の開発途上国で起こるジェノサイド(大量虐殺)。それらの国に常に関わっているジョンポールという妻子をサラエボの核爆弾で亡くした元言語学者。ジョンポールをジェノサイドの仕掛け人と判定して、暗殺を命令されたアメリカの特殊工作員との世界をまたいだ追跡劇。なぜジョンポールがジェノサイドを仕掛けるのか?なぜ元言語学者にそんな事が出来るのか?そしてその思想は暗殺者へも影響を及ぼしていく。派手で異様なSF小説にとどまらず、人とはどんな種なのか、小集団では助け合いが起こるのに、大集団になると大殺戮を起こしてしまう複雑な仕掛けなど、人間そのものを深掘る会話が面白かった。 >> 続きを読む
2019/04/30 by aka1965
伊藤計劃さんの小説はワクワクしながら読めます。この本もまさにワクワクしてドキドキしてあっという間に読み終わってしまう本でした。かなり前に『虐殺機関』を読んだことがあります。細かなストーリーは忘れてしまいましたが、その本も読んでるうちにのめり込んでしまう話でした。この本も同様のドキドキが味わえます。特に中盤のあのシーンは本当に最高でした。それが何かを言ってしまうのがもったいないと思うほど好きなシーンです。 >> 続きを読む
2020/01/02 by esa
【人間の意思とは何か?】 伊藤計劃の2作目の読書です。 最初に『虐殺器官』を読み、そのドライな作風には惹かれるところもあったので、今度は評判の高い本書を選んでみました。 物語は、『大災禍』後の未来社会を舞台にしています。 この『大災禍』とは、新型核爆弾を開発したアメリカで大規模な暴動が起き、その核爆弾がテロリストなどの手に流出してしまい、世界各地で使用されて壊滅的な被害が発生したことを指します。 その結果、国というものは消滅、分散してしまい、もっと小さな『生府』に再編成されています。 『生府』は、核の恐怖を忘れることができず、最新のテクノロジーも導入して、超健康社会を作り上げていました。 人々は成人すると体内にWatchMeと呼ばれるものを移植させられ、この機能により身体組織が完全にモニターされ、健康を損なうおそれが少しでもあると直ちにその治療が行われ、また、健康に害があると考えられる物は悉く排除される社会でした。 食事にしても、その人それぞれの身体状況に最も適合するメニューが自動的に選択され、人々は有無を言わせずそれを食べるような社会です。 この社会では、人の身体はもはやその人個人が自由にできるものではなくなっていました。 健康な身体は公共財であるという考え方なのです。 そんな社会の在り方に疑問を感じている女の子がいました。 彼女は、同級生も誘い、WacthMeの裏をかいて餓死することを計画します。 同級生2人は異常に気付かれて助けられるのですが、言い出した彼女は手遅れで亡くなったということです。 そんな社会に疑問を感じていたのは、何も亡くなった彼女だけではなかったようです。 WatchMeのシステムを逆手に取り、ある方法により人々の意思を任意の方向に向けることに成功したあるグループは、6000人もの人々を自殺させてしまうのです。 その調査に乗り出したのが、餓死を企むも生き残ったトァンでした。 彼女は今やWHO内の特殊機関の上級職員だったのです。 いや、彼女だって過去に餓死を試みたわけで、必ずしもこの社会の有り様に賛同しているというわけではなく、実際、彼女は紛争地域に好んで派遣され、そこで禁じられている酒や煙草を楽しんでいたのですから。 著者の筆致は相変わらずドライです。 作品の構想はやや無理があるかなぁと感じるところもありましたが、それにしても意表を突く視点だと思います。 人間の意思とは一体どういうものなのかについて深く考察して生まれた作品ではないでしょうか。 評価が高い作品であることも頷けます。 >> 続きを読む
2019/10/15 by ef177
晦渋ではあるものの、設定は面白く引き込まれた。別で文庫版のあとがきを読んでみたが、円城氏の思いが伝わって良かった。概ね満足できる作品。 >> 続きを読む
2017/05/27 by hiro2
自分が大好きなゲームであるメタルギアソリッド4を大好きなSF作家である伊藤計劃さんが小説化したということで迷いなく読みまいた。個人的な思い入れがある分、甘い評価になっていると思いますが、最高でした。伊藤さんのメタルギアシリーズへの愛が伝わってきます。実際に伊藤さんの他の作品はもろにメタルギアシリーズに影響を受けています。また、ゲームをやったことの無い人でもしっかりと理解できるように書かれています。たしか、ゲームのメタルギアソリッド4はムービーだけで9時間あるらしく、2周目以降はムービーをスキップしていたのでストーリーの深い部分は理解できていませんでした。しかしこの本を読んでこのゲームが本当に伝えたかったことを感じることができました。とりあえず、ゲームシリーズのファン、伊藤計劃さんのファン、SFファンの人は手に取ってみてはいかがでしょうか。 >> 続きを読む
2013/06/04 by kawa
「The Indifference Engine」を読んでみたのですが表題作の読後感、どうしようもなさはクセになりますね。『虐殺器官』のある登場人物登場しますし。個人的なイチオシは『女王陛下の所有物 On Her Majesty's Secret Property』そして、『From the nothing, with Love.』特に『女王陛下の所有物』はこの作品を読んでから007最新作『スカイフォール』が製作されたのではと邪推したくなる程シリーズの構造をこう認識するSF作家のセンスの良さと『屍者の帝国』とはちょっと違いますがアイディアの萌芽とも取れるものも感じられて楽しめます。 >> 続きを読む
2013/06/14 by きみやす
【伊藤計劃】(イトウケイカク) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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