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MaxDaniel T.

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      眠れない一族 食人の痕跡と殺人タンパクの謎
      カテゴリー:内科学
      3.0
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      • 【未だ治癒不能な病】
         イタリアのとある一族には、代々命を奪う病気が現れていました。その始まりは、瞳孔の収縮と不眠と……。50代頃にその様な症例が現れることが多く、そうなってしまうと間もなく死に至るのでした。
         様々な診察、治療が加えられますが、どれ一つとして成功したものはなく、また、病名ですら当初ははっきり分からなかったのです。
         このイタリアの一族は現在でもまだ続いています。

         当初、この病気の原因はさっぱり分からなかったのですが、どうもクロイツフェルト・ヤコブ病、羊に現れたスクレイピー、狂牛病、そしてアルツハイマーとも関連があるのではないかと考えられるようになってきました。
         イタリアの一族の場合は遺伝であろうとは思われましたが、他の似たような病気は、遺伝というよりは伝染なのではないかと考えられました。しかし、伝染を示すような痕跡は全く発見されなかったのです。

         ところが、その後の研究により、この原因はタンパクにあると判明しました。
         タンパクはただの化学物質です。ウィルスの様な生命体ではないのです。それが何故遺伝を引き起こすのか?
         この点が長らくネックとなっていて、なかなか承認されない考え方であったのですが、現在は、タンパクの中のある物が、おかしな「折りたたまれ方」をしてしまい、それが化学反応的に、連鎖的に他のタンパクを犯していくのだと考えられるようになりました。
         そう、プリオンと呼ばれている物です(この呼び名にも色々いわく因縁があるのですが)。

         ここまでは分かったものの、残念ながら、現在でもまだ有効な治療法は発見されていません。
         それには様々な理由があるのですが、例えば、スクレイピーや狂牛病の場合は、そもそも食肉生産と密接な関係があるわけですから、特殊な病気の存在を明らかにすること自体、業界に取っては大ダメージになるということもあり、政治的な思惑もあって、なかなかまともに取り上げられずにきたという面もありました。
         あるいは、この様な病気にかかる人の数が問題です。
         莫大な研究開発費をかけて新薬を作ったとしても、病人の数が少なければ採算が取れないと、製薬会社は考えてしまうわけですね(これはプリオンだけにある問題ではなく、同様の構図にある病気は「ネグレクテッド・ディージーズ、無視されている病気と呼ばれ、数々存在しています)。

         なるべく早く何とか治療方法が見つからないものかと願いつつも、非常に難しい問題をはらんでいるのだと考えさせられました。
         良書です。
        >> 続きを読む

        2019/10/14 by ef177

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