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又吉直樹

著者情報
著者名:又吉直樹
またよしなおき
マタヨシナオキ

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このランキングは1日1回更新されます。
      第2図書係補佐
      カテゴリー:読書、読書法
      3.8
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      •  私が初めて又吉さんを知ったのは、妄想作家せきしろさんとの自由律俳句の共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』です。

         せきしろさんの事は知っていたけれど、この人は芸人さんなのか、という認識でした。

         この本は、吉本の若手芸人さんが集まる渋谷の劇場で配られたフリーペーパー「YOOH!」に本とそれにまつわるエッセイを連載していたものをまとめたものです。

         小学生の時、芥川龍之介の「トロッコ」を読んで感心し、そのうち太宰治が好きになって、次は尾崎紅葉が好きだったという読書青年の又吉さんのとほほだけれども、しっかりと自分の中に「本の海」を持っているのがよくわかるエッセイ集であり、本の紹介になっています。

         最初、まえがきで僕の役割は本の解説や批評ではない。自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思った、と書かれています。

         この本は主に学生時代の思い出と、それにリンクした本の紹介であって、あらすじもありませんが、最後に2,3行、本に触れていますがそれが大変鋭いと思います。

          子どもの頃から、日記というか、内心の告白をずっと書いていたそうです。読むということと書くということがとても好きだったけれど、きっとそれを自慢などしない人、という印象を受けます。

         こうしてエッセイとそれにまつわる紹介本を続けて読むと、又吉さんという人はものすごく冷静でありながら、本の世界に没頭、完全感情移入していることがわかります。

         そして、本、特に小説の中に、自分の中でもやもやしている感情を発見して、言葉であらわされることに感動して、それを自分の血肉としている様子がわかります。

         安倍公房の『友達』では、強引にサプライズ・パーティに誘われ、見事撃沈する話の後にこう結んでいます。

        『サプライズ』や『募金』や『友達』という善意の臭気を含んだ語句は強制的な執行力があって上手く付き合わないと呑みこまれてしまう。

         又吉直樹さんは「よき読み手」としてこれからも活躍して欲しい。
        本職はお笑い芸人なので、そちらの方がやはり「仕事」なのだけれど、よき読み手というのは決して自分を自慢しない、という特技を持っているように思います。

         そして、ふと迷った時に、自分が何を読んだらいいのか立ち止まってしまった時に、そっと背中を押すような人であって欲しいと思っています。

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        2018/06/23 by 夕暮れ

    • 他4人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      東京百景
      4.3
      いいね!
      • 「熱い思想を、夢を語って尊敬されるくらいなら、阿呆なことを言って笑われたり馬鹿にされたりしていたい」

         昔のバラエティ番組の動画を見ていたら、そこに出ている又吉さんは「気持ち悪い」と女優やアイドルから逃げられていました。
        番組自体、又吉さんを気持ち悪いものとして作っているのでした。

         それが、芥川賞作家になったら、急に文化人になってしまって誰も気持ち悪いなんて言わないという手のひら返すような世の中。
        又吉さんはどう思っているのでしょうか。

         このエッセイ集は3回読んで、また読み返しています。
        これから何度も読み返すと思います。

         18歳で上京して、お笑い芸人をめざしている20代前半まで、下積み時代、20代後半、30歳すぎてテレビなどに出るようになり、知名度があがってきた30代と三部構成になっています。

         決しておごることなく、他人におもねることなく、不器用で、自己嫌悪に陥りながらも、血反吐をはく思いをしながら、東京で芸人をめざす、その痛々しさがこの本の後に出版されて、ベストセラーとなる『火花』の原点とも言えると思います。

         話題作『火花』だけ読んで「なんだおもしろくない」と放り出すのならこの『東京百景』もまわりくどくて「おもしろくない」でしょう。

        『火花』『東京百景』その他、又吉直樹さんの書く小説は面白可笑しい娯楽ではありません。

         芸人が本を書いて賞をもらった、ばかりが独り歩きして、本の内容になかなか触れてもらえない、とあきらめたように又吉さんが話していました。痛々しいほど自分を見つめる眼が凄い人です。

         この本を読む限り、20代の思い出だけでなく、20代の頃にかなりの頑固さを貫いており、周りが騒いで、揺れ動く事はあっても芯の部分はぶれないだろう、と思わせるものがあります。

         芸人を目指して上京した若者に、東京という街は、時に冷たく、時に無機質で、時々、ほんの少しだけ優しい。

         人は年をとるとかわっていくもの。若い時のままということはありえないけれど、20代に出来上がった価値観のようなものは残ると思います。

         そのぶれない価値観に一読者としては、すがるしかないのかもしれません。
        >> 続きを読む

        2018/06/08 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      カキフライが無いなら来なかった
      カテゴリー:詩歌
      4.0
      いいね!
      • 俳句と、エッセイと、写真。
        お笑い芸人又吉氏と作家せきしろ氏の作品が交互に収録されている。

        目次もあとがきもなく、淡々と作品だけが収められた一冊。
        自由すぎる俳句がおもしろい。本書のタイトルもそう。
        生ぬるい空気感がクセになりそう。
        >> 続きを読む

        2014/07/26 by seimiya

      • コメント 1件
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