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白河三兎

著者情報
著者名:白河三兎
しらかわみと
シラカワミト

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このランキングは1日1回更新されます。
      私を知らないで
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! karamomo
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        中2の夏の終わり、転校生の「僕」は不思議な少女と出会った。誰よりも美しい彼女は、なぜか「キヨコ」と呼ばれてクラス中から無視されている。「僕」はキヨコの存在が気になり、あとを尾行するが…。少年時代のひたむきな想いと、ままならない「僕」の現在。そして、向日葵のように強くしなやかな少女が、心に抱えた秘密とは―。メフィスト賞受賞の著者による書き下ろし。心に刺さる、青春の物語。
        ---------------------------------------------------------------

        この小説に書かれているのは何か?
        家族か、恋愛か、青春?
        成長、共感、嫉妬、孤独、愛情、友情、希望、絶望?
        全部だ。

        20の章に細かく分けられた物語は、その一つ一つが起承転結の立ったエピソードで成っており、メッセージ性もある。
        エピソード同士は深くかかわって、ある出来事の伏線になって、読者に先を読ませない展開を生む。
        これは白川三兎の作品に共通する構成力だ。

        しかし構成力ばかりほめても仕方がない。
        ストーリーが面白い。
        クラスから無視されているキヨコと、転校生のシンペーの交流。
        こういうあらすじで端的に伝えるのが難しいほどいろいろ起こる。

        キヨコの抱える秘密には途中で気づいてしまうかもしれないが、いつ訪れるかもしれない「その時」にハラハラしながら読み進めることになる。
        秘密に気付かなかった場合は、エピソードの落差に驚愕することだろう。
        山があって谷があって、とにかく揺さぶられる。

        それほどのめりこんでしまうくらい、印象的なシーンが多い。
        とはいえ、やはりピークは魔女の宅急便を真似るところだろう。
        ツンツンしたキヨコがとあんなかわいい一面を見せてくれるとは。

        それが影響するラストもいい。
        普通の生活のために感情を抑える。
        切ないとしか言いようがない。
        いやあやはりラストだね一番は。

        本当に物語が作りこまれていて、ご都合主義に見えるところもちゃんと理由付けがなされている。

        たとえば、ラストに向けてはシンペーの生い立ちやアヤの功績が影響している。
        アヤはシンペーと別れても、彼に後押しされたことを支えにして頑張ったんだろうな。
        とすると、シンペーが親を後押ししたともいえる。

        いじめ問題の解決にしても、ミータンはもともと友達思いのやつなのだ。
        金原瑞人の解説にもあるが、「登場人物たちの多くが、見たままではなく、本人が思っているままでもない」のだ。
        キヨコにも原因はあったし、暴行を加えたわけでもない。
        比較的受け入れやすい解決ではないか。

        キヨコのシンペーと高野に対する態度には終始悶々とさせられたが、ラストに影響してくるとは。
        恋とはやはりままならないものだと思った。

        振り回されるのが醍醐味の一つだから、あまり細かく書けないのが歯がゆい。
        面白い小説に限ってうまく言葉で表せない自分の文章力も悔しい。
        でもたくさんの人に読んでほしい小説だ。
        >> 続きを読む

        2017/06/15 by ともひろ

    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      角のないケシゴムは嘘を消せない
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • 文庫版を先に読んでいて、解説でノベルズ版は結構違うということで手に取ってみた。
        るほど〜文庫版のほうがシンプルですね。
        文庫版の方が好みかな〜
        よくここまで大幅に改稿したね。
        主人公のノブはいい男だ。こりゃモテるわw
        >> 続きを読む

        2015/11/24 by 降りる人

    • 2人が本棚登録しています
      君のために今は回る
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 内容紹介----------------------------------------------------------
        ねぇ、銀杏。わたしたちは確かに友達だったよね?

        わたしが観覧車の幽霊になって随分時間が経ちました。この観覧車には変わった人がいっぱい乗ってきます。盗聴魔、超能力を持つ占い師、自信喪失した女記者、ゴンドラでお見合いをする美人医師……みんな必死にくるくる生きてる。
        だから今、わたしは人を思う力を信じてる。そうしたらいつかもう一度、あなたに逢えるかな?

        これはすれ違う人々の人生と運命を乗せて、回り続ける観覧車の物語――。
        ------------------------------------------------------------------

        複雑な背景を抱えた複数の登場人物が入り乱れた構成はさすが。
        しかし、それぞれの人物が特殊すぎて感情移入しづらく、そのせいで人間関係から生まれてくる感動も伝わりづらかった。
        登場人物がよく泣くのだが、どうして泣いているのかよくわからないことが多かった。
        会話の中で人物の背景を探るようなシーンでは、話がかみ合っていないかったり、言葉の選び方が唐突だと感じたりすることが多かった。
        そんな人物が何人もいるものだから、枝葉が広がりすぎていて、何を伝えたいのかわからない。
        読み終えてみて「これは何の物語だったんだ?」という印象。

        白川三兎の作品の共通することの多い「芯のあるヒロイン」はなく、また「どんでん返し」もインパクトが弱かった。
        登場人物を変わったあだ名で呼んで、終盤で実はこの人とこの人は同一人物でした、という展開は少し飽きてきた。
        また、他の作品でのあだ名のトリックが明かされたときには何かしらの感情を呼び起こされたが、本作で登場人物の正体がわかっても、「それがどうしたんだ?」という感想を抱くばかりだった。

        白川三兎の作品が好きで8割方読んでいるが、面白くないと感じたのは本作が初めてだ。
        >> 続きを読む

        2018/11/29 by ともひろ

    • 3人が本棚登録しています
      プールの底に眠る
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        13年前の夏休み最終日、僕は「裏山」でロープを首に巻いた美少女を見つける。自殺を思いとどまった少女は、私の命をあなたに預けると一方的に告げた。それから7日間、ばらばらに存在する人や思いや過去が繋がりはじめた。結末は何処に?切なさと驚きに満ちた鮮烈デビュー作。第42回メフィスト賞受賞作。
        ---------------------------------------------------------------

        登場人物たちの抱えているものがちょっと重たくて、なかなか共感するところまで至らなかった。
        これまで白川三兎の作品は短編2作と長編は本作含めて2作しか読んでいないが、暗い背景を抱えている登場人物が多い。
        それでも最後には希望を見せてくれる展開が多いので、素直に爽やかな青春小説とかも読んでみたいのだが、どうだろう。

        本作はメフィスト賞を受賞したデビュー作(文庫はその改稿版)だが、いつもの構成のうまさは当初からあったようで、個々のエピソードから小さな小物に至るまで、ほかの事象とかかわりあっている。
        登場人物のキャラクターも、「あの事件が彼を形作った」みたいな簡単な話ではなくて、「あの事件でこうなって、それがこう影響して……」という複雑な連なりを見せる。

        そのおかげでストーリーもやや複雑になっているが、その展開にも結末にも不満はない。
        一つだけ希望を述べさせてもらえば、由利の現在が気になる。
        >> 続きを読む

        2017/06/08 by ともひろ

    • 3人が本棚登録しています
      ケシゴムは噓を消せない
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 内容紹介--------------------------------------------------------
        離婚が成立して一人やけ酒を呷る男の部屋に、女性の透明人間が侵入する。体が見えない上、何でも消してしまえる特殊能力を持つ女は、謎の「組合」に自分が追われていると男に助けを求めた。奇妙で不思議な同棲生活の行方と「見えない」恋の結末は?1行先も予測できない恋愛小説。
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        白河三兎さんの長編を初めて読む。
        小説新潮に載っていた「子の心、サンタ知らず」がよくてずっと気になっていた。
        でも、この前読んだ「白紙」が残念で、恐る恐る。

        結論、白川三兎さん好きになれそう。

        白河さんが描く人物たちにはがむしゃら感があって人間くさい。
        共感できるところが多くて、友達になれそうな人たちなのだ。

        「今の私では二人を幸せにできないけど、こんな私でも認めてくれた二人の気持ちは無下にできない」と非合理的な選択をする加奈子。
        それに対して、「なんて我がままな女なんだ」と思いつつ、加奈子への愛情が爆発してしまうノブとか。

        この物語のテーマの一つは、「人それぞれの幸せ」というところにあると思う。
        人は、考え方も背景も違う。
        誰もが幸せになるということは難しい。
        たとえ家族や恋人同士であってもだ。
        それを目指すなら、とにかく相手のことを考えて、がむしゃらでも行動してみるしかない。

        結末には驚かされた。
        >> 続きを読む

        2017/02/23 by ともひろ

    • 4人が本棚登録しています
      もしもし、還る。
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        異様な暑さに目を覚ますと、「僕」は砂漠にいた。そこへ突如降ってきたのは、ごくごくありふれた電話ボックスだった。―いったいなぜ?混乱したまま電話ボックスに入り、助けを求めて119番に電話をかける。だが、そこで手にした真実はあまりにも不可解で…。過去と現在が交錯する悪夢のような世界から、「僕」は無事に生還することができるのか。ミステリアスな傑作長編。文庫書き下ろし。
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        先の読めない展開、幾重にも張り巡らされた伏線と複雑な構成は他の作品と同様。

        しかし、導入から暗い雰囲気なのもいつもの通りだが、そこからの解放がうまくいってないように感じる。
        事実が明らかになる度に重苦しくなっていき、それでもラストにはきっとと思っていたが、ラストの描写がはっきりしないのだ。

        物語の一つの主眼が「生を選ぶかどうか」だったから、あの結末が一つの答えになっているのは理解できる。
        それでも、登場人物たちのその後は気になってしまうものだ。

        本作の大森望の解説で気づいたが、私は白川三兎の作品に登場する女性キャラクターが好きだ。
        自分の信じるものがどんと自分の中心にあって自立しており、それでいて上手に人に甘えられるような人。
        本作のキリも同様。
        好きになったキャラクターには幸せになってもらいたい。

        本作は惜しかったが、白川三兎の作品も4作目の読了となった。
        作風もつかめて好きな作家の仲間入り。
        まだ単行本でしか出ていない作品が多いみたいだが、読み進めていきたい。

        >> 続きを読む

        2017/06/17 by ともひろ

    • 4人が本棚登録しています

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