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ほんとに完成度が高い一冊。著者のミステリ・SFの知識を集約して、一見関係ない物語のオムニバス形式を装いつつ、最後の最後でそれらの話がすべてひとつに集約されていくシナリオは見事。適度に笑いも織り交ぜつつ、最後はきっちりシリアスに締めて終わらせるのも気持ちがいい。個人的に絵柄も好みで、ちょっとシュールなギャグも好み。石黒正数のほかの作品と比べても、現時点では圧倒的に好きな作品。 >> 続きを読む
2015/11/02 by Ada_bana
コミック☆星新一のシリーズ第3作目。SF作品のチョイスが少な目だと思います。そもそもタイトル作品からしてSFではないですからね。なぜこの作品をタイトルにしたのでしょうか?1~2巻からすこし間が空いてのシリーズ再開だったようで、この本の存在にも気づかなかったのですが、読書ログで Ada_banaさんに教えていただき、入手しました。情報どうもありがとうございました。ストーリーの方はネタバレなしの「漫画として」の感想中心にレビューしてみます。『ひとつの装置』 作画:白井弓子 近未来からはるか彼方の地球の未来を描くSF SF独自の美しさには欠けますが星さんの世界観を知るためには適した作品。 白井氏自身のメッセージも込められていると思われます。『ねらった金庫』 作画:石黒正数 金庫を狙って強盗が押し入るというネタは星さんお気に入り。 いろいろなヴァリエーションがあります。 本作は女の子二人組の泥棒という設定のため、マンガチックな味わいがより増しています。『たねの効用』 作画:奈々巻かなこ 寓意的なファンタジー。人生とは、幸せとは。 どう生きても人の一生。そして最後の最後まで最適な選択だったかどうかはわからないですね。 この漫画は星さんっぽくなくて、むしろ日本文学風に私には思えるのですが。 本作の原作を読んだ記憶がないので、いずれ比較してみたいです。『親しげな悪魔』 作画:武嶌波 なんの変哲もない壮年の男が悪魔だというところがポイントです。 ストーリーがかっちりしていて、実写ドラマ向き。 本作はリアリティがありますが、漫画ならではの表現を楽しめる作品ではないですね。『愛の作用』 作画:KUJIRA 未来社会の人間の無感動さを批判する痛烈な風刺がこめられたSF SFのエッセンスはこういう作品に存在します。 もうちょっと美しく描いて欲しい気もしますが…。 『妖精』 作画:渡辺ペコ ファンタジー仕立てでありながら、浅はかでいじましい人間性をあぶりだす皮肉さが全開。 女性ならではのプロットですが、漫画では大人の女ではなく、かわいい少女の設定に変えていて実にほんわかした作品になっています。 ダークな星さんらしさが薄まっているため私は物足りない気がしましたが、単独で味わうならかなりうまい作品です。『疑問』 作画:道満晴明 これは読んでて「疑問」がわきました。 まず、これは星さんですか?という「疑問」。 オチはこれでいいの?何がいいたかったの?という「疑問」 原作が思いつきません。未読かも。 絵は可愛いです。いわゆるアキバ系に昔の漫画をミックスしたみたいな。『意気投合』 作画:青木俊直 ちょっとびっくりな絵柄。ギャグマンガなの?と思いました。 真鍋さんの絵が好きだいう青木氏。イラストとして見る分にはいいと思うのですが、ストーリー漫画をこの絵柄で見せられるのはちときつい。『もてなし』 作画:西村ツチカ これは相当むごいダークな物語なんですが。 漫画にすると、なんか普通に進行し、ああやっぱりという感じで、ショックが少ない気がしました。 どうせこれを選ぶならもっと怖くできるのに…。 でもこれはこれできっとこの漫画家の世界なのですね。だらしない男がとても良く描けています。『花とひみつ』 作画:鈴木志保 絵本の世界みたいな画風&お話しに仕上がっています。 のほほんとしすぎていて、星さんっぽくない気がしますが、原作もこんな絵本テイストなんですよ。だから結果として絵と小説がマッチしていると思います。星作品としても珍しい作品です。今回の作品集には「ボッコちゃん」からのチョイスは「妖精」「意気投合」の2篇でした。表紙の絵も前2作からだいぶイメージが変わりました。乙女チックですね。しかも中の漫画と何の関係もないイラストときています。なぜ表紙が唐突にこの絵なのでしょう?「ねらった金庫」を描いた石黒氏が描いていますが、なぜ悪魔の絵を描かせたのか?とても疑問です。この企画を考えた人は正気なのでしょうか?*収録作品の「親しげな悪魔」(武嶌波、画)はこんなイラストタッチの作品ではありません。もっと劇画調で悪魔も見た目ただの初老のおじさま。シッポなんかありません。そして内容もポップさはかけらもなく、ダークなお話しです。各作家さんのファンの方にはごめんなさい。私にはこの作品集は4作中で最も評価が低い本になってしまいました。漫画の技量にばらつきがあります。それまでは漫画家さんに星新一に対するリスペクトが先にある雰囲気でしたが、今回は仕事をもらってから読みましたな人がいたことも一因かもしれません。トリビュート作品になりきっていないのです。それがムードで伝わってくるのですごく残念な作品が存在します。星さんフリークよりも星さんを知らない人が初めて触れる本としてはお勧めできるかもしれません。なんといっても幅が広いというか間口が開放的というか、まあそんな感じです。 >> 続きを読む
2016/02/04 by 月うさぎ
大学の女子寮で同室の<先輩>鯨井ルカ。<後輩>入巣柚実。バンド活動に打ち込む先輩はいつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののない後輩はバイトの日々。ぬるま湯に頭まで浸かったようなでも当人にはそれなりに切実だったりもする「大学生」という不思議な時間――。『それでも町は廻っている』や『外天楼』で著者の作品です。もう、ほんとに直球の青春物の内容なんですが・・・目標を持っている人間の前にある壁。目標をもってない人間の苛立ち。それでも、センスの良さで、重くならない。お見事。ラストも良いです。 >> 続きを読む
2013/07/12 by きみやす
マサカズ・イシグロのショートショートコメディ「木曜日のフルット」表紙の半野良猫のフルットと金髪無職の鯨井先輩を中心としたギャグマンガ。2ページ構成でクスッと笑えるオチがついた噺ばかり。三頭身の愛らしいキャラたちは「それ町」の登場人物たちにどことなく似てます。感動したり腹をかかえて笑う内容ではないですが、ニヤニヤといつでも読み続けられる床屋にあったら素敵な作品です。 >> 続きを読む
2017/11/15 by ybook
【石黒正数】(イシグロマサカズ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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