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久しぶりに読み応えのある本であった。水をめぐる、人類の歴史を古代から現代にかけて俯瞰している。 水は人にとってなくてはならない代物である。水が無ければ、人は三日と生きていけないのだ。 水が無ければビールを飲めばいいじゃない、などとマリー・アントワネットもびっくりなことを言う人はいないと思う。だいたい、ビールで洗濯やお風呂掃除はできないだろう。 それはともかく、古代から人類は水の問題に悩まされてきた。そして今もそれは続く。 水に関しては色々な問題があるけれど、その中でも特に重要なのは供給の問題である。農業にしても工業にしても、水なしでは、それも海水ではなく淡水なしには成り立たない。 地球は水の惑星と言われているけれど、地球上のすべての水のうち、淡水はわずか2.5%と言われている。しかもそのほとんどは、永久凍土など固体(氷)の形になっており、飲用を含む人が利用できる淡水は1%にも満たないのである。 そんな貴重なお水であるけれど、古代文明はその水のおかげで成立した。インダス、エジプト、メソポタミア、黄河と言った世界四大文明はいずれも大河、つまり大量の淡水を供給できる地域で発展した。 つまり、たくさんの人口を養い、文明を育てるにはたくさんの水が必要ということである。それは今も変わらない。アメリカの工業化が成功した背景には、アメリカ大陸における比較的大量の水が使用できたことが大きい。 そう、水は資源なのだ。 資源と言えば、化石燃料や鉱物を想像するかもしれないけれど、発電にしろ製鉄にしろ、水なしには成り立たない。 もう一つ、排水の問題がある。近代ロンドンなど急速に都市化した場所では、工場や家庭で汚染された水が問題となっている。 汚染された水は飲むこともできないし、疫病を広める原因になる。このため欧米では、浄水技術を開発させざるを得なかった。 ここで重要なのは、水は効率的に使わなければならないということだ。例えば地下水を使い過ぎると地盤沈下を起こしてしまう。川の水が減れば水産資源にも影響が出る。 そしてもう一つ、水はきれいに使わなければならない。汚れた水は、それだけで人類の脅威だ。鉱工業での水質汚染は有名だが、農業でも化学肥料や農薬の使用によって水が汚れてしまうことがある。 現在、発展途上国において水の問題は深刻である。水不足により農業生産高が上がらなければ飢餓が発生するし、水質汚染による環境破壊も問題だ。 日本は比較的水に恵まれた地域なので、普段あまり意識することは無いかもしれないけれど(水という点で日本は資源大国である)、水は無くてはならない大切な資源ということを今一度、考えて欲しい。 とりあえず、歯磨きする時に水を出しっぱなしにするのは止めよう。 >> 続きを読む
2014/09/25 by ぽんぽん
【SolomonSteven】 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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