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こころ

5.0 5.0
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,260 円

主人公「先生」の過去と罪の意識とは

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    「こころ」 の読書レビュー

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      新潮社 (2004/02)

      著者: 夏目漱石

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      • 評価: 4.0

        「…恋は罪悪ですよ、よござんすか。さうして神聖なものですよ」

        この「罪悪」の意味を「Kの裏切り」「Kへの裏切り」
        いずれか、もしくは両方のことを指すという解釈が一般的かもしれない。

        けれど私はこれは違うと考えている。

        「こヽろ」は、ある意味、漱石の恋愛小説の完成形なのだ。
        「三四郎」「行人」「門」で書かれたことと、違う切り口で書かれたもののはず。


        「明治の精神」を、江戸時代と対比し、世界に開かれ、個人の枠を超えた大志を持った向上心のある人間を目指すことだと仮定したら、
        個人的な感情の成就に自己存在をかける恋愛は対極の価値観と言えるかもしれない。

        天下の東大で志をもって学問に燃えていたはずの学生が、
        自分の恋愛を期に、Kという親友を失い、自己実現の挫折をも招く結果となった。
        選ばれしエリートとしては、堕落であり、あってはならぬことだった。

        正岡子規が、病に倒れ自己の大志を貫徹できない苦渋に
        身もだえしている姿を目の当たりにしていた漱石である。
        人物は異なれど、「こヽろ」の「K」への「先生」の尊敬は
        漱石の友への尊敬の実感が反映しているのかもしれない。


        恋愛の成就という個人的な次元の自己の願望を優先してしまったという自覚。
        それこそが彼にとっては自分を裏切る「罪悪」なのだと思う。
        自分を裏切った伯父を許せなかったのと同様、自分を裏切った自分をも許せない。

        そうでなければ、先生の自殺は説明ができないではないか?


        最終的に、「先生」は世の中の役に立つことをするという「逃げ」さえも選択できなかった。
        あまりにも純粋すぎ、自分に正直で頑なすぎたからだ。
        Kに対するあまりに強い劣等感もあって、それをさせなかったのかもしれない。
        (先生は自分よりもKを優れた人間と心から信じていた節がある)

        そして、妻・静を神聖に愛しすぎたためでもある。
        もはや静は人間ではなく恋の象徴となってしまったのではなかろうか。

        妻には何も知らせないでくれ。
        純白の妻を汚したくないから。と頼む。

        よって、先生には恋愛の純粋性、神聖さを貫き通す意図があったと
        私にはそう読めるのだ。

        そして、あまりにもロマンチシズムに耽溺した「先生」のこころは
        多くの現実を生きる女性には理解されない類の妄想となることだろう。

        先生自身、その思想がエゴイストのものだとわかっている。
        妻の立場に立てば、それは単なるわがままであり、無責任であり、逃げである。
        それをも承知で、深く傷ついている男がこの先生なのだ。

        ずるいよね。と、昔の私は思った。

        こういう人は現実を生きていけないよね。
        と、今なら思える。


        そしてやっぱり、男と女の間には、暗くて深い溝があるのだ。


        最初のレビューがちょっとおふざけだったので、みなさんのレビューを読んでちょっと反省。
        真面目な書評を追加で書いてみました。
        >> 続きを読む

        2012/11/19 by

        こころ」のレビュー

      • サラサラ読めるようで、なかなか頭に入って来ず、やっとこさ読み終えました。

        やっぱり夏目漱石は苦手...(笑)

        こういう思考の人がいるのは理解できますが、男性から見てもKと先生の自殺は受け入れ難い歯痒さが有ります。

        死んで楽になれるのかは知りませんが、なれるとしても自分だけ。自己中ですよね。
        >> 続きを読む

        2012/11/20 by ice

      • iceさんは漱石苦手ですか?(^^)
        そういうのってありますよね。私は太宰は苦手。というより受け付けません。

        >歯痒さ
        そうですよね。もどかしいし、いらいらします。
        その歯がゆさがゆえに文句も含めていろいろ言いたくなる小説なんだと思います。
        共感はできませんが、こころは刺激されているってことですよね。
        >> 続きを読む

        2012/11/20 by 月うさぎ

      集英社 (1991/02)

      著者: 夏目漱石

      • 評価: 5.0

        高校の教科書に載っていて読んだ小説。とても思い出深い作品だ。

        私は同時期に何やら難しい哲学の本を読んでいた。デカルトの方法序説だったと思う。それが読みづらくて読みづらくて面白くなく、授業でこの本を読んで「本は楽しいなあ」と思った。ストーリーは別に楽しいものではない。自分が読んでも理解できない文学的な深さを授業で説明してもらえたことや「先生」やKに共感できたからだった。


        私が特に思い出深いのがこの小説自体ではなく、
        友人O君が授業中にこの本を読んだ感想を発表した時のことである。


        お調子者的キャラでクラスの中心であるO君と
        イけてないグループにすら馴染めない私が仲良くなったのは
        名前が近く趣味が同じで意外とひねくれ具合が似ていたからだろう。
        彼とは何故か二人で島にでかけて野宿して夜通し好きなモノの話をして仲良くなった。青春である。
        クラスの人間ひとりひとり全員の悪口を話して夜が明けた。これも青春である。



        クラスのお調子者というのは前に立った時点で面白いことを言ってくれるんだろうな。
        という雰囲気が流れて、面白さに関係なく皆が笑う準備ができている。

        「「精神的に向上心がないものはバカだ」この言葉がですね。大事なんですよ。向上心のないものは馬鹿なんだ!つまり、向上心のないものは馬鹿なんだ!」
        発表中声を荒げて
        意味不明にこの有名なセリフを繰り返し、クラスでは笑いが起きたが、
        私には彼の気持ちが痛いほどわかった。

        クラスの人に対して本気で「お前らは精神的に向上心がない」と思っていること。
        本音を冗談っぽくでないと人に話せないということ。
        そして現状向上心が足りていないという自分への罵倒。

        彼の発表に強く共感した。いまから思い出しても私にとってこの本は内容関係なく青春小説なのである。
        >> 続きを読む

        2016/04/16 by

        こころ」のレビュー

      イースト・プレス (2007/07)

      著者: バラエティアートワークス

      • 評価: 3.0

        夏目漱石の名作「こころ」のマンガ版。

        小説版とマンガ版との比較が予想と異なっていたのが面白かった。

        これまで何冊か「まんがで読破」シリーズを読んで来たのだが、それは全て原作を読んでいないものばかりだった。
        今回初めて原作を読んだ上で、マンガ版を読むと言う試みに至っている。

        予想としては、やはり原作を読んでからだと、マンガでは端折ってしまっている部分が目立ち、結局は小説の方が優れているというオチになることを、半ば確信していたのだが、意外なことに見事に裏切られた。

        それでは、原作とマンガが全く同じ内容を表現しているのか?と言えば、決してそんなことはなく、マンガを読みながら、脳内で原作からの情報を補完しているのが実態で有る。

        それなら原作を読んだ後はマンガ版を読むのは無意味なのかと言えば、これもそうでは無かった。

        自覚症状が有るくらい、乱読するも記憶に残らずな人なので特別なのかも知れないが、やはり原作の全シーンを覚えているはずもなく、マンガを読んで、そう言えばこんなシーンも有った!などと言う、記憶再構築の意味は大きい。

        また絵として入ってくる情報は強く印象に残ると思うので、原作で感動、マンガで記憶の定着という住み分けも無くは無いかも知れない。

        反面、絵のタッチが気に入らなかったり、解釈の違いが有ったりすると原作の感動を負の感想で上書きしてしまう可能性は否定できない。

        内容に全く触れていないようなレビューだが、これはしょうがない。だって小説と同じ作品なんだから...(笑)
        >> 続きを読む

        2013/01/08 by

        こころ」のレビュー

      • 気になるのは登場人物がどういう顔なのかということです!自分のイメージそのままってことはまずなさそうなので「えー!?」ってなりそうですが、見てみたい♪私も読んでみようかなぁ、、 >> 続きを読む

        2013/01/08 by sunflower

      • あ。これ、映画と原作の関係に似ていますね。
        映画では監督がいるので、相当別作品になるケースが多いですが、
        特にストーリーや人物・時代を改変していない場合
        「原作で感動、マンガで記憶の定着」
        これ、絶対にあります!

        もちろん不満も含めてですけど、記憶に刻まれるのは間違いないですよ。
        >> 続きを読む

        2013/01/08 by 月うさぎ

      岩波書店 (1989/04)

      著者: 夏目漱石

      他のレビューもみる (全2件)

      • 評価: 5.0

         某新聞でリバイバル連載されていた夏目漱石『こころ』が終わりました。
        </br> 
        『こころ』は、確か高校の教科書に載っていました。
         私が初めて読んだのは、その少し前頃だったでしょうか。
         最初読んだ時は、友人を裏切って自殺させた「先生」はひどい人だ、と思いました。
         しかし、今回、新聞に連載されていたのを読んでいると、「先生」に同情してしまいました。
        </br>  
        「先生」は「お嬢さん」との恋愛に関して「K」に負けてしまいました。
         多分、「K」は「先生」より人間的魅力やバイタリティなど、多くの面で優れているのでしょう。
        「先生」は全ての面で「K」に及ばない、負けてしまった、と絶望するわけで、それは多くの面で当たっているのでしょう。
         しかし、心理的な自己啓発書を多く読んでいる私としては、こういった本には、「すべての面で負けた」と思い込むのは行き過ぎだ、と書かれていることを知っています。
        「先生」にも「K」よりも優れた部分が一つはあるはずだから、ここは場所を変えて、違う方面で新たに出発するべきだったのでしょう。
         恋愛に関しても、将来、「先生」を好いてくれる人が一人も現れないとは言えません。
        </br>  
        ……と、人生に落伍してしまった私がこんなことを思いながら読んでいました。
         これは自分に言い聞かせていることでもあるのです。
        </br>   
         さて、物語は唐突に終わりを迎えます。その後の展開はどうだったのでしょうか。
        「先生」はどのような最後を迎えたのでしょうか。
         語り手の「私」は、その後どうなったのでしょうか。
        「私」と「先生の奥さん」のその後の関係は?
        「先生」からの手紙は、「私」が秘密として持ち続けたのでしょうか。
        </br>  
         その後の展開を考えると、どう考えても蛇足のような気がしないでもない。
         書かぬが花、というところでしょうか。
         今まで、この物語のその後の展開について、議論されたことはあったのでしょうか?
        </br>  
         しかし、物語の最初に、「先生」が海に連れてきた西洋人とは、一体何者だったのでしょうか。「先生」とどんなつながりがあったのでしょうか。
           http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140925/p1
        </br>
        2012年11月の課題図書 『こころ』
         http://www.dokusho-log.com/monthlybook/201211/
        >> 続きを読む

        2014/09/28 by

        こころ」のレビュー

      • >さて、物語は唐突に終わりを迎えます。その後の展開はどうだったのでしょうか。

        その後の展開を読んでる側に想像させる終わり方は、スッキリしないから嫌です!!笑
        >> 続きを読む

        2014/09/29 by RAY-ROCK

      • >ybook 様
         私のブログでは、読みやすいように、改行や一行空けを多用しています。
         はてなダイアリーは最近、改行タグを入れないと一行空けられないようになったのです。
        (以前は全角スペースを数字分入れると一行空けられたのですが)
         はてなダイアリーの草稿をコピペして編集する過程で、改行タグを消すのを忘れました。
         原稿を使い回しするからボロも出てくるのです。
        >RAY-ROCK 様
        「その後の展開を読んでる側に想像させる終わり方は、スッキリしないから嫌です!!」
         スッキリしないから印象に残る……ということで、全てを描かずに読者に任せる
        という描き方は、小説や映画や芸術分野にあると思います。
         確かにスッキリ決着してくれた方が本当にスッキリしますが。
        >> 続きを読む

        2014/09/29 by 荒馬紹介


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