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作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう! (パリ・レヴュー・インタヴュー II)

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    • 評価: 評価なし

      米文芸誌の名インタビュー・コーナーから抜粋したアンソロジーの第2巻。

      2巻では
       ドロシー・パーカー
       アーネスト・ヘミングウェイ
       アイザック・バシェヴィス・シンガー
       ジョン・アップダイク
       カート・ヴォネガット
       ガブリエル・ガルシア=マルケス
       フィリップ・ロス
       エリザベス・ハードウィック
       ジョン・アーヴィング
       スーザン・ソンタグ
       サルマン・ラシュディ
      が登場する。

      冒頭には、インタビュアーによる作家の風貌や部屋について、2,3ページの簡単な描写がある。的確なラフ・スケッチのようで興味深い。
      インタビューは1回のみのものをそのまま書き起こすという形ではなく、時には回数を重ね、原稿は必ず作家のチェックを受けている。全体としては、インタビュアーと作家の間の共同作品という色合いが強い。場合によっては、作家自身が構成を整え、ある程度「書き直して」しまうこともあるそうで、こうなると丸々、創作のようなものである。この巻では、アップダイク、ヴォネガット、ロスのものがそれにあたるという。

      2巻の圧巻は個人的にはヴォネガットだろうか。戦時のドレスデンでの体験自体もすごいが、その話をインタビュー形式で極めてリーダビリティの高いものにしているあたり、職人芸のよう。
      アーヴィングもサービス精神が感じられておもしろいけれど、アーヴィングは小説の方がよりおもしろいように思う。
      あとはシンガーとガルシア=マルケスが印象的か。
      インタビュアーと噛み合っていない印象を受けるのがヘミングウェイ。インタビュアーが正しい問いを探して苦闘している感がある。読んでいてハラハラするのを通り越してコミカルにすら思えてくる。編集者の立場と作家の立場が根本的に違うためであるようにも思うが、この3年後にヘミングウェイが猟銃自殺しているとのことなので、あるいはこの頃、精神的に下降傾向だったりした可能性もなくはないのかもしれない。
      ラシュディ、名前は聞いたことあるけど誰だっけ?と思ったら、イスラムを揶揄したとしてファトワ(死刑宣告)が出た「悪魔の詩」の作者だった。このインタビューは作家としての姿勢もさることながら、そのあたりの顛末の比重が大きい。日本では訳者が殺されたという衝撃的な事件があったので、そのこと抜きで作品自体を味わうのはまだ少し難しいようにも思う。作者の意図とはまったく違う反応だったようだけれど。

      パリ・レヴューのインタビューコーナーは現在でも続いている。
      膨大なアーカイブには、300人を超える作家たちが顔を揃える。小説家だけでなく、詩人、劇作家、編集者、映画制作者なども含まれる。
      この中からどうやって22人に絞ったかといえば、訳者が特に興味を持つ人々らしい。ある意味、役得といったところだろうか。個人的には知らない作家もいたが、妥当な選択なのだろう。親切な注は原文にはないもののようで、作家たちをよりよく紹介したいという熱意の現れでもあろうか。

      このインタビューは、太っ腹なことに、ウェブ上にすべて公開されているという。もちろん、英語の原文だが、興味のある方は覗いてみられたし。
      米作家のみならず、各地の作家が集まっている。日本からは大江健三郎と村上春樹がいる。

      2巻読み通してみて、全般として、作家たちのまなざしが印象的である。多くは実直に、勤勉に、真摯に、物語を紡いでいる。
      それって誰のためなんだろう?とふと不思議にも思う。批評家のためではないし、読者のためとも言い切れない。自分のためといえば自分のためなのだろうが、あるいはそれは作品のあるべき「理想」の姿に誠実であろうと努めているのかもしれない。決して果たせることのない、「完璧」を目指す苦闘。

      いやはや、プロというのはすごいものである。
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      2016/06/14 by

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