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敗北を抱きしめて

第二次大戦後の日本人
5.0 5.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 日本史
定価: 2,835 円

一九四五年八月、焦土と化した日本に上陸した占領軍兵士がそこに見出したのは、驚くべきことに、敗者の卑屈や憎悪ではなく、平和な世界と改革への希望に満ちた民衆の姿であった...新たに増補された多数の図版と本文があいまって、占領下の複雑な可能性に満ちた空間をヴィジュアルに蘇らせる新版。

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    「敗北を抱きしめて」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

       直接的には、開沼博さんの影響で読んでみることにした本です。開沼さんは、「原子力ムラ」は、戦後の日本が敗北を抱きしめたように、原発を抱きしめた─というアナロジーで、たびたびこの本に言及しています。昨年話題になった「戦後史の正体」(孫崎亨)でも引用されていたかもしれません。
       
       たまたま「舞踏会に向かう3人の農夫」、「写真小史」に続いてこの本を読む形になったのですが、その流れの上でこの本を読むと、そこに収録されている戦後日本の写真が、ことのほか心にしみます。
       特に、1946年12月に品川駅に到着した、満州からの引き揚げ途中で孤児になったこどもたちの写真。右側のこどもは首から家族の骨と灰が入った箱を下げています。おかっぱ頭のこの少女はこのとき7歳ですが、年に似合わぬ厳しい表情をしています。父親は奉天、母親は葫蘆島(遼東湾に突出した半島だそうです)、妹は佐世保で亡くしました。この写真に至るまでにどれほどの涙を流してきたことでしょうか、この写真の後、少女はどのような人生を送ったのでしょうか。
       
       GHQが、あたかも戦前の桎梏からの解放軍のように歓迎された時代を経て、1947年の2.1ゼネスト中止指令で逆コースがはっきりしてくるあたりで、上巻は終わります。
       非常に興味深いのは、占領軍相手の売春婦たちの世界、手に負えないエネルギーに充ちた闇市、価値体系の転換を表現した「カストリ文化」といったサブカルチャーを、敗戦による「虚脱」状態の混乱と絶望を示す具体例であるとする一方、生命力と本能とさらには色情さえ駆使して「虚脱」を乗り越えた実例として分析した部分です。
       単数形の「日本文化」や「日本の伝統」なんて存在しない。語らねばならないのは複数形の「日本文化たち」や「日本の伝統たち」なのだ、と筆者は言います。
       ぼくは、「日本人とはこういうものだ」という誇らしげな日本人論も、「日本人ってどうして〜なんでしょうね」といった自嘲的な日本人論も、どちらも嫌いなのですが、それは、もともと単純化できるはずのないものを無理やり単純化して省みない粗雑さに対する嫌悪感だったのかもしれない、とこの本を読みすすめながら考えています。
      >> 続きを読む

      2013/07/18 by

      敗北を抱きしめて」のレビュー

    • >この写真の後、少女はどのような人生を送ったのでしょうか。

      本当にどのような人生を送ったんでしょうかね。。
      今現在は3.11の震災孤児の多くもこれからどうなって行くんでしょうか。。

      >> 続きを読む

      2013/07/19 by ◆空太◆

    • わたしたちが生きている「日本」

      自分がその歴史を余りにも知らないことに驚かされました。。。 >> 続きを読む

      2013/07/19 by emi


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