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クオ・ワディス〈中〉

4.0 4.0 (レビュー1件)
カテゴリー: その他のスラヴ文学
定価: 840 円
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    「クオ・ワディス〈中〉」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0


      【「火を消す奴は殺すぞ!」/ローマは燃えているか?】
       キリスト教徒であるリギアに心を奪われたローマ軍団将校ウィニキウスは、狡猾な自称哲学者というキロンの手を借りて遂にリギアの居所を突き止めました。
       ウィニキウスは力ずくでリギアを奪おうとしたのですが、その企みはキリスト教徒達によって阻止されて失敗し、ウィニキウスも負傷してしまいます。

       もはやここまでと観念したウィニキウスは自分を殺すように言うのですが、キリスト教徒達はウィニキウスに赦しを与え、その傷の手当てをしてくれたのです。
       ウィニキウスは、リギアを見つけたキリスト教徒達の集会で聞いた使徒ペテロの説教を思い出し、不思議な思いにかられます。

       その後、ウィニキウスは徐々にキリスト教の教えに惹かれていき、もはや今までのローマの愉しみなど何の価値もないと思うまでに至りました。
       リギアも、信仰を持ち始めたウィニキウスに心を許し、もともと好ましく思ってもいたものですから、その気持ちを愛にまで高めていったのでした。

       ウィニキウスは、これまで自分が力によってリギアを奪おうとしたことは誤りであると気付き、リギアを尊び、崇拝し、愛することを心から誓うようになり、リギアもその思いに応えたのです。
       そして二人の思いは使徒ペテロにも祝福され、ウィニキウスは皇帝のアンティウムへの旅行の随行から戻ったら洗礼を受け、正式にリギアを妻に娶ることを誓いました。

       一方のネロですが、芸術を愛したことは史実のようですが、本作ではそれは滑稽な独りよがりと描かれます。
       もっとも誰もネロに対してそんなことを言うことはできないのですが。
       そして、ネロは、「自分はトロイアのように都市が燃え滅びるのを見たことがないからすばらしい詩作ができないのだ」と嘆くのです。
       そんなネロに対して、側近のティゲリヌスは密かに耳打ちをするのでした。

       ネロがアンティウムに滞在していた夜、急使が駆け込んで来ました。
       「ローマが燃えています!」と。
       ネロは、「今すぐ出発すればその火事を見物するのに間に合うだろうか?」などと言う始末。
       そして、悲劇役者を呼び入れ、火事を見る際にはどのような嘆きのポーズを取れば良いかを相談し始めるのでした。

       火事の知らせを受けたウィニキウスは、ローマにいるリギアを救出すべく馬を疾走させました。
       しかし、ローマから逃げてくる群集に押し戻されなかなか近づくことができません。
       ようやくリギアが身を寄せていた家にたどり着いたものの、そこには既に誰もいませんでした。
       煙と炎にまかれながらかろうじて逃げ出すウィニキウスですが、意識も薄れていき遂に倒れてしまいます。
       そんなウィニキウスを助けてくれたのはキリスト教徒達でした。
       そして、ウィニキウスをリギアやペテロのもとに連れて行ってくれたのです。

       ウィニキウスは、リギアやペテロ一行に対して、自分の領地に避難して欲しいと申し出ました。
       そこには他のキリスト教徒達にも来てもらい、自分の領地をキリスト教の国にすれば良いと言ったのです。
       しかし、ペテロは、ローマで苦しんでいる人々がいるのに自分たちだけが逃げることはできないとこの申し出を断りました。
       ウィニキウスは、ここに至り己の心の狭さを思い知らされ、ペテロの言葉に従いました。
       この時、ペテロはウィニキウスに洗礼を施し、ウィニキウスは正式にキリスト教徒となったのでした。

       さて、大火事が収まったローマは悲惨な状態になっていました。
       市街の大部分が焼き払われ、略奪、暴虐の限りが尽くされ、人々は飢え、苦しんでいました。
       人々の話では火をつけて回った者達がいたというのです。
       火を消そうとすると「これは命令だ。火を消す奴は殺すぞ!」と剣をふるわれたと言うのですね。
       ネロが火を放った……。

       ローマに戻ってきたネロ達も市民達の不穏な空気を感じ取っていました。
       このままでは叛乱が起きる、殺されると。
       ネロは、キロンとティゲリヌスの言を容れ、火を放ったのはキリスト教徒であると己の罪をなすりつけることにし、キリスト教徒の捕縛を命じたのです。

       さて、中巻に入り、史実に名高いローマ大火災が描かれました。
       実際にネロが火をつけたとまでは史実上認められているわけではないようですが、幾多の物語でそのように語られていますよね。
       そして、歴史上、ネロがローマ大火災の責任をキリスト教徒になすりつけて弾圧したことは事実のようです。

       本作は、そんな歴史をなぞりながら、ウィニキウスとリギアの愛を描いていくわけですね。
       あぁ、ウィニキウスは信仰に目覚め、洗礼を受けて正式にキリスト教徒になったばかりだというのに、今度は弾圧が待っているというのでしょうか?

       下巻を読了したら引き続きレビューいたします。
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      2019/10/10 by

      クオ・ワディス〈中〉」のレビュー


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