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古寺巡礼 (岩波文庫)

著者: 和辻 哲郎
カテゴリー: 芸術史、美術史
定価: 798 円

大正七年の五月、二十代の和辻は唐招提寺・薬師寺・法隆寺・中宮寺など奈良付近の寺々に遊び、その印象を情熱をこめて書きとめた。鋭く繊細な直観、自由な想像力の飛翔、東西両文化にわたる該博な知識が一体となった美の世界がここにはある。

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      岩波書店 (1991/01)

      著者: 和辻哲郎

      • 評価: 5.0

        (中宮寺の思惟観音像について)
        --私達はただうっとりとして眺めた。心の奥でしめやかに静かに止めどもなく涙が流れるというような気持ちであった。ここには慈愛と悲哀との杯がなみなみと充たされている。まことに至純な美しさで、また美しいとのみでは言い尽くせない神聖な美しさである--

        --およそ愛の表現としてこの像は世界の芸術の内に比類の無い独特なものでは無いか--

        --愛らしい、親しみやすい、優雅な、そのくせいずこの自然とも同じく底知れぬ神秘を持った我が島国の自然は、人体の姿に現せばあの観音となるほかはない--


        仏教界では、苦に満ちたこの世、此岸と、そうした苦しみや煩悩から解放された世界、彼岸の間に、一筋の、しかしとても大きな川が流れているようです。

        彼岸に渡れ、とは釈迦の言葉。
        此岸から彼岸に渡る船を漕ぐ仏僧。
        修行僧が自力で、自分一人乗れる船で渡るのが、小乗。
        衆生と共に渡る大きな船を用意するのが、大乗。

        そして、衆生の苦しみの声を、遍く拾い救うのが観音菩薩。

        大乗の精神は、浄土真宗(蓮如)で完成されたと個人的には感じています。
        阿弥陀仏と言うだけで、否、言わずとも、一切衆生を救うのが仏の精神。
        救われたいと、思った時に初めて救われるのではなく、既に救われている自分を自覚する契機が、念仏の一言に過ぎないと。

        いささか都合が良いように聞こえる気もしますが、我が子への親の愛を考えれば深く頷ける精神です。
        我が子が、どっちを向いていようとも、親を忘れようとも、常に親は子を見続けています。
        我が子が、苦しみにぶつかり助けを求めたとき、その手を差し伸べない親はないでしょう。

        その慈愛の精神を、仏像として完成させたのが、あの中宮寺の思惟観音菩薩像、と、和辻はうたいますし、私自身、間近で観て圧倒され、深く頷く次第です。

        はじめて、仏像を観て、美しいと感じました。
        時間を超えたどこかに連れて行かれたような感覚で、見とれ続けた記憶があります。


        非常に味わい深い和辻の古寺巡礼の名著、法隆寺の回は何度もありながら、最後にこの思惟観音への一筆で終わるところも心を打ちます。

        繰り返し行きたい名刹です
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        2018/06/07 by

        古寺巡礼」のレビュー


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