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南無阿弥陀仏―付・心偈 (岩波文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 柳 宗悦
定価: 972 円
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    「南無阿弥陀仏―付・心偈 (岩波文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      --だからこう言い改めて良い。与えられているので求めるのだと。呼吸するために空気を求めるというより、空気があって呼吸するようになったと・・・「叩けよ、さらば開かれん」というが・・・開かれている扉を叩くに過ぎぬ--


      文化庁発行の宗教年鑑を見ていて気づいたのですが、大きくは13とか18宗派とか言われる日本仏教において、信者数、拠点数とも浄土宗(系)が圧倒的です(シェア4割強)。

      ※H28年宗教年鑑:信者数、寺院数
      仏教系合計 5200万人、7.5万
      浄土宗系 2300万人、3.0万
      日蓮宗系 1200万人、0.7万
      真言宗系 900万人、1.2万
      禅宗系 500万人、2.1万
      天台宗系 300万人、0.5万
      奈良仏教系 100万人、0.03万

      理由を想像するに、やはり、教えの分かりやすさと行いのし易さに尽きるのではと感じます。

      念仏さえ唱えていれば極楽浄土に行ける。

      難しい理論は不要。
      鎮護国家に意義があった奈良仏教、平安仏教は理論的で難解であり、体制側に鎮護が不要になるにつれ影響力を落としたことは頷けます。

      禅も同じで、武家社会に受け入れられたことから鎌倉以降に隆盛しますが、考案や禅問答の難解さ、悟りの要諦は文字では伝わらないとの扱いにくさが信者離れに繋がったと思われます。ちなみに禅系の中でも、考案重視の臨済宗よりも、考案不要でひたすら坐禅を尊ぶ曹洞宗のほうが、庶民には受け入れられたそうです。ひたすら坐禅は「行い易く」はないですが、「分かりやすく」はあったのだと思います。

      浄土系の次に信者が多いのは日蓮宗系。
      これも、題目(南無妙法蓮華経)を唱えることが行いの本懐、と、「行い易い」。ただ、理論は奈良仏教の華厳宗や天台宗を継いでいることあり、教えは難しい。これが信者数や拠点数の点で、浄土系と明暗を分けた点ではないかと感じます。


      「阿弥陀仏さま、阿弥陀仏さま」と一心に唱えていれば、死期に阿弥陀仏が来迎し、極楽浄土に連れ給う。男女や貴賤の差別無く、難しい行いも悟りも必要ないとの絶対他力。なぜなら阿弥陀仏さまは偉大で、誰は救う誰は救わないとの卑小な差別は致さない。

      理論は分かりやすいし、行いはし易い。これなら確かに広まるだろうと。


      「それって、ママー、ママー、と赤ちゃんが叫んだらママが来てくれる、ってのと一緒じゃないの?」
      と、我が妻などは言うわけですが、確かに言いえて妙と感じます。
      仏の愛と親の愛、かなり似ているように思います。

      我が子ならば、凡人でも悪人でも病人でも性別不詳でも、その愛は変わらず何がどうでも助けます。ママ、パパ、と呼んでくれたら手を差し伸べますが、呼ばれる前からずっと見守っているわけです。

      そう思うと、扉は叩く前から開かれていて、開かれた扉を叩くとの念仏思想、深く納得です。浄土宗系への理解と親しみが深まりました。

      本著は情熱溢れる一冊で、その点でも単なる教書とは異なり、とてもよかったです。
      さすが、岩波のこの一冊、です。
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      2017/08/18 by

      南無阿弥陀仏―付・心偈 (岩波文庫)」のレビュー


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