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貧困大国アメリカ ルポ

4.4 4.4 (レビュー1件)
カテゴリー: 社会病理
定価: 735 円

貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。

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    「貧困大国アメリカ ルポ」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      オバマ政権が誕生する前の、ブッシュの時代に書かれたものだけれど、とても考えさせられる。
      民営化してはならないものがあること。
      市場化の結果としての、危機管理も医療も教育も、悲惨な状態のアメリカの現実。

      日本はこうなってはならないと思うけれど、この方向に行ってしまってるかもしれないと読んでいて思った。

      著者は、「経済重視型の民主主義」と「いのちをものさしにした民主主義」の二つの違いと対立を指摘している。
      つまり、新自由主義の市場主義と、民営化してはならない領域については人権を重視する姿勢の二つである。
      おそらく、日本は、この二つがいませめぎ合っている状態なのだと思う。
      いまSEALDsがやっているのは、後者の立場からの前者へのプロテストなのかもしれない。

      この本には、経済的な苦境のために軍隊に志願せざるを得ない人々の様子が詳細に描かれていた。
      安倍政権が労働環境の改悪と安全保障関連法案を同時に進めるのは、単に偶然ではないのかもしれない。
      アメリカ式のそうしたシステム、苦境に陥った人々が結果として軍隊を志願せざるを得ないシステム、つまり「経済的徴兵制」の導入のためと考えると、わりとすんなりとこの二つがセットである理由がわかる気はしてくる。
      うがち過ぎた見方だろうか。
      しかし、この本を通じてアメリカの現実を見ていると、どうにもそんな近未来が心配されてくる。

      この本の中に紹介されている、子どもの医療費のために借金を抱えたトラック運転手が、その返済のためにイラクで輸送の仕事をし、兵隊にはペットボトルが渡されるが運送業者は現地の水を飲まされ、劣化ウラン弾に汚染された水で白血病にかかったという事例は、悲惨過ぎて言葉を失う。

      日本も安倍政権のもと、雇用環境の劣化と軍事行動の範囲拡大が進めば、自衛隊の行動にあわせて、アメリカのようにトラック運転手等が民間会社によって戦地に送りこまれ、悲惨な死や病気に陥る、ということも近い将来にありえるのかもしれない。

      杞憂に終わればいいのだけれど。
      日本の将来について考えさせられる、2000年代のアメリカの現実についての本だった。
      多くの人に、あらためて一読をおすすめしたい。
      >> 続きを読む

      2015/07/22 by

      貧困大国アメリカ ルポ」のレビュー

    • > 日本の将来について考えさせられる、

      確実に格差社会が広がっているのを感じるだけに、日本について考えざるを得ませんよね... >> 続きを読む

      2015/07/22 by ice

    • <iceさん

      コメントありがとうございます。
      日本は、アメリカがやって失敗だったと思われる道は、なるべく避けたいですよね。。 >> 続きを読む

      2015/07/30 by atsushi


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