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告発・現代の人身売買

奴隷にされる女性と子ども
3.5 3.5 (レビュー1件)
カテゴリー: 社会病理
定価: 2,625 円
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    「告発・現代の人身売買」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

       アメリカのリンカーン大統領が奴隷解放宣言を出したのは1862年であり、人類の歴史の中ではそれほど昔ではない。ちなみに日本では明治維新が起こり、元号が「明治」に改元されたのが1868年である。

       少なくとも現代社会では「合法的な」奴隷制度は無くなり、一般的には奴隷は禁止されているというのが常識となっている。

       しかしながら、違法行為だからといってそれが全くなくなったわけではないことは言うまでもない。

       現代でも人身売買というものは行われている。もちろん昔のように奴隷市場があるわけではないが、金を出せば何でも買えるいわゆる闇市(ブラックマーケット)には、人間もまた取引の対象となる。そこに人権などない。

       人身売買と言えば発展途上国や紛争国を想像される方もいるかもしれない。確かに本書で紹介される人身売買の多くは途上国が舞台となっている。だからといって先進国が全く関係ないわけではない。

       本書の序章ではアメリカ合衆国における人身売買が紹介されている。具体的にはアジアやアフリカなどの外国から子どもや少女を「輸入」して、家事労働や性的な奉仕などをさせていた事例が紹介されている。

       かつての奴隷、たとえばアメリカ南部の綿花農場で働かされていた奴隷には、屈強な男性が求められた。しかし今の人身売買の対象とされるのは、小さな子供や若い少女たちである。若い少女たちは売春の「商品」として、少年たちは工場の労働力、紛争地では兵士として売られたり、誘拐されたりする。

       もちろん大人の人身売買が無いというわけではない。ただ、現代の人身売買の特徴としては力のある大人たちではなく、力の無い女性や子供たちを対象にすることが多い。

       それは、生活力の乏しい子供や女性ならば、逃亡や反抗の危険性が少ないからだという。

       こういった人身売買を可哀想とは思うけれど、外国の話なので自分たちには関係がないと考える人もいるかもしれない。しかし、先述したようにアメリカやヨーロッパでも人身売買で買われてきた人たちがいるのである。

       経済や社会がグローバルになった分、国際的な非合法取引、人身売買だけでなく違法薬物や武器などの取引も活発化している。世界全体で進む極端な富の偏在(いわゆる貧富の差)もそういった違法取引を助長させる要因となっているのだ。

       日本も例外ではない。日本社会は国際的に見ると子供や女性の人権侵害疎い部分があるといわれている。歓楽街で働く外国人女性のうち、一体どれだけの人が「合法的」に入国しているだろうか。また、たとえ合法的であったとしても(外国人妻など)、夫婦関係の不和などで苦境に立たされる人も少なくない。

       経済的な問題は「自己責任」で切り捨てる人も日本では多いが、生活力の弱い女性や子供たちを見捨てていたら、暴力団やマフィアの食い物にされることは目に見えている。実際障碍者やお年寄りの年金やホームレスの生活保護を奪い取る違法組織の手口は何度も報道されているだろう。

       現代社会は昔とは違う。世界は常に変わってきている。未来を担う子供や女性たちをいかに守り、いかに正義を構築していくか。これは国に関係なく、あらゆる人たちが考えなければいけない課題ではないだろうか。
      >> 続きを読む

      2015/08/17 by

      告発・現代の人身売買」のレビュー

    • 非常に考えさせられるレビューでした。

      いわゆる裏社会を舞台にした作品が好きなことも有って、考察にもリアリティを感じました。 >> 続きを読む

      2015/08/17 by ice


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