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物語のおわり

3.9 3.9 (レビュー4件)
著者: 湊かなえ
定価: 1,512 円
いいね! moonchild

    「物語のおわり」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      小説家としてなかなか成功している湊かなえさんだからこそ書けるお話だと思った。
      「劇中劇」ならぬ「なに?中なに?」になるんですかね(^_^;)
      おもしろい連作になっています。
      若干、中だるみもありますが(;´Д`)
      北海道サイクリングのくだりには「おっ?」と思いながら読んでしまいました。
      北海道走りたいな~

      「すずらん特急」のドラマ化の折には原作の印税?みたいのは入らないのかな?

      (amazon解説)
      妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……
      様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで受けとるのはひとつの紙の束。それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。

       山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。
       ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。
       婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか……

      ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。
      湊かなえが描く、人生の救い。
      >> 続きを読む

      2018/09/20 by

      物語のおわり」のレビュー

    • 評価: 4.0

      山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。
      ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。
      婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか…。
      ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。

      朝日新聞出版「小説トリッパー」誌に2012年春から2014年春に亘って連載されていたものへ、単行本化にあたって加筆・修正をおこなったものです。

      デビュー作『告白』のイメージが強烈すぎて、人間の暗部を描いたミステリ、いわゆるイヤミスなるジャンルの頂点と思われがちな著者ですが、他の多くの作品を読めば、それが誤解、妙な思い込みであると気づきます。
      湊さんの作品はハッピーエンドが多く、登場人物を不幸にしたまま物語が終わるというのにはなかなかお目にかかれない。
      『告白』だけをお読みになって湊さんを“イヤミスの女王”と仕分けてしまっているような方には、ぜひ本作のような心あたたまる小説も手に取っていただいて、ご認識をあらためていただきたいと思いました。

      「空の彼方」という一編の短編小説が織り成す人間模様を描いた連作短編集です。
      この未完の短編小説は、まず北海道へ向かうフェリーの中で、それを最初に持っていた少女から、出産を間近に控え、胸の奥に深い思いを秘め最後のひとり旅に出ていた三十五歳の妊婦の手へと渡りました。
      彼女は、ちょうど二十年前、十五歳のとき、両親とこの同じ航路のフェリーに乗り、北海道へと旅行した思い出がありました。
      当時、テレビ局へ勤める両親はとても忙しく、家にいることさえも珍しい日常のなかで、唯一と言っていい家族旅行の思い出でした。
      父親が突然「北海道に行くぞ!」とマンションの玄関を入ってきたなり大声で宣言したときのことは、とても嬉しい記憶として未だに残っていました。
      楽しい旅行を終えたその年の暮れ、父親は癌でこの世を去ります。
      人生さいごの家族旅行に、父親が忙しい合間を縫って、北海道の素晴らしい自然を体感させてくれた、素晴らしい景色をみせてくれた。
      彼女にとって、北海道への船旅には格別の思い入れがあったのです。
      だから、はじめての、自分自身がつくる“家族”とも同じ旅をしてみたい、彼女はそう思ってひとり(正確にはお腹の中の子とふたり)フェリーに乗ったのです。
      理解ある旦那さまとは現地のホテルで落ち合う予定。
      明け方、船首から水平線の向こうにほのかに見え始めた朝日に、たくさんの人々がデッキで感嘆の声を上げ、そして厳かに静かになってゆく…彼女は、その人々に混じり、亡き父親へと思いを馳せます。
      実は、彼女も、父親と同じ癌にかかっていました。
      わかったのは妊娠を知った後で、出産を諦めてすぐに化学療法を行えば命の危険性はぐっと低くなるという診断を受けていました。
      彼女は自分自身のみならず、夫や、自らに宿った新しい命を前に、究極の選択を迫られます。
      子どもを諦めて、自分が助かり、新しい子どもを授かる。
      子どもを諦めて、自分が助かり、新しい子どもは授からない。
      子どもを諦めて、自分も死ぬ。
      子どもを産んで、自分が死ぬ。
      子どもを産んで、自分も助かる。
      きっと、正しい答えを出すことはできないのでしょう。
      時間とともに運命は流れ、行く着いた先でふり返ってみた時に、選びとった答えの正しさの程度を測るくらいのことしかできないのでしょう。
      涙がとまらない彼女にさしだされた、終わりのない短編小説。
      渡してくれた少女の佇まいにも感じるところがあり、彼女はすぐに読み終えます。
      人生の選択。
      自分をとりまく人々との繋がり。
      フェリーが港へ到着したとき、遠く想っていた過去を振り払い、明日へと、未来へと確かな一歩を歩みだした彼女の姿がありました。
      そして、その小説の原稿は、彼女からまた自分の生き方に疑問を抱いき、生き迷っている若者の手へ。
      さらに、一人毅然と生きてきたキャリアウーマンの手へ、娘の進路に悩む中年男性の手へ。
      一編の小説が救う人それぞれが誰しもぶつかる人生の選択の正誤。
      そして、歩んできた道のりを振り返ったとき、フェリーの船尾から見た水面にのこった航跡のように、はじめくっきりと形どられていた波が淡々と消えて大海原と一体化してゆくさまに、人は何を思うのか。


      序章から一編の短編小説というアイテムを繋げて、様々な人生模様を描きつつ、最後にはもとの短編小説に還ってくるという構成。
      一見して、ありがちな連作短編の手法ですが、こういうありふれた構成こそ、しっかりとした一冊の小説として成立させるには、それ相応の技術と、能力が試されると思います。
      その点、湊さんはさすがの安定感です。

      先日は、テレビのスマップの中居さんがМCのバラエティ番組に出てらっしゃいましたが、お話しされることは至って普通でした。
      物語好きの、普通の主婦の方。
      そういう素顔も、好感が持てる一因かもしれません。
      >> 続きを読む

      2016/03/10 by

      物語のおわり」のレビュー

    • >jhmさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      小説に定番は無いのかもしれませんが、湊さんがお書きになる作品は、いつかどこかで読んだようなテーマであったり、人間関係であることが多いです。
      これは、湊さん自身の数多の読書遍歴によるものであろうと、僕的には思ったりするのですが、言い換えると、主軸がなく作品の焼き直しに近いという評価にもなってしまったりしますね。
      次に読むのは、比較的、出版が新しめの方がオススメです。
      >> 続きを読む

      2016/03/10 by 課長代理

    • >月うさぎさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      『花の鎖』は、それこそ、これから読もうと思って積んであります。
      あと、『リバース』と『高校入試』、最新作『ユートピア』を読めば、完読みです。
      女性作家さんはエンタメもハズレをひく確率が少なくて、いいです。
      男性作家さんは出来不出来のブレが大きく、あと円熟期が短い(というか女性作家のいい時期が長いと思います)。
      個人的には『告白』を読まずとも、湊さんの場合、全然OKかと思いますけどね。
      『豆の上で眠る』とか、『山女日記』とかがいいと思うんですが…。
      >> 続きを読む

      2016/03/10 by 課長代理

    • 評価: 5.0

      山間の町で夫婦でパン屋を営む両親は忙しく、一人娘にかまう余裕もなかったため、絵美はただぼんやりと山の向こうにある世界を想像しながら時間をつぶしていた。そしてある時転校してきた同級生に、空想物語を話して聞かせた所とても面白いと言われた。そして物語を書く事を薦められた。
      「空の彼方」と題された未完成の原稿・・。萌という少女から船の上で最初に受け取ったのは、妊娠3カ月の時に直腸癌と診断され今後の決断をしなければならない迷いのある女性だった。
      そして、未完成の原稿は、受け取った人の思いと重なり迷いを決断できる切っ掛けになっていく。未完成の原稿は、旅先で出会った人々に手渡されていく。
      誰が書いたのか?なぜ未完成だったのか?本当の結末はどうだったのか?は、最後に明かされます。
      人生には決断という場面がたくさんありますが、どちらにしても自分で納得できる人生であればいいなぁ~と思います。
      選んだ人生を精一杯生きていきたいと思います。
      湊かなえさんの本としては、珍しい感じの暖かくなるような本でした
      >> 続きを読む

      2015/01/11 by

      物語のおわり」のレビュー

    • 湊かなえさんといえば後味悪いミステリーのイメージが強いので意外です。人生の決断は怖い時もありますが、自分の人生だから自分できちんと決めて、しっかり歩んでいきたいですね! >> 続きを読む

      2015/01/12 by chao

    • 評価: 4.0

      結末のない小説「空の彼方」という物語を受け取った人々。
      その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと結びつけ…。

      ◆パン屋の娘が夢を追って東京へ行くか、平穏な生活の故郷へ残るのか…という「空の彼方」という小説の原稿。
      船で北海道へ向かう妊娠した女性、写真家の夢をあきらめて故郷へ戻る青年など次々に渡って行きます。
      受け取った人は自分なりにその物語を結末を考えます。
      それぞれが自分に重ねあわせ、そして抱える悩みがそこに反映されています。
      北海道の観光地を巡りつつ、その物語の行く先、物語のおわり。
      白湊かなえ作品で、明るさを感じる作品でした。
      物語の受け取り方は色々ある…実感しているけれど、実際にそれを目の前に広げてもらえたところが個人的にはとても好きです。
      受け取った人々のその物語も気になるのだけど、ここはその終わりも、きっと素敵なものであると私も想像させてもらおうっと。
      >> 続きを読む

      2014/12/02 by

      物語のおわり」のレビュー

    • iceさん>
      イルカさんに「雨の物語」というのがあるのですね。
      素敵な歌詞ですね~。

      2014/12/03 by むつぞー

    • まりこさん>
      湊かなえ作品はデビューがダークな「告白」で、そのイメージが強いですよね。
      ダークな作品が多いけど、暖かな作品も意外とあるんです。
      「黒湊かなえ」と、後味の良い「白湊かなえ」と個人的に思ってます。
      >> 続きを読む

      2014/12/03 by むつぞー


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