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斎藤家の核弾頭 (朝日文庫)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 篠田 節子
定価: 713 円
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    「斎藤家の核弾頭 (朝日文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

       高度管理社会となった日本の近未来。
       裁判のコンピュータ化により職を失った最高裁の裁判官・斎藤総一郎は、地上げ屋の嫌がらせに抵抗しているうちに、成り行き上話が大きくなっていき、ついには国家に対して独立宣言をすることに……。
       1997年に書き下ろしされた長編小説ですが、2016年現在の日本にも通じるキーワードをそこかしこに見つけることができます。
       豊洲市場移転問題、沖縄高江問題、国民総背番号制、原発問題、核による軍拡競争、優生学、その他ジカ熱やはしか問題など……。
       その他何が読み取れるのか、挑戦してみるといいでしょう。
       例えばこの小説では、有毒ガスで汚染された成田の飛行場跡や放射能で汚染された原発跡地に盛り土をして、国家にとって不要となった国民を実験動物として住まわせるのです。
       豊洲市場移転問題や原発事故地域への強制帰還を思わせます。
       大友克洋『AKIRA』が東京オリンピックを予言していた、と話題になりましたが、本作品も、未来を予見していると思います。
       2011年の大地震の記述もありますから。
             
      『AKIRA』の予言は「2020年東京オリンピック」だけではなかった!
        http://tocana.jp/2014/02/post_3594.html
               
       本作品はあらすじだけを読むと、コメディタッチで楽しめる物語かと思ってしまうのですが、なかなか重苦しい物語で、気分爽快とはいきません。
       そもそも高度に進んだ管理社会で国家に抵抗するのは、大変なことです。
       公民館に集まった近所の仲間も烏合の衆です。
       一致団結して大いに戦おう!なんてハリウッド映画のような展開にはなりません。
       私のイメージとしては、『1984』や太平洋戦争の日本軍の戦記などと同じ、重苦しい読書でした。
       そもそも先頭に立って戦う指揮官・斎藤総一郎に共感できません。
       私が総一郎の妻・美和子さんなら、早急に見限って実家に帰るか、有賀さんに頼み込んで連れて行ってもらうと思います。
         
       本作品には単行本版、朝日文庫版、新潮文庫版があります。
       朝日文庫版の解説は斎藤美奈子さんです。
            
       なお、ネタバレブログでは、本作品に描かれた男系・女系問題について論じています。
       そういえば本作品では天皇制についての記述はありません。
      (皇居も皇族も存在し、元号が使われているのだから天皇制が存続していることは確実です)
       なお、物語は2075年(成慶58年)の出来事となっています。
       計算すると、成慶元年は、2017年ということになります。ムムム……。
         
      OLDIES 三丁目のブログ 
      ■[日々の冒険]斎藤家の核弾頭 篠田節子
        http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160928/p1
        
      少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
       斎藤家の核弾頭 篠田節子 ネタバレ感想会
        http://sfclub.sblo.jp/article/177059584.html
      >> 続きを読む

      2016/09/29 by

      斎藤家の核弾頭 (朝日文庫)」のレビュー

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