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核に縛られる日本 (角川新書)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 田井中 雅人
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    「核に縛られる日本 (角川新書)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      【2017年7月、「核兵器禁止条約」が国連で賛成多数で採択された。1945年の広島、長崎への原爆投下後、核兵器を違法とする条約が国連で採択されるのは初めてである。この採択で、核時代の転換点が訪れたが、日本は唯一の被爆国でありながら不参加を表明した。〈核の傘〉に居続けるとはいえ、なぜ独自の立場を貫くことができないのか。「風下の視点」から最前線で取材してきた著者が、新聞には書けなかった核をめぐる日米外交の舞台裏・秘話に触れながら、核兵器廃絶に向けて、日本がとるべき道を問いかける。

      序 章 核兵器禁止条約交渉 日本不参加の真相
      第1章 原爆は日本人に使おう ルーズベルト 
      第2章 原爆使用に悔いなし? トルーマン 
      第3章 それでも原爆に救われた 核の神話 
      第4章 オバマが広島にやってきた 和解を演出する日米 
      第5章 勝利の兵器と風下の人々 
      第6章 核の桃源郷と負の遺産 
      終 章 核時代を終わらせるために 日本がとるべき道   】



      堤未果さんの「核大国ニッポン」も日本人として勉強になったけど、この本も非常に勉強になった。特に、核開発、核政策の歴史がよくわかった。日本はアメリカの核の歴史に学ばなければいけないのに、ジャイアンアメリカにいい顔をして、のび太を無視するスネ夫になっているわけですね。

      核兵器の「非人道性」を正面から問う核兵器禁止条約に向き合わないということは、核兵器で犠牲になる生命を無視しているということになりますよね。他人事です。

      日本はすでに核大国で、核発電所もアメリカから買ってアメリカの言うように頑張ってる。どうも与党は核発電を止める気はないみたいだし。日米共同で核政策を進めてきたわけだね。軍事、軍需産業、自国(米国)に有利な外交・・・。一番はお金?

      もう安保条約を改正して、核の傘を放棄したら?・・・て言えば、核抑止力がどうたらとか、集団的自衛権とか。しかも、日本も核武装を、なんてチラチラ考えてるようだし。核自体が危険で、非人道的なのに。どの口が”キタは核開発やめろ”なんて言ってるのかね?説得力ゼロじゃね?そんな日本に言われて、大人しく言うことを聞くようなキタかな?(ていうか、スネ夫は黙ってろ? 日米の”上から目線”が問題を大きくしてる。お互い様、平等なんだという目線が必要では?)

      核抑止力よりも、「慈悲喜捨抑止力」。
      腹をくくったらどうかねえ、臆病者なんだなあ…。どうせ人間、いつかは死ぬのよ。人を酷い目に合わせて死んじゃだめでしょ?

      アメリカは原爆投下を正当化できません。パールハーバーも日本の国家的テロ行為(太平洋戦争)も理由にならない。日本は日本でどれひとつとして正当化できません。一つの一つの行為について、それぞれに業があるのですから、別々に、全部それぞれ責任があります。イッショコタにしてはいけない。(他人のしたことしなかったことを見るな。ただ自分がしたことしなかったことだけを見よ)

      原爆投下しなければ本土決戦になりアメリカ兵100万、日本も1000万人が犠牲になった???という「神話」(実はソ連が参戦するというので、その前に原爆を使いたかった?原爆はソ連へのメッセージ?)。人間は数字じゃありません。現実を、一人一人の命をちゃんと見るべき(トルーマンは原爆を後悔していた)。

      根っこは「ナショナリズム」。つまり、人間の「エゴ」「自己中心性」。「欲」。「恐怖心」。

      アメリカにも「神話」についての賛否両論、色々あるようです。エゴ(自分かわいさ)を脇に置いて、客観的に物事を見ようとする人がいるのは救いです。(どの国にもいる)

      オバマさんの広島訪問に「演出(シナリオ)」や米国世論への妥協があったのは仕方がないけどちょっと残念。それと既存の核兵器を近代化するための計画に向こう30年で1兆ドルの予算をつけていた、という事実。なぜでしょうか?核をなくそうという方向性(信念)は変えてないと思いたいなあ。

      日本政府に、核=放射性物質であるという認識はあるのかないのか、やっぱり他人事?。(自分が死んだ後の人間や生命のことまでは知らん?)

      「広報戦略の4段階」も参考になる。(よく聞くね~^^;)
      1.自然化。「放射線は太陽のような物。元々自然界に存在する。だから大丈夫」
      2.対抗研究。「放射性物質のせいだ」という研究発表に、別の学者を買収して「証拠がない。まだわからない」等と言わせる。
      3.健康被害を訴える人自身のせいにする。「恐れすぎ。食生活やアルコールの方が問題」とか
      4.先端研究に投資し結論は先延ばし。「放射線と人体との因果関係はわかっていない」

      年間被爆許容染量を上げて(1→20msv)、”安心です、もう心配ない”と住民を帰還させる政府。(フクシマ原発事故)

      核開発の「ハンフォード施設」。ちゃんと除染できないまま国立公園にして”自然豊かな…”とかなんとか。ここで長崎の7000発分のプルトニウムが量産され、高レベル放射性廃液が25mプール400杯分地中に漏れ出た。危険性に疑問を持ち”内部告発”すればクビになる。どこの国もね・・・。

      アメリカに学びましょう。

      人間は、色々な物に縛られて生きてるわけだけど、学ぶこととよりよく生きることはあきらめたくないなあ。死ぬまでは。



      対人地雷禁止条約やクラスター弾禁止条約に、米国の反対を抑えて日本は署名・批准に踏み切った(小渕恵三外相、福田康夫首相の政治決断)。同じ敗戦国のオーストリアは永世中立国の道を選び、核兵器を持たないことを国家条約で誓った。憲法で核兵器を禁じている。核の傘なんて、もたない国はいっぱいある。日本だってやってやれないことはない、と思います。
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      2017/12/11 by

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