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城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)

著者: 志賀 直哉
カテゴリー: 小説、物語
定価: 420 円

"秤屋ではたらく小僧の仙吉は、番頭たちの噂話を聞いて、屋台の鮨屋にむかったもののお金が足りず、お鮨は食べられなかった上に恥をかく。ところが数日後。仙吉のお店にやってきた紳士が、お鮨をたらふくご馳走してくれたのだった! はたしてこの紳士の正体は......? 小僧の体験をユーモアたっぷりに描く「小僧の神様」、作者自身の経験をもとに綴られた「城の崎にて」など、作者のもっとも実りの多き時期に描かれた充実の作品集。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved"

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      角川グループパブリッシング (2012/06)

      著者: 志賀直哉

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      • 評価: 4.0

        この白樺派を代表する作家で、客観的な写実による簡潔な文体で、独特な格調をもつ作品が多い志賀直哉----。

        彼の小説では「暗夜行路」だけしか読んだ事がなかったので、いつか読もうと思って本棚の奥で眠っていた短編小説の「城の崎にて」を、今回、じっくりと時間をかけて精読してみました。

        この短編小説は、志賀直哉が山の手線の電車にはねられ、その後、退院して城の崎三木屋に投宿していた時の体験をもとにして、書かれたと言われています。

        主人公(作者)は山の手線の電車にはねられ、治療のために但馬の城の崎温泉に来ています。そして自分の怪我から死のことを考え、死に親しみを感じ初めてきています。

        このような心境の主人公が城の崎滞在中に、読書に疲れたりすると、宿の二階の欄干から"はち"の出入りを眺めたりしています。そして、ある朝、一匹のはちが死んでいるのを見つけます。

        はちの死を冷静に観察しながら、作者は「それがまたいかにも死んだ物という感じを与える」、「それは、見ていていかにも静かな感じを与えた」、「冷たいかわらの上に一つ残った死骸を見ることは寂しかった」という心境になり、それは、やがて、「自分はその静かさに親しみを感じた」と、次第に"死の問題"を自分の側に引き付けてゆくのです。

        ここでの志賀直哉の正確な客観的描写のうまさは、彼が"小説の神様"だと後年言われるようになっただけのことはあるなと感じました。

        一匹のはちの動作を細かく観察して、本当に見た通りを書いているのがわかります。そして、そこで気付くのは、出来るだけ無駄を切り捨てて、不必要な言葉を省いているということで、特に「それは、見ていていかにも静かな感じを与えた」の次に、いきなり「寂しかった」と書かれていますが、「自分は」というような主語を置かずに、ただ「寂しかった」と書かれているのが、よく効いているなと思います。

        「城の崎にて」の主人公は、静かに死んでいったはちや、助かろうと懸命にもがきながら死んでいったねずみ、そうして自分の投げた石によって偶然、死んでしまったいもり、このような三者の生と死を見つめながら、自らの生と死の問題を静かに考えているのです。

        そして、「生きていることと死んでしまっていることと、それは両極ではなかった。それほどに差はないような気がした」というように、"死に親しむ心境"に到達するのです。

        この小説を読了した後に感じた事は、梶井基次郎の「檸檬」を読んだ後に感じたのと同じように、生と死に真摯に対峙し、そこで生きることと死ぬことの意味を静かに考える作者の澄み切った清冽な精神の在り様についてでした。

        私小説というものが、あまり好きになれず、意識的に遠ざけていましたが、今後も折りをみては、心を静かにして私小説というものとも格闘していきたいと思っています。
        >> 続きを読む

        2016/10/31 by

        城の崎にて・小僧の神様」のレビュー

      • 私も私小説が好きになれないのと、志賀直哉には特によさを全く感じないので、
        志賀をお手本にしている「近代日本の純文学」から遠ざかってしまいました。
        〉本当に見た通りを書いているのがわかります。
        それがつまらないのですよね。
        技巧的にはdreamerさんのおっしゃるように巧いのでしょうね。でも私は作家ではないし…。
        子規も「写生」を重視しますが、彼の観察は画家の眼なんですよ。写真じゃない
        まちがいなく彼目線で世界を構成しています。
        有名な蜂の描写も、確かに目に浮かぶようにリアルなんですが。それがどうしたって感じがして。
        屍骸を見て自らの死を想うって発想にも意外性は無いですよね。
        作家が書かずにいられなかったソウルがこの小説にあるのか。
        それが私には伝わってこなかったのでした。
        果たして私に志賀直哉のよさがわかる日がくるのかどうか。
        まだまだ修行が必要みたいです。
        >> 続きを読む

        2016/10/31 by 月うさぎ


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