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死国

3.8 3.8 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 620 円

20年ぶりに故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代里が18年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の“逆打ち”を行っていたのを知り、愕然とする。四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦るというのだ――。そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋に落ちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して……。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝記ロマン。

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    「死国」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      火葬の良いところは諦めがつくという点だと思う。肉体が滅びてしまえば返ってくることはできない…と思いきや魂魄という概念があってなという話。読後感の悪さは置いておくとして、田舎のどろどろとした人間関係、やたら女女した登場人物たち、とお腹いっぱいになります。
      消えない思いは自らを滅ぼすこともあるんだろうな。

      2019/03/16 by

      死国」のレビュー

    • 評価: 4.0

      文庫本の帯に「傑作伝奇ロマン」とありますが、この坂東眞砂子の「死国」は、確かに伝奇色は濃厚だが、純然たるホラー小説だと思う。

      タイトルの「死国」とは、四国のこと。
      この本によれば、四国は古代における祖霊(死霊)崇拝のメッカであり、それは遍路の巡礼という形をとって、現代にまで伝わっているという。

      少女時代を過ごした四国の僻地の村に傷心を抱えて帰郷した比奈子は、当時唯一の親友だった莎代里が、中学時代に事故死していたことを知ってショックを受ける。

      しかし、莎代里の母は、娘はまもなく蘇ると憑かれたように語るのだった。
      比奈子は、憧れていた同級生の文也と再会し、互いに惹かれ合うようになるが、二人の周囲では死霊の帰還を暗示する怪奇な出来事が次々と-------。

      このように幽明を越えた三角関係のメロドラマというのは、ゴシック・ロマンの昔から愛されてきた常套パターンだと思いますが、その書きぶりも、かつてのゴシック・ロマンの作家同様に、実直にして平明だ。

      けれども、作者の坂東眞砂子はそこに、祖霊崇拝と死霊恐怖という表裏一体の根深い信仰に基づく一大スペクタクルを仕掛けてみせた。

      霊場を左回りに巡る禁断の「逆打ち」と、聖域たる石鎚山の侵犯によって、四国全土が死霊復活の危機にさらされるのだ。

      このあたり、もうひと押しすれば、モダン・ホラー小説の帝王・スティーヴン・キングの「霧」を彷彿とさせるような展開になったのではと惜しまれないでもないが、そうした方向へ物語を拡散させることなく、再びメロドラマへと収束させているのは、この作品に関するかぎり賢明な選択だったように思う。

      そして、当のスティーヴン・キングをはじめとするモダン・ホラーの手法を意欲的に取り入れている点も好感がもてますね。

      >> 続きを読む

      2018/06/10 by

      死国」のレビュー


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