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アナンシの血脈 上 (角川文庫)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: ニール・ゲイマン
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    「アナンシの血脈 上 (角川文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0



      今回読了したのは、ニール・ゲイマンのファンタジー小説「アナンシの血脈」(上・下巻)。

      この物語の主人公は、ファット・チャーリー。
      何をやっても冴えない、魅力があるとはお世辞にもいえない青年です。

      そのチャーリーが、父親の葬儀で近所の老婦人ミセス・ヒグラーに「あんたの父さんは、神さまなんだよ」と告げられるところから、この破天荒な物語の幕が開きます。

      周囲の人々を魅了せずにはおかないモテモテの男の父親も、チャーリーにとっては恥ずかしいことばかりしでかす変人にすぎません。

      その父親が神さまだって?-------。もちろん、チャーリーは笑い飛ばすんですね。
      ところが、ミセス・ヒグラーは、もうひとつの驚天動地の新事実をチャーリーに告げるんですね。

      あんたには兄弟がいて、「もしあの子に会いたいんなら、クモにそういえばいい。そしたら、すぐに姿をあらわすよ」と。
      つい、酒に酔った勢いでクモに話しかけてしまうチャーリー。

      こうして、目の前に父親そっくりの性格のスパイダーが現われてからの展開は、シチュエーション・コメディさながらの面白さなんですね。

      ハンサムで、おまけに魔法が使えるスパイダーは、やりたい放題。
      チャーリーの婚約者まで奪ってしまいます。
      怒り心頭に発したチャーリーが、スパイダーを追い出すために、ミセス・ヒグラーの力を借りて異世界へと赴き、不気味な鳥女と契約を果たすも-------。

      アフリカの神話に出てくる、トンチと機転で敵を欺くトリックスターのような神さま、アナシンの血を受け継いだ男の受難を、テンポのよい筋運びとユーモア溢れる筆致で描いており、まさに愉快痛快。

      おまけにミステリの趣向まで取り込んで、サービス満点のエンターテインメントになっているのです。

      でも、それだけでは終わらなくて、著者のニール・ゲイマンは、さまざまな神話を織り込むことで、自分らしく生きるってどういうことなのかという、人生の重大事についても謳いあげてみせるのです。

      「みんな自分の歌をもっている。この世で、ほかの人がつくる歌とは違う。その歌は、その歌だけの旋律と歌詞をもっている。自分の歌がちゃんと歌える人はほとんどいない。ほとんどの人は、自分の声ではその歌の魅力を引き出せないんじゃないかと、おびえている」。

      一人の青年が、自分の歌と声を見つけるまでを描いた、魅力溢れるファンタジーロマンとしても素晴らしい作品だと思う。

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      2018/08/10 by

      アナンシの血脈 上 (角川文庫)」のレビュー


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