こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

不夜城

4.0 4.0 (レビュー3件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 700 円

アジア屈指の大歓楽街——新宿歌舞伎町。様々な民族が巣喰うこの街で、器用に生き抜いてきた故買屋・劉健一。だが、かつての相棒・呉富春が戻ってきたことから事態は一変した。富春は、上海マフィアのボス元成貴の片腕を殺し逃亡を続けていたのだ。健一は元に呼び戻され、三日以内に富春を連れてこいと脅される。同じ頃、謎の女が、健一に仕事を依頼してきた。彼女が売りたいと口にした意外なものとは——。生き残るために嘘と裏切りを重ねる人間たちを濃密な筆致で綴った危険な物語。

いいね!

    「不夜城」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0


      気になる作家のひとり、馳星周の映画化もされた「不夜城」を読了。

      この小説は、抗争に明け暮れる歌舞伎町のチャイナ・マフィアと虚無を描いたハードボイルド小説の傑作だ。
      非情な裏社会を冷徹な筆致で描き、吉川英治文学新人賞を受賞した、馳星周の衝撃のデビュー作でもある。

      劉健一は、台湾人の父、日本人の母との間で生まれたハーフだ。
      父の顔を知らず、母の愛を知らずに育った。
      日本人社会に溶け込めず、といって台湾人の社会からもはみ出し、単独で動く故売屋(密売屋)として、どうにか新宿・歌舞伎町で生きている。
      誰一人、頼る者はいない。

      彼がそうなった原因の一つは、健一の相棒だった呉富春が上海マフィアの構成員を殺し、姿を消してしまったからだ。
      その呉が、東京に戻ってきたという噂が流れた。

      当然、健一のもとに連絡があるはずだと誰もが思っていた。
      上海マフィアのボス、元成貴は、健一に命じた。
      三日以内に呉を捜し出して連れて来なければ、命はない、と。

      すると、健一の前に一人の女が現われた。
      買い取ってもらいたいものがあると言う。
      「おれは故売屋だ。金になるものなら、たいていのものは買う」---健一はそう言い、何を売りたいのか聞いた。

      女は、呉を売りたいと言った。彼女は呉の愛人で夏美といった。
      呉の暴力に耐えられないので彼を売りたいという夏美に、健一は危険なものを感じながらも、彼女に惹かれていくのだった。

      一方、呉も動き出した。夏美が元成貴に捕らえられたと勘違いした呉は、元の情婦のクラブを襲撃する。
      健一は窮地に陥った-------。

      裏切りにつぐ裏切り。誰が味方で誰が敵なのか。真の黒幕はいったい誰なのか。
      あまりにも、もろい絆。あまりにも、軽い命。

      眠らない不夜城・新宿の街で、今夜も誰かが命を落とすのだった-------。

      この小説の舞台は、闇の中国人社会。登場人物のほとんどは中国系の人々、実に新鮮な設定だと思う。
      こんな世界があったのかという驚きも、この「不夜城」の魅力だ。

      そして、これまでの日本のハードボイルド小説にはなかった決定的な特徴は、主人公をはじめとする登場人物の誰にも、感情移入できない点だ。

      嘘につぐ嘘。裏切りにつぐ裏切り。信じられるものは自分だけ。
      救いようのない世界が、そのままリアルに乾いたタッチで描かれる。
      そして、そこには希望もないし、絶望すらもないのだ。

      それまでのハードボイルド小説の主人公たちは、今から思えば前向きだった。
      主人公たちは命を狙われ、女に裏切られ、友を失くすかもしれないが、信じられる何かがあり、命を懸けられる何かがあった。

      だが、この「不夜城」の主人公には何もない。
      巨大なシステムの中で生きるしかない人間が、そのまま描かれているのだ。

      >> 続きを読む

      2018/06/13 by

      不夜城」のレビュー

    • 評価: 5.0

      再読。僕的には怖い位に「読ませてくれる」作品です。
      言うなれば鯛焼きの薄皮一枚剥がしたら鯛の形をしたあんこが出てきたというような…とにかく最初から最後まで退屈な部分がない一冊です。
      小説が実生活では得られない体験をさせてくれると言うのなら、僕がまず踏み入れたいと望むのがこのワルの世界という奴でして。
      道徳的な良し悪しなぞ脱ぎ捨てて肩まで浸かってしまうと、後はむしろ救いがなければないほど良いてな具合で、ほとほと感情をシェイクされての読了が約束される訳です。
      こんなアトラクション、TDLにだってありませんよ
      お勧め。
      >> 続きを読む

      2014/03/05 by

      不夜城」のレビュー

    • >道徳的な良し悪しなぞ脱ぎ捨てて肩まで浸かってしまうと、後はむしろ救いがなければないほど良いてな具合で、

      できるだけ、救いを求めてしまうのでダメかも知れないですが、興味はあります!
      >> 続きを読む

      2014/03/06 by ◆空太◆

    • >怖い位に「読ませてくれる」作品です。

      このレビュー拝見するとすごーく読んでみたくなります!! >> 続きを読む

      2014/03/06 by chao

    • 評価: 3.0

      新宿を舞台とした中国系マフィア闘争の狭間で揺れる男女。

      好みの設定に期待大だったが、格別印象的な作品ではなかった。

      新宿の裏社会を描いた作品には、これまでに何度も触れ、そのほとんどを楽しんで読むことが出来たため好みの設定と言える。

      本作品は映画化による知名度も有り、楽しみに取っておいたつもりだったが、それほど特筆すべき点は感じなかった。

      主人公も含め、日本と中国の混血のキャラクタが複数登場し、大陸系、台湾系、香港系のマフィアの狭間を縫うように生きていく。
      舞台は整っており、それぞれの勢力のボスもキャラクタが立っており、面白くないわけが無いはずなのに。と読後も違和感が有った。

      解説に「登場人物誰もが感情移入を拒否している」という記述が有り、疑問は氷解。まさに本質を突いた解説だと言える。

      全体を通じて無常観に溢れているのが著者の狙いなのだろう。
      >> 続きを読む

      2012/05/22 by

      不夜城」のレビュー

    • 映画版良かったです♪

      2012/05/22 by makoto

    • 映画、友人が面白かったって言ってて気になってたんでした!
      レンタルしてみようかな♪

      2012/05/22 by sunflower


    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    この本に付けられているタグ

    フヤジョウ
    ふやじょう

    不夜城 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本