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疑惑の真相

「昭和」8大事件を追う
3.0 3.0 (レビュー1件)
カテゴリー: 日本史
定価: 620 円

昭和最大の華麗なる完全犯罪「3億円事件」が生んだ忌まわしき悲劇。私利私欲を貪り尽くした為政者たちの横暴。そして、最先端の医療技術のもとになされた戦慄の行為...。立ちはだかる時間の壁。どす黒い謎に肉迫する執念の取材。“昭和”に封印された8つの事件の真相が新証言によって今明かされる。衝撃のノンフィクション、時代の要請に応え装いも新たに文庫化。

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    「疑惑の真相」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      昭和最大の華麗なる完全犯罪「三億円事件」が生んだ忌まわしき悲劇。
      私利私欲を貪り尽くした為政者たちの横暴。
      そして、最先端の医療技術のもとになされた戦慄の行為。
      立ちはだかる時間の壁と、どす黒い謎に肉迫する執念の取材。
      “昭和”に封印された八つの事件の真相が新証言によって今明かされる。衝撃のノンフィクション、時代の要請に応え装いも新たに文庫化。

      二〇〇四年三月、新潮文庫より祝康成名義にて刊行された『真相はこれだ!「昭和」八大事件を撃つ』を再構成して、角川書店から文庫で出版された、著者のルーツともいえるノンフィクション集です。

      扱われている八つの事件とは、
      一、府中三億円事件
      二、成田空港争議
      三、和田医師による心臓移植疑惑
      四、美智子皇后の失声症の背景
      五、潜水艦なだしお東京湾衝突事件
      六、美空ひばり紅白落選の裏側
      七、丸山ワクチンを巡る許認可の真相
      八、猪木対モハメド・アリ戦実現に至る経緯
      です。
      いずれも、丹念な取材と、生存者への綿密なインタビューをもとに、
      「昭和日本」が生んだ疑惑の裏側に鋭く迫る、息を呑むノンフィクションです。

      特に平成日本の現在に至るまで、その事件の影を落としているのは、和田寿郎医師による独断心臓移植疑惑と、癌治療に効果が見込まれる丸山ワクチンの許認可に関する疑惑劇、いずれも医療に関する疑惑でしょう。
      日本初の医療手術式の快挙を前に、踏み越えてはいけない一線を踏み越えたと思われる優秀な心臓外科医。
      僕が、当時の関連書籍をあたり、調べたわけではないので一方的な見方になってしまうのですが、本書を読む限り和田寿郎医師はブラックに近いグレーです。
      日本初の心臓移植手術式成功という快挙の影に埋もれてしまった二人の青年の命と、彼らの親族の狂わされた人生。
      昨年の理研・小保方騒動ではないですが、成果を求めるがあまり、正誤の分け目を意識的に変えてしまう者たちの怖ろしさを、丁寧に描写しています。
      そして、今なお禁忌とされている故、国内心臓移植手術式の例が他国と比較して圧倒的に少ないという事実。
      この事実が、当時の、この事件の真相を何よりも雄弁に物語っているものと思いました。

      また、癌治療に効果が見込まれるとされた「丸山ワクチン」の許認可に関する記事にも驚きました。
      「丸山ワクチン」の効能については、僕としても少し疑問符がつくところでしたので、今後、よく調べたいと思いました。
      それ以上に、ひとつの薬の許認可の利権に群がる政・官・民の魑魅魍魎に怒りと、諦めを同時に感じました。
      ひとつの抗癌剤開発が成功すると、その発売元の製薬会社はビルが一棟建つくらいの利益がでるそうです。
      その為には現場の医師たちに臨床試験に使ってもらわねばならず、製薬会社の医師に対する過剰接待、また許認可権をもつ厚生役人は天下りポストの確保と引き換えに認可を降ろす。
      そこには、およそ医療の根幹と言うべき人間の生命の重要性など後回しにし、己の欲望のみを優先した人の姿をした鬼どもが透けて見えます。

      恐るべきことは本書を読むまで、僕がこの二つの事件について、まったく無知だったということでした。
      「昭和」を振り返る報道番組や、雑誌記事など、これほど氾濫しているのにも関わらず、日の目を見ない同様多種の事件・疑惑は相当な数であるのでしょう。
      それが、時を越えて、クローズアップされることをよしとしない方々がいる限り、情報の操作は終わらないのでしょう。
      知らなかった、知ろうとしなかった自分も悪いのです。
      しかし自省も込めて、起きている事件・報道されているニュースを、客観的に判断し自分の頭でその裏を考察できるように準備しておかないといけないと痛切に感じました。
      この国の報道や政治は、すでに信用できるものではありませんね。
      >> 続きを読む

      2015/01/05 by

      疑惑の真相」のレビュー

    • >空耳よさん
      いつも、コメントありがとうございます。
      数年前に愚妻が罹患した癌も、幸いにも莫大な医療費がかかるでもなく、しっかりしたお医者様と、国内で使用が認められている抗癌剤投与のおかげで、しっかり完治しました。
      結局、お医者様も、製薬メーカーも、その人がもつモラル次第。
      自身が持つ能力や権限の使い方を、正しく認識されている方々が、多からんと願うばかりです。

      僕が小さかった頃は、癌=死病という認識でしたし、事実、医療の現場はそれにちかい状態だったと思います。
      だから逸見さんの癌告白会見がセンセーショナルだったんですよね。
      妻の病が治癒する現在に至るまで、幾人の方々の死があったかと考えると、我欲にかまけて、医療を遠回りさせた人間たちへの怒りがふつふつとわき上がりますよ。
      いつでも、本当に助けを求めている人のもとへ、奇跡のような救いの手は差し伸べられないですね。
      最近、そうしたことへの向き合い方が、わからなくなってきています。
      怒れば正しいのか、諦観が正しいのか。
      >> 続きを読む

      2015/01/06 by 課長代理

    • >monaさん
      コメント、ありがとうございます。
      悲しいかな、世はお金がすべてですね~。
      商売柄、切実に感じます。
      命とお金どっちが大事?当然、命でしょう、と断言できない自分がいます。
      だからこそ、それを超えた行動は称賛に値すると思うし、翻って、命が金で救えることに気づいている賢い方々の、人間というものを頭から諦めてしまっている行動にも理解ができます。
      ま、とにかく、拝金主義が人間の本性、行き着くところまでいかないと終わりませんよ。
      あ、行き着くところまでいっても、どうしようもないカタストロフィを迎えても、今年は原発が稼働再開しますね。だめだなこりゃ。
      >> 続きを読む

      2015/01/06 by 課長代理


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