こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

アーモンド入りチョコレートのワルツ

3.0 3.0 (レビュー1件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 460 円

ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。

いいね!

    「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0

      【始まり、そして終わっていく】
       音楽にちなんだ3編の短編が収められています。
       どの作品もやさしくて、そして何かが終わっていく物語です。

      ○ 子供は眠る
       シューマンの「子供の情景」がテーマです。
       毎年、夏になると別荘に集まってくる5人のいとこ達。
       別荘の持ち主の子供で、一番年長の章は、何でも自分一人で決めてしまい、他のいとこ達をそれに従わせます。
       それまでは年長の章が決めることは当然だと思い、何の不満も抱いていなかったいとこ達なのですが、今年はそんないつもの章の態度が不快に思えてきたのでした。
       章は、何でも自分が一番じゃないと気が済まないため、いとこ達は、本当は自分の方が優れている事柄でもわざと章を立てて華を持たせてやっていたのです。
       以前、別荘に招かれていたいとこ達のうち、2人がもう招かれなくなっていました。
       一人は章の言うことをきかない子供、もう一人は何でもよくできる子供でした。
       いとこ達は、夏の2週間、一緒に遊べるのをとても楽しみにしていたので、章の機嫌を損ねて別荘に招かれなくなることを恐れていました。
       ずっと我慢してきたのですが、ある出来事をきっかけにいとこ達のそのような不満が表に現れることになってしまいました。
       彼らの夏は終わってしまうのでしょうか?

      ○ 彼女のアリア
       バッハのゴルドベルグ変奏曲がテーマです。
       この曲、不眠症になやむ伯爵のために作曲されたんですってね。
       主人公の「ぼく」も不眠症に悩む中学生でした。
       ある時、もう使われなくなった古い校舎で、「ぼく」はゴルドベルグ変奏曲をピアノで弾いている藤谷という女子生徒と知り合います。
      藤谷も不眠症だと言うのです。
       何だか同じ境遇で苦しんでいることが嬉しく思われ、以来、毎週藤谷と会い話をすることが楽しくなりました。
       藤谷の話というのがまたとんでもない話なのです。
       藤谷の両親はそれぞれ不倫をしているとか、祖父が死んで相続争いが勃発しているとか、それはもう修羅場のような話なのです。
       そんな話に引き込まれていく「ぼく」だったのですが、ある時、クラスメイトから藤谷はとんでもない嘘つき、虚言症だと聞かされます。
       じゃあ、藤谷も不眠症だというのも嘘だったのか?
       裏切られたような気持ちになり、藤谷に激怒してしまう「ぼく」でした。
       藤谷との時間も終わっていくのでしょうか?

      ○ アーモンド入りチョコレートのワルツ
       サティの「童話音楽の献立表」がテーマ。
       子供の頃から通っている一風変わったピアノ教室。
       ある時、突然、サティそっくりのフランス人男性が現れます。
       ピアノの先生の絹子先生とどういう関係なのかよく分からないのですが、居候しているようです。
       このサティおじさん、一風変わっていて、主人公の奈緒も、親友の君絵も大好きになります。
       君絵なんて、サティおじさんと駆け落ちしたいとまで言い出す始末。
       そして、毎週木曜日、レッスンが終わった後は、サティおじさんが弾くワルツに合わせてみんなで踊るのが恒例になっていきました。
       でも、サティおじさんの突飛な振る舞いは、他の生徒の親には不評らしく、生徒がどんどん辞めていくようになりました。
       ところで、君絵も相当変わった女の子で、ピアノ教室だと言うのにピアノはあまり好きじゃなくて歌の方が好きだという理由で歌を歌ってばかりいます。
       でも、ある時、ピアノを弾く気分だと言い出し、君絵がピアノを弾き始めました。
       でも、普段はひかないから下手くそなんですね。
       絹子先生は、仕方なくメトロノームを持ち出してきて、このリズムに合わせて弾いてみようと言います。
       そうしたところ、突然サティおじさんが怒り出し、絹子先生と険悪な言い合いになってしまいました。
       以後、サティおじさんはピアノ教室に姿を見せなくなってしまったのです。
       サティおじさんとの楽しかった時間も終わってしまうのでしょうか?

       森絵都さんの作品を読んだのは初めてだったのですが、胸がきゅっとなるような、とてもやさしい作品ですね。
       これは良いかもしれません。
      >> 続きを読む

      2019/10/11 by

      アーモンド入りチョコレートのワルツ」のレビュー


    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    この本に付けられているタグ

    アーモンドイリチョコレートノワルツ
    あーもんどいりちょこれーとのわるつ

    アーモンド入りチョコレートのワルツ | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    七日目は夏への扉 (講談社タイガ)