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壊れた脳生存する知

定価: 1,680 円

三度の脳出血、その後の後遺症と闘う医師の生き方。

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    • 匿名
      評価: 評価なし

      30台の若さで重度の右頭頂葉後方病巣による高次脳機能障碍者となった女性医師の内面を描いた本です。

      高次脳機能障碍者の手記として、当時は目新しく、はっとさせられることが多かったです。

      例えば、球麻痺による発声・飲み込みの困難さ、などは
      なかなか当事者さん自身の感覚が描かれることもないので
      勉強になりました。

      前頭葉が比較的保たれていることを生かし、前頭葉機能を「前子ちゃん」と名付けて、メタ認知を用いた生活改善を工夫しておられます。
      すべての高次脳機能障碍者がそれを出来るわけではなさそうですが、試行錯誤の果てに、脳が脳をヘルプしている感じがして、人間の認知機能の奥深さを感じました。

      よくある「しゃべりすぎ」の現象についても、自覚的に書かれていました。

      >「次々と吐き出される言葉、間違いに気づこうものなら、
      >いけない、早く上塗りをしておかないと、という強迫観念めいた焦りに
      >せきたてられて、ますます言葉を重ねてゆく」。

      言葉が暴走してから、相手のきょとんとした顔に気づいて話が止まる、つまり相手の様子が認知機能のフィードバックになりえているとのこと。けっして無我夢中というのではなく、環境的なキューを認知しているのだなとわかりました。

      回復には念単位の時間がかかることや、社会が障碍者に優しくないことなども書かれており、社会の側にも理解が必要なのだと実感します。

      この本が書かれてから10年以上が経過した今、高次脳機能障碍をめぐる社会環境が、少しでもよくなっているといいのですが。
      >> 続きを読む

      2017/08/22 by

      壊れた脳生存する知」のレビュー


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