こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

闇の底

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,575 円

少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。絶対に捕まらない―。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。『天使のナイフ』の薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。江戸川乱歩賞受賞第一作。

いいね! Tukiwami

    「闇の底」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0


      少年犯罪を扱ったデビュー作「天使のナイフ」で第51回江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳の第2作目の作品「闇の底」のテーマは、子供に対する性犯罪だ。

      性犯罪者を矯正することの難しさは、以前から指摘されている。
      性犯罪前歴者の再犯を防ぐには、どうすればいいのだろうか?

      この「闇の底」では、死刑執行人サンソンを名乗る男が、その問いに答えを提示する。
      犯罪をなくすには恐怖しかないという信念のもと、男は少女が犠牲になる性犯罪が起こるたびに、陰惨な手口で性犯罪前歴者を殺害するのだ。

      しかし、男の思惑にもかかわらず、その種の痛ましい事件は後をたたない。
      世論が次第にサンソン擁護に傾く中、警察は威信をかけてこの連続殺人犯を追うのだった。

      そして、捜査の一翼を担うのがこの作品の主人公、長瀬刑事だ。
      小学生の頃、性犯罪者に妹を殺されるという悲痛な体験をしている彼は、そうした罪を犯した者を標的にする犯人を追うことに、ある種の葛藤を覚えつつ、捜査を続けるのだった。

      やがて、おぼろげにサンソンの影が見えてきた時、長瀬は犯人のみならず、自らの"心の闇"と向き合わざるを得なくなる。

      前作「天使のナイフ」と違って、筋の面白さで引っ張っていくというより、登場人物の内面にじっくり迫り、濃密な心理描写で読ませる。

      身勝手な犯行で、我が子を失った両親の悲しみや、卑劣な犯罪の捜査にかける刑事たちの意気込みといった、我々読者にとって共感しやすい心情だけではない。

      異常な性癖を持つ犯罪者の歪んだ心理も丁寧に描かれており、その浅ましくも惨めな心の在り様が、強い印象を残す。

      だが、謎解きよりも内面描写に力点が置かれているとはいえ、結末の意外さは出色だ。
      読み終わった後に、複雑な思いを抱かせる、ひねりの効いた幕切れだ。

      >> 続きを読む

      2019/01/12 by

      闇の底」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    ヤミノソコ
    やみのそこ

    闇の底 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    リストランテ アモーレ

    最近チェックした本