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フラット革命

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 佐々木 俊尚
定価: 1,680 円
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    「フラット革命」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      「次世代ウェブ」という新書で気に入った、佐々木俊尚さん。この本では、ネット社会の流れを手放しで喜ぶばかりではなく、ネガティブな部分もあわせて紹介してあり、文章のキレもよく、すばらしい本でした。

      この本の構成はおおむね4章に分かれるのですが、最初の章では、1999年に筆者が毎日新聞記者だったときのエピソードが紹介されています。

      個人が事故現場の写真をネットに掲載し、それを毎日新聞が問題にした(つまり、責任あるマスコミならいいが、責任をともなわない個人がそんな報道まがいのことをしては良くない)というエピソードです。今なら普通のことですが、当時は筆者によれば「新聞社のインターネットに対する拒絶反応があった」ということで、ネット叩きが起こったようです。

      そのようなエピソードから始まる本書は、いかにもネット礼賛に進みそうなのですが、そうではなく、ネットで起こっているリアルな問題にも触れているところが興味深かったです。

      たとえば、Wikipediaの編集合戦や、「加藤の乱」について、加藤紘一がインターネットに乗せられてしまった面があること、そして最終章、筆者自身も巻き込まれたという「ことのは事件」の丁寧な紹介。そこでは可視化、が大きな論点となっていました。

      これらをまとめると、第4章のタイトルにもあるように、「公共性を誰が保障するのか」という点が、筆者のもっとも関心のあるところなのかもしれません。

      >世界で起きていることすべてがフィルタリングされ
      >しかし砂糖菓子のようにくるまれた安心社会に
      >戻るのか
      >それとも生々しい現実と相対することが可能で
      >しかし自分の頼る場所も見えなくなった浮遊社会
      >へと歩みだすのか
      >つまるところわれわれは、この二つの世界観の
      >選択肢に迫られているのである。
      >そして後者の選択肢こそが、インターネットの
      >推し進める、フラット革命の本質なのである

      印象に残った言葉として、以下のようなものがありました。

      >無数の「わたし」が公共性を担保することこそが
      >新たな時代の幕開けを告げる号砲となるのである
      (中略)
      >批判、それに対する反論、そして再反論、そうした
      >議論のすべてが可視化されてゆくことこそが、
      >新たな公共性を生み出してゆくのだ
      >そしてインターネットにおける議論という公共性は、
      >新たな民主主義の可能性へとつながっている

      >意見のあわない者同士で議論し、戦いあうことを
      >認めることができるのか。
      >いまや秩序もなければ、統一もされていないこの
      >インターネットの世界は、新たな世界の枠組みを
      >提示しようとしているのだ

      ・・・という文章で本書は終わります。
      本書で明らかに述べられているのは、既存の知識提供システムはもう終わっているということ。だけど、ではどうなってゆくのか、ということは、まだ誰にもわからないのでしょう。また数年後、この筆者の考えを読みたいなと思いました。

      わたし自身はインターネットを楽しく使うだけの素人ですが、そんな素人にとっても面白い時代になったなあと感じています。これからの変化を興味深く見つめてゆきたいと思いました。
      >> 続きを読む

      2016/07/18 by

      フラット革命」のレビュー


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