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姑獲鳥の夏

4.1 4.1 (レビュー9件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 840 円

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。

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    「姑獲鳥の夏」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      京極夏彦の「姑獲鳥の夏」は、饒舌な文科系書斎派・京極堂こと中禅寺秋彦、鬱気味で強力な幻視家・関口巽、美形の天才かつ天然の榎木津礼二郎、喧嘩上等・タフで侠気溢れる木場修太郎の最強キャラ四人組が活躍する、"京極堂シリーズ"の記念すべき1作目の作品だ。

      雑司ヶ谷の久遠寺医院の婿養子の牧朗が密室から消失し、妻の梗子は二十カ月間身籠ったまま、出産の兆しがないという風聞がたった。

      昭和二十七年夏、雑誌記者の中禅寺敦子にこの噂を聞いた〈私〉こと文士の関口巽にとって、牧朗は旧制高校の先輩だった。

      医院を訪ねた〈私〉に、かつてそこを訪れた記憶の断片が、蘇ってくる。
      同じく先輩で私立探偵の榎木津礼二郎は、梗子の姉の涼子を見たとたん、「嘘を吐いていませんか」と尋ね、問題の密室では〈私〉に見えないものを見たらしく「この家の人間は皆狂ってるぞ。場合に依っては君も含めて」と言い捨て、怯えたような顔で退出してしまう。

      探偵は、人の記憶を再構成して見てしまう、やっかいな特殊能力の持ち主だというが-------。

      さらに探偵の友人で警視庁刑事の木場修太郎は、赤児消失事件がらみで医院を調べており、一件を"家ぐるみの犯罪"と睨んでいる。
      事実、彼の捜査で医院側の不可解な行動が明るみに出始める。

      久遠寺家は「憑物筋」なのか? 牧朗は人造人間を作ろうとしていたのか?
      敦子の兄で、武蔵晴明社神主にして京極堂主人の中禅寺秋彦は、関係者一同の「憑物落とし」を執行するために、黒装束で医院を訪れる。

      この直後の「憑物落とし」など、超自然的にすら見えるスペクタクルだが、すべてはきっちり解明され、レトロで猟奇的な幻想小説が、本格ミステリとして着地する。

      脳が記憶の貯蔵庫ではなく編集所であるという、その一点に支えられた掟破りの「人間消失」トリックは、賛否両論があるところだろう。

      民俗学から認知科学、果ては手紙というデリダ的問題まで、知の諸問題を総合的にリンクさせて、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と、世界認識の枠組みを一転させる手際で、この作品は探偵小説の新地平を開いた、文字どおり異能の作品だと思う。

      >> 続きを読む

      2018/06/12 by

      姑獲鳥の夏」のレビュー

    • 評価: 5.0

      メチャクチャ面白かった。

      久々に、一から全作読もうと思える筆者に出会った。


      推理もので言えば、やはりアガサクリスティが秀逸で、全てのトリックはアガサクリスティがやりつくした、と言われるのも分かる程。

      しかしながら、京極堂シリーズを読んで、アガサクリスティにも欠点があったと気づかされる。
      それは、アガサクリスティは、犯人の意外性も、トリックの奇抜性も、犯行動機の心理描写も全て巧みで秀逸ながら、途中の文章そのものは平凡で、内容に面白味があるものではない、という点。

      全て、作中の文章はトリックや犯人像に繋がる伏線なので読み飛ばせないのだが、それ自体は特に面白い文章ではないと。

      このあたりは漫画の金田一も同じ。しょうがないから恋愛ネタやボケネタを入れて場を賑やかすけれど、そうするとそれらは場の賑やかしにはなるけれど、落ちへの伏線という本来の役目を果たさなくなる。

      この点、この京極堂は震撼に値する。
      まず、一見迂遠な京極堂の解説が知的好奇心としてとても面白い。推理物として読まなくても十分に面白いと思わされる内容。
      しかしながら、「とはいえ雑学と薀蓄を散りばめただけ」では決してなく、一見迂遠なそれらの解説が絶妙な伏線となってトリックや犯人に繋がってくる。

      これをGWに暇を持て余してだだだっと書いたというのだから参った。鬼才です。

      良い作者と出会いました。今後かなり楽しめそうです。
      >> 続きを読む

      2017/08/19 by

      姑獲鳥の夏」のレビュー

    • この本はかなり前に読みました。たしか臨月を過ぎても出産しないでお腹がでかくなりそこから・・・。内容は、うるおぼえですがあってますか?京極夏彦がかなりのお気に入りの様ですね。 >> 続きを読む

      2017/08/27 by rock-man

    • rock-manさん
      コメントありがとうございます~。
      ご記憶あってますよ。妊娠20ヶ月の怪奇現象を発端としたミステリーです。

      落ち?には賛否両論ある(否が大半な気がしますが)作品ですが、私は大好きな一冊で、繰り返し愛読してます♪
      >> 続きを読む

      2017/08/27 by フッフール

    • 評価: 4.0

      妖怪の話が読みたくて、この小説に会いました。
      妖怪が絡んだ推理小説かな、と思いましたが実体としては現れることはなく。
      しかし、読み出したら面白くて止まらなくて、2日で読んでしまいました。
      普通の推理小説ではなく非現実的ですが、不思議とつじつまもあっており、納得のいく展開でした。
      登場人物たちもキャラが立っていて、面白かったです。

      2017/01/06 by

      姑獲鳥の夏」のレビュー

    • 評価: 5.0

      けっこう分厚くて、個人的には読み切れるか心配だったので挑戦的な気持ちで読みました。
      ですが、その厚さも気にならないくらいページを繰る手が止まりませんでした。
      京極堂の難しい話は関口君のように珍紛漢なところがありましたが、余計な知識がついて面白かったです。複雑な事件の全貌がだんだんとわかっていくとき、その先の真相を知りたくてついページを捲っていました。
      本書は内容もいいのですが、個人的にはキャラクターがよかったです。榎木津が好きで、こんな人が友達に居たら楽しいだろうなという想像をしてしまいました(笑)

      2016/11/14 by

      姑獲鳥の夏」のレビュー

    • おもしろいですよね。
      すごく分厚いですが(^^ゞ
      2作目の「魍魎の匣」が一番好きです

      私も榎木津のような、破天荒な友人がほしいです!
      外見もよいですし♪笑
      >> 続きを読む

      2016/11/14 by あすか

    • あすかさん>
      コメントありがとうございます!
      魍魎の匣は読む予定ですが、姑獲鳥より         
      分厚いですよね笑 読み切れるか心配です(;´・ω・)
      (この人の本が煉瓦とかブロックと呼ばれているのも納得です笑)

      榎木津のような破天荒な友人がいたら毎日退屈しないで済みそうですよね。ひっぱりまわされるのも悪くないです笑
      >> 続きを読む

      2016/11/15 by Hotori

    • 評価: 5.0

      もう何度読み返したか分からない。お陰で文庫はボロボロ。
      文庫化され 映画化され 分冊文庫化され
      ここでのレビューもものすごい数になっている

      どこかのインタビュー記事かなにかで著者が
      「デザインとしての漢字」うんぬんという話をしていた
      キリスト教 と書くのと 基督教 と書くのでは
      受ける印象が全く違うと。読んでみてなるほど納得。

      600頁を超える長編で、難読漢字も多いにも関わらず
      するすると読めてしまうのは 一人ひとりのキャラがしっかりしているから。
      本の中から沢山の声がするように感じるのは きっと私だけではないと思う。

      最初はストーリーにひきつけられた
      二度目は描写の巧みさに驚いた
      三度目はレトロな雰囲気を楽しんだ
      四度目は繰り出される薀蓄に瞠目した(やっとかよ…)
      五度目は………


      本棚に沢山本があるなかで、
      時間つぶしに一冊選ぶとしたら 多分この本。
      時間など忘れて読みふけってしまうだろうから。

      あぁ、日本人でよかった。
      この世界観を感じるには文字によらないと無理。

      映画をみてガッカリした方も、ぜひご一読ください。

      このレビューを見て 姑獲鳥の夏を手にされた方に
      薔薇と十字の祝福のあらんことを--------------
      >> 続きを読む

      2015/06/24 by

      姑獲鳥の夏」のレビュー

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