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狂骨の夢

3.6 3.6 (レビュー1件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,070 円

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?著者会心のシリーズ第三弾。

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    「狂骨の夢」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      またまたとても面白かったです。

      この作品は好きなシーンが多いです。

      榎木津が教会に颯爽と登場するシーン。
      救われることなどできないという人間の気持ちが君には分かるまい、と言われて返す台詞

      「解らないよ。そんなもの解る訳ないさ。救われないのは、救われたくないからに決まっている。だって信じるものは救われると云うじゃないか」

      「世界中の不幸と苦悩を纏めて背負ったような顔をして、そんなもの誰だって背負ってるぞ! ちっとも偉くない。心の暗闇だか何だか知らないが、心に光度(カンデラ)や照度(ルクス)があるか。明るい暗いで善し悪しが決まるのは、電灯くらいだ」


      このシーンに限らず彼のことは大好きになってしまいまして、最近生まれた次男にはれいじろうと名付けてしまいました・・・。放胆でもいいので、彼のように明るく生き生きとした人物に育って欲しいと願ってます。


      最後京極堂が登場し調伏を行うシーンも好きです。
      解決話になるはずが、回収不可能と思えるほどにまで話が拡散していく恐怖。それを木場に荒々しく代弁させる。

      「京極!脱線が過ぎねえか? いい加減に本線に戻れ!」
      「おい、京極。どうしてそれで解るんだ? 根拠を云え根拠を!」
      「おい。本当にいい加減にしろ! ものごとの筋道ってのはよ、順を追って初めて辿れるもんじゃねえか。そうそう素っ飛ばされたんじゃ解るものも解らねえよ!」
      「まだ誰かいるのか!」
      「説明しろ!京極!」
      「おい。歴史の講釈はいいんだよ。宗教の講釈だってうんざりなんだ。事件の話をしろ!」
      「話が錯綜する一方じゃねえか?お前さん、本当に見えているのか?」
      「おい、答えろよ。京極! おい、何とか云えよ!」
      「おい!京極堂。まだ増えるのか!」
      ・・・

      いやあ、、、本当にこの木場の荒々しい台詞には読者みな共感だと思うんです。もう衝撃の拡散の連続で、、、それが最後に全てしっかり回収されるんですから、もう驚嘆です。

      感服しました。

      >> 続きを読む

      2017/08/19 by

      狂骨の夢」のレビュー

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      講談社 (1995/04)

      著者: 京極夏彦

      • 評価: 4.0

        この「狂骨の夢」は、「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」に続く、京極夏彦の"京極堂シリーズ"の第3作目の作品ですが、とにかく京極夏彦という作家は、他の作家と比較する事が出来ない、超絶的な異能の持ち主で、現代の混沌とした国内ミステリーの世界において、その中から飛び出して来た"最強の作家"だと思います。

        彼の小説は、本格ミステリーとしての緻密な構成力は、余人の追随を許さないほどの凄さだが、"京極堂シリーズ"に関して言えば、レギュラーのキャラクターたちの魅力的な人物の造型、文章での表現力、また、民俗学、宗教学、フェミニズムなど多岐に渡る圧倒的な情報量の凄さなど、様々な角度から我々読者を楽しませてくれる、エンターテインメントとしての重層性だろうと思います。

        そして、必ずページの最終行で文章を終わらせるなどのこだわりも、彼の大きな個性だろうと思うのです。とにかく、京極夏彦という作家は、知れば知るほど、興味の尽きない作家です。

        「姑獲鳥の夏」が密室殺人、「魍魎の匣」がサイバーパンク風、と進んで来て、この「狂骨の夢」はサイコ・ミステリーと言えるかも知れない。

        しかし、この作品も前2作と同様に、あまりに様々な雑多の要素を力づくで詰め込んで、怒涛のように押しまくってくるスタイルは、更に狂的な要素を帯びてきていると思います。

        "京極堂シリーズ"に毎回、出現する妖怪たち。その出典は「百物語」。今回は「狂骨」です。井戸の中から出る白骨のお化けです。イラストを見ると、手拭いの先にドクロがついたみたいな愛嬌のある奴だ。

        昔、夏の風物詩で、縁台に座って毎晩、化け物の話をしてくれるお年寄りがいたそうだが、きっと作者の京極夏彦は、このお年寄りのような"現代の語り部"なのだろう。

        とっかえひっかえ奇怪な話を聞かせてくれて、そして一向に喋りやめない。そして、話のタネが無尽蔵のようで飽きさせない----。

        時代は、昭和27年。博覧強記の陰陽師で古本屋の京極堂こと中禅寺秋彦を探偵役として、鬱病気味の小説家・関口巽、他人には視えないものが視える私立探偵の榎木津礼二郎、刑事の木場修太郎が絡んできて、今回は、記憶が過剰に溢れてしまった女と、首なしの殺人事件を巡って展開していきます。

        謎解きの部分に至っても、"伝奇小説的要素"が自己増殖してきて、小説自体が肥大していくような感じがしてくるのです。

        フロイトとユングの論争から、密教の秘儀、熊沢天皇の史実まで、京極夏彦の妖しい筆は、何もかも大風呂敷に包み込もうとするかのようだ。

        この作品の中での好きなセリフ。「宗教は信じられているうちは何も問題はないのだ。信じていたものが壊れてしまった時が怖い」----。
        >> 続きを読む

        2016/12/07 by

        狂骨の夢」のレビュー


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