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鉄鼠の檻

3.9 3.9 (レビュー4件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,400 円

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」...。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者―骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾。

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    「鉄鼠の檻」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      超人気作家・京極夏彦の第4作目の作品「鉄鼠の檻」を、本棚の奥から取り出して再読。
      京極夏彦の小説は、自分でも不思議なんですが、突然、無性に読みたくなってくるんですね。

      この「鉄鼠の檻」は、過去の三作からも宗教に対する作者のこだわりは明らかだったが、テーマの妖怪が実在の僧侶をもとにした「鉄鼠」であり、他に言及される妖怪が「大禿」「払子守」「木魚達摩」である点からも分かるように、この作品はその総決算的な内容になっていると思う。

      その意味でも、この作品は京極作品の一つの頂点を極めたものだと言えると思いますね。

      箱根の山頂にある旅館「千石桜」の庭で、座禅を組んだ僧侶の死体が突然、出現するという事件が起こった。
      殺人犯は、僧侶に違いないという推理が立てられ、警察は現場付近の「明慧寺」に滞在することになるのだが、寺では次々と僧侶たちが殺されていく。

      犯行現場に残された奇妙な痕跡には、どんな意味が隠されていたのか?
      「明慧寺」の大きな秘密とは一体何だったのだろうか?-------。

      俗世間から隔絶した「寺」という異世界の価値観、論理、住人などの精緻で綿密な描写によって、この作品にはいわば一つの小宇宙が内包されていると思いますね。

      好奇心を喚起するような舞台設定、異世界ならではの独創性と知的興奮に満ちた推理、魅力的なキャラクターの数々-----と、どんな角度からもディープに楽しめる驚異的な文芸大作だと思う。

      >> 続きを読む

      2018/04/27 by

      鉄鼠の檻」のレビュー

    • 評価: 3.0

      憑き物を落とす、

      というのがこの京極堂シリーズのテーマ。


      憑いているものが落ちると、ハラリと世界が開ける。
      怯えや萎縮や強がりや衒いなどが無くなり、泰然自若と世界に溶け込める。


      分かるような気がする。
      自分も5-6年ほど前に一度人生観を見直すことがあった。

      それ以前は、まだ社会の新参だったこともあるのだろうが、やはり、憑りつかれていたように思う。

      善く生きる
      成長が大事
      前に倒れるべし
      汗をかけ
      アンテナを広く
      謙虚に
      慮って
      謙って
      器用に
      最善を尽くす
      一級品を
      一軍で
      誇り高く


      なんだか、今では上手く書けないのだけれど、
      こういうような概念に囚われて、心底息苦しかった。

      これらのテーゼが勿論間違っているとか自分に無かったというわけではなく、ただ、脅迫観念として迫られていて、しかしそれに気づかずに、とにかくそれらが軽率な自己否定や不遜な他者否定となり、グルグルぐるぐるした気持ちに憑りつかれていた。

      のだと思う。


      パコーンと鈍器で頭を殴られるような形で、ぼーっと自分の人生観を問い直した日々があり、その期間そのものは物理的には短いのだけれど、これが契機で「憑き物」が自分から落ちた。



      あれ以降、自分でも驚くほどリラックスして生きられている。
      あれ以降、あの傲岸不遜で自分本位な父に、あの父によく似てきた、と人に言われることが増えたように思う。
      あれ以降、胃痛も無くなった。


      この作品では、小悟とか大悟とかが出てくるのだけれど、禅問答の類はよくピンと来ないものの、そこで描かれる晴れ晴れとした心境だけは、なんとなくわかるように思う。

      境内の結界が、檻となって鉄鼠(お坊さん)を閉じ込めて苦しませていた、という話なのだが、
      そう考えると自分にとっては、東京というものが檻だったのかもしれない。


      この作品そのものはそこそこだったけれど、相変わらず知的好奇心は満たしてくれるし、考えさせてくれる。
      >> 続きを読む

      2017/08/19 by

      鉄鼠の檻」のレビュー

    • 評価: 4.0

      長かった。さすが京極作品です。
      禅宗の歴史をさらいながら、坊主連続殺人事件の謎を解く。
      複雑なトリックや重たい動機はないけれど、禅宗というあまり馴染みのないものが物語の根幹にあるため難しいと感じることもありました。けれど、魅力的なキャラクターと京極先生の筆力のおかげで最後まで読むことができました。
      どの本を読んでも読後の達成感はとても気持ち良いですね。

      姑獲鳥の夏とリンクしている部分もあるので思い返しながら読んでいました。
      嫌なこととは往々にして忘れてしまうものですが、一度思い出すと今度は忘れられなくなります。でも、それは反省したり償ったりする重要な機会の一つなのではないか、と関口くんを見て思いました。 >> 続きを読む

      2014/10/05 by

      鉄鼠の檻」のレビュー

    • 喜んでまた書きます。
      絡新婦は映画も良かったですね。うちにあの薬草の「ダチュラ」を植えていたのですが、絡新婦を読んだ後、ちょっと粗末にしたら枯れてしまいました。華岡青洲も使った麻酔薬だそうで、そんな事を考えると絡新婦は面白かったです。
      百鬼徒然袋は読んでないんです。m(_ _;)m
      巷説百物語は続編まで読みました。ライターの走りのような青年が狂言回しでした。こういう話が好きなのは、子供の頃、たくさんいた叔父たちが勝手に怖い話を作って聞かせてくれたからだと思います。
      私も、長くなりました。
      そうそう椎名桔平さんはうちではなぜか「桔平ちゃん」といって人気があります。あの映画で関口さんが土塀の間をふらふら歩いていくシーンはおかしかったですね。
      「この世に不思議なものなど何もないんだよ。関口君」

      でもこの世は不思議だらけです(^^)

      >> 続きを読む

      2014/10/10 by 空耳よ

    • 空耳よ さん
      お返事嬉しいです!京極作品についてお話しできるのも嬉しいです!!
      巷説~は、以前から興味があったので読んでみます。
      徒然袋は、榎木津大魔王が暴虐の限りつくしています。
      ラジオドラマもあるようで、先日そちらも購入してみました。
      人気の声優さんが京極堂や榎木津に声をあてているということで、楽しみにしています。
      わたしは、小さい頃は怖い話が本当に苦手で、話しを聞こうものならその日は嫌な夢を見るほどでした。なので、なんでここ最近ホラー作品を読むようになったのか、自分でも不思議です。
      ふらふら関くんは確かに面白かったですね。映画、もう一回見直してみたくなりました。

      確かに、不思議だらけです。
      京極堂にもわからないことはあるのかな。
      >> 続きを読む

      2014/10/12 by みかん

    • 匿名
      評価: 評価なし

      禅についてとても詳しく書いてあるため、
      知識がないと理解するだけで時間がかかる。
      だが、禅だけでも様々な宗派があるということを
      知ることができたためとても勉強になった。

      作中に登場した今川さんの口調がよく掴めなかったのと、
      事件への関わりがふんわりしていた気がした? >> 続きを読む

      2014/06/19 by

      鉄鼠の檻」のレビュー

    • 禅といえば非常に厳しいイメージがありますが、本来は散乱している心を静める為のものと聞いたことがあります。形も大事ですが、それ以上に心がけだ大事ですね。 >> 続きを読む

      2014/06/20 by +玉露+

    • 禅にも宗派があるとは知りませんでした…

      2014/06/20 by roscoe

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      • 評価: 5.0

        京極すごいね

        2016/01/19 by

        鉄鼠の檻」のレビュー


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