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花の下にて春死なむ

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者:
カテゴリー: 小説、物語
定価: 560 円

年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。

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    • 評価: 4.0

      日本推理作家協会賞 連作短編部門受賞作

      「花の下にて春死なむ」

      俳句仲間の片岡草魚がなくなった。身寄りがないことがわかり、グループで葬儀は済ませた。が、菩提寺に葬ろうとした時、彼には本籍地もないことがわかる。

      一度だけ部屋に呼んだことがある飯島七緒は、俳句や日記を手がかりに、草魚の故郷を探しに出かける。

      まだ雪が残っている長い冬だったが、孤独な部屋で草魚が亡くなったときに咲いていた一輪挿しの桜を「奇跡の花」と呼んで、刻ならず開いたことを伝えた新聞記事。花にまつわる話が印象的に挿入されている。
      受賞作にたがわないとても密度の濃い短編。一人の男の悲しい生き様に余韻が残る。一読の価値があった。

      「家族写真」

      駅に設置されている貸し借り自由な本棚に、人気がありそうな時代小説が置いてあった。それぞれに、家族写真がはさんであったそうで、それがちょっとした町のこぼれ話風のコラムに載っていたという。
      行きつけの三軒茶屋駅近くの「香菜里屋」は落ち着いた雰囲気とおいしい料理で人気があった、マスターが出すぎず控えすぎず、必要な場面では推理が冴えていて結論の方向を指す。
      たまたま店に来た客の話で、この写真を手がかりに、過去も含めた客の物語が解決する。

      「終いの棲み家」

      多摩川河畔の写真を撮っていたカメラマンが、草の中に老夫婦の小屋を見つける。彼らは世間から離れたこの小屋でひっそりと暮らしていた。この夫婦を組み写真にしてカメラマンが開いた個展のポスターがことごとく盗まれた。
      親しくなったこの奥さんからもらった「芥子漬け」が手がかりになって事件は解決する。心温まるいい話で、中に出てくるモトクロスグループのヘッドが、一味利いている。

      「殺人者の赤い手」

      子供たちに流行っている、赤い手の怪人の話にまつわる事件の解決まで、さまざまな人物が面白い役目で登場する、なるほどと納得の一編。

      「七皿は多すぎる」

      仲間の東山が、回転寿司屋で鮪ばかり7皿食べる男の話をする。
      結論は出ないままに、クイズ風に解くもの、暗号からとくものなど意見は展開する。

      「魚の交わり」

      1話につながる話。
      後日談だが、これが解決編で、納得できる結末になっている。

      気の利いた挿話や謎解きがメインだが、人の交わりの光と陰、それが簡潔で情緒もあり、推理する「香菜里屋」のマスターもいい。謎解きもこのくらいで書きすぎでないのがいい。
      山頭火を参考にしたと言う自由律の俳句が、また面白い。
      北森さんの作品を読んだのはこれだけなのでまた機会があればほかのものも読んでみたい。
      >> 続きを読む

      2014/11/01 by

      花の下にて春死なむ」のレビュー

    • 前は長編ばかり読んでいましたが、最近は短編も良いものがたくさんあるなー感じています。それでも推理小説で短編だとちょっと物足りないのかなぁ?と思いましたが、そんなこともなく良さそうですね♪ >> 続きを読む

      2014/11/01 by chao

    • chaoさん
      そうですね、短編が多くなった感じがします。外に持ち歩いて読むのに最適です(^^)
      スケールの大きなものより身辺の出来事を推理するという形でしょうか。面白いものも多いですね。
      >> 続きを読む

      2014/11/01 by 空耳よ


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