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すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)

3.8 3.8 (レビュー4件)
著者: 川上 未映子
定価: 691 円
いいね! Tukiwami

    「すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0

      『すべて真夜中の恋人たち』(川上未映子)<講談社文庫> 読了。

      まず、川上未映子がこのような人物を主人公に据えたことに驚いた。

      川上未映子が書いたものはいくつか読んだことがあるし(小説は『乳と卵』だけだが)、講演会にも出たことがあるので、彼女が主人公するならむしろ石川聖のような人物だろうと、まず思った。
      この作品を読んでいても、主人公の生き方にただただ「それじゃダメだろう」という気持ちしか持てず、もし最後まで読み通さないタイプの読者だったら、途中で諦めてしまったかもしれない。

      正直なところ、最後まで読んでみて、主人公に対する気持ちはさほど読み始め、読んでいる途中とも変わらなかったが、物語全体の構成として、こういうものもあるのかな、と思うようになった。

      入江冬子と石川聖はまったく生き方も考え方も正反対だ。
      つまり、川上未映子があえて入江冬子を主人公に選んだのには、意味があるのではないだろうか。

      私は、川上未映子を構成する要素として、比率の違いはあるものの、二つの面を入江冬子と石川聖に代表させたのではないか、と思った。

      ある程度完成(完璧ではない)された人格である石川聖と、固く閉ざされたまま成長を拒むかのような入江冬子。
      その状態で生きていくことももちろん可能だが、川上未映子は入江冬子の人格をなんとかしたかったのではないだろうか。
      そして、入江冬子の殻を破ることで、石川聖を、また、二つの人格が融合した作者自身をも、成長させたかったのではないだろうか。
      そのように読んでみると、最後のいくつかの場面もより意味を持ったもののようにとらえられる。

      登場人物は極めて少ないが、そのように見た場合に、二つの人格それぞれに対して、登場人物たちがどのように関わるのか、どのように言及しているのかを見ていくのも興味深いだろう。

      村上春樹の主人公が女性を導き手とするように、ここでは、男性が導き手となっているのも興味深い。
      >> 続きを読む

      2019/04/06 by

      すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)」のレビュー

    • 評価: 3.0

      恋をした時の胸の奥から喉のあたりが苦しくなったりするどうしようもない感覚を思い出す。
      恋をしたことで微かに主人公の意識が変わったことが分かった。
      大学生の自分にとって勉強とか就職活動とか大事なことはたくさんありますが、それらと同じくらい恋愛は生きていく上で大事な要素なんだなあって改めて思いました。

      2017/07/05 by

      すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)」のレビュー

    • 評価: 4.0

       はきはきとしていて仕事をガンガンこなして、エネルギーにあふれている人ばかりが偉いわけじゃない。それぞれが、それぞれに考え・想いを抱いて生きている。逆に言えば、一見、争い事に無頓着で静かに生きているように見える人だって、べつに、楽な道を選んでいるわけでもなんでもない。そもそも、生き方を「選ぶ」なんていうことが、われわれ人間に可能だろうか?

       静かに生きているように見える女の子が、本書の主人公である。人間誰しもそうだけれど、彼女もまた、心に闇を抱えていて、酒の効用を覚えてから、ほろ酔い状態でしか人と話したりできなくなる。そんな彼女と言葉を交わしてくれる不思議な年上の男性。先生であり物理教師と名乗る。いつまでも丁寧語で行われるその会話はどこか不自然だが何とも言えない空気感がある。

       また、はつらつした元気な女性、そのような女性に陰口を言う女性、いろいろ出て来る。「結婚」「出産」それが幸せなのかどうか、よくある問いにもなんとなく疑問が投げかけられつつ、すべてが、あぁ、なるようにしかならないのだ、でも、それも案外悪くないことだ、と思わせてくれる。どうせ、自分以外の人生を生きることなんかできない。だったら。小説を読んで、自分と明らかに違う人たちのこと、のぞいてみるのも悪くないんじゃないかな。
      >> 続きを読む

      2016/10/25 by

      すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)」のレビュー

    • 最近適材適所、人はみんなどこかでその人なりに輝ける、というのが自分の中でのちょっとした合言葉になってます。 >> 続きを読む

      2016/10/25 by fraiseyui

    • 評価: 4.0

      バラエティ番組、報道番組、ネット、SNS、雑誌が、時代の先端をけん引しているような錯覚の中で生きていると、光がささない真夜中のことを忘れてしまう。

      そうか、人生の半分は、暗い暗い夜だ。そこに星がある。

      そんな当たり前のことを、気づかせてくれた。人は光を求めて、さまよい、夜空を見上げて、ささやかな希望を抱く。

      世の中の先端に踊り出せない人生にも、明るい虚構と正反対の真夜中をじっと見つめている瞳がある。

      闇に輝く光こそ、ざまざまな人生を照らす瞳の反射だと思った。

      >> 続きを読む

      2016/04/05 by

      すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)」のレビュー


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