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新装版 猟人日記 (講談社文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 戸川 昌子
定価: 734 円
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    「新装版 猟人日記 (講談社文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      小説の中でも歴史小説と推理小説が特に好きで、時間があれば読みふけっていますが、その中の推理小説というものは、基本的には"勧善懲悪"の物語だと思うのです。

      例え、どんなに難解な事件が起こっても、最後には必ず予定調和的に解決されるし、どんなに頭のいい犯人でも、最後には必ず逮捕されるのです。

      もちろん、例外が全くないとは言えませんが、少なくとも"推理小説"という世界の中で悪が栄えたためしはないように思います。退屈と言えば、これほど退屈で、ワンパターンの小説のジャンルも珍しいと思います。

      それだけに、推理小説を書く作家には、我々読者を退屈させないだけの、"魅力的な悪役"の造型と人間をリアルに描ける筆力が求められると思います。この悪役が魅力的であればあるほど、それに対する探偵役の主人公の魅力もまた、引き出されると思うのです。

      かのシャーロック・ホームズが名探偵たりえたのは、実は悪役のモリアーティ教授のおかげなのです。

      そして、魅力的な悪役として、私がすぐに思い出したのが、戸川昌子が江戸川乱歩賞を受賞した「大いなる幻影」に続く長編第二作目の「猟人日記」です。

      この作品には、次々と女性を漁っては、それを日記に付けているコンピュータのエンジニア・コンサルタントの男が登場します。このような人物は最近では特に珍しくもありませんが、この小説が書かれた昭和38年当時は、コンピュータがまだ電子計算機と呼ばれていた時代においては、独特の魅力と雰囲気があったのかも知れません。

      都会の片隅でひっそりと平凡に生きていたOLが投身自殺をします。自殺の理由は思い当たらないと彼女の同僚は証言しますが、実は彼女は妊娠していた事がわかります。

      そして、それから半年後、若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生しますが、被害者はいずれも、このエンジニア・コンサルタントの男の日記の中に登場してくる人物だったのです。

      そして、彼には犯行当時のアリバイがなく、しかも彼の血液型は二千人に一人という特殊なものでした。彼は逮捕され、罪状を否認したまま死刑の判決を受ける事になりました。

      しかし、第二部では有能な弁護士が登場して、この事件の背後に隠された、"ある真相"を明らかにしていくのです----。

      推理小説としては、今一つの感がなきにしもあらずですが、この魅力的な悪役のおかげで、サスペンスとしては実にいいムードが醸し出されていて、いつまでも忘れられない推理小説の一つになったのです。
      >> 続きを読む

      2016/09/19 by

      新装版 猟人日記 (講談社文庫)」のレビュー

    • 最近亡くなられましたね。
      破天荒な生き方で話題になったのを覚えていますが、作品は読んだことがありませんでした。
      >> 続きを読む

      2016/09/19 by 空耳よ


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