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七日目は夏への扉 (講談社タイガ)

2.5 2.5 (レビュー2件)
著者: にかいどう 青
定価: 745 円
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    「七日目は夏への扉 (講談社タイガ)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 2.0

      内容紹介-------------------------------------------------------
      学生時代の恋人・森野の訃報。初めて聞くはずのそれをわたしは知っていた。残された事実から推測すると、森野は自殺したのかもしれない。それも殺人を隠蔽するために。死の真相をさぐるうち、わたしの一週間が崩れだす。火曜日の次の日は月曜日。次は水曜日で…。意味がわからない。けど、あいつが死ぬのはきっと七日目だ。なら、わたしのやるべきことは決まってる―。
      ---------------------------------------------------------------

      タイトルにある通り、ハインラインの『夏への扉』のような過去と未来を行ったり来たり。
      でもその移動はそんなに長い時間ではなくて、たったの一週間。
      しかもただ一週間をやり直すのではなくて、学生時代の元恋人森野が死ぬ火曜日の次は月曜日に戻り、次は水曜日……とバラバラになっている。
      森野の死の真相を探り、それを食い止めるためにタイムリープ&やり直しを始める。

      この設定、そしてタイトルと表紙イラストの清々しさ。
      表紙の帯には「今日が死ぬのに最高の日だとしても。」

      もうこれは面白いに決まっているだろう!

      と思ったら間違っていた。

      表紙のような海は出てこないし、女子高生が主人公の訳でもない。
      主人公朱音の高校時代なのだろうが、当時の彼女の髪は黒ではなくパンクなピンク。
      ちなみに拡声器も。
      夏らしさなんてちょろっと出て来る青空と枯れた紫陽花くらいにしか感じない。
      ハインラインの『夏への扉』のような壮大さはないし、「扉」が関係しそうな話でもない。
      SFをテーマに「夏への扉」なんてタイトルをつけたことが間違い。


      序盤はとてもいいのだ。
      森野の車がガードレールを破壊して崖下に落ちたところから始まる。
      そこに遭遇した朱音には、晴れた夏の空や日差しを浴びた木々が作り物めいて見える。
      枯れた紫陽花。
      朱音の焦り。
      場違いに頭の中に流れ出すマキシマムザホルモン。

      意識が飛んで月曜日に戻ってからは、姪のひびきとの軽快なやり取りがおもしろい。

      朱音は事故のことは夢だと思い込んで、森野のことを思い出す。
      「森野の笑顔はいつも少し泣き顔に似ていた。」

      影がある感じの男なのか。
      と思いつつ、ここでちょっと私には気にかかる。
      メンヘラっぽい人が男女ともに苦手だ。
      男は特に。
      高野苺の漫画『orange』の翔とか、超気持ち悪い。
      暗い面は誰にでもあると思うが、それを自分だけと勘違いして周りに不幸を振りまかないでほしい。
      助けてほしいならそう言えばいいのに。
      それが難しい気持ちもわからないではないけれど。

      この作品、そういう登場人物が多い。
      まぁそれでも、登場人物たちが立ち直って、前に向いていく話ならいいのだ。
      しかし、事件は一応の解決を見せるものの、根本的な解決を見せていない。
      同じことまた起きるぞ。

      途中は盛り上がりに欠けて単調に見えるし、そもそも1週間をシャッフルする設定の必要性が見られない。
      単純に一週間のやり直しでいい。
      いや、極端なこと言えば、タイムリープ設定もいらないかもしれない。

      シャッフルした曜日の記述の仕方もわかりづらい。
      各章のタイトルに曜日が書かれているのだが、土曜日と書いていて、冒頭だけ木曜日の話とかしだすもんだから、誤植かと思った。

      肝心の謎も、疑わしい人がもうそいつしかいないくらい限られていて、そのキャラクター像からシチュエーションも限られてくるので、意外性がない。
      「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」に従った場合、消去して残るものが全然奇妙ではない。
      朱音は朱音で、サバサバして人情に厚いのかと思いきや、平気で周りの人を片っ端から疑い始めるし。

      ラストは、スピード感ある文章で読ませてきたのはいい。
      でも、あの状況であのシーンは長すぎだ。
      緊迫しているのに、表現も冗長にすぎる。
      そして何より許せないのが、表紙帯の「今日が死ぬのに最高の日だとしても。」というセリフが出てこないのだ!
      きっと、ただのキャッチコピーのつもりだったのだろう。
      でも私は、これがどんな心境で語られるセリフなのか、それを知りたかったのに。

      たしかに、似たようなセリフは出て来る。
      でも、作中で「詩とは翻訳されることで失われるなにかである」という言葉を紹介しているが、まさにその通り。
      言葉がちょっと変わるだけで印象は全く異なる。

      永遠に続く一週間から抜け出すには、これまでの繰り返しにはなかった大きなイベントがあるべきだと思うのだが、それも単純であっさりしている。
      そして、改変した後のパラドックスにもお構いなし。
      パラドックスはいろんな解釈があってもいいとは思うが、多少触れては欲しかった。

      全体的にまとまってはいるが、もっとやれることあるだろう。
      >> 続きを読む

      2017/03/27 by

      七日目は夏への扉 (講談社タイガ)」のレビュー

    • >もうこれは面白いに決まっているだろう!と思ったら間違っていた。
      >表紙のような海は出てこないし、女子高生が主人公の訳でもない。
      >SFをテーマに「夏への扉」なんてタイトルをつけたことが間違い。
      この3点で私が知りたい全てが語られている気がしました。( ̄∇ ̄;)
      間違って読まないためのとても素直で参考になるレビューでした。
      どんだけ残念なのか覗いてみたいという気がしてくるのも読書ログメンバーにみられるクセでもあるのですけれども。

      「今日が死ぬのに最高の日だとしても。」からして引用なのです。
      「今日は死ぬのにもってこいの日だ。生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。すべての声が、わたしの中で合唱している。すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやって来た。あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。今日は死ぬのにもってこいの日だ...」
      プエブロ・インディアンの哲学として広くしられた名言です。
      帯を書いた人が深く考えずに引っ張ってきたのではないかと思います。

      ちなみにイラストレーターは小説の中身を読まず出版社にイメージを注文されて描くだけって方のほうが多いのです。だから小説通りの絵をきちんと描く人を偉いなって思って褒めたくなります。作家もイラストレーターもちょっと残念な人同士ってことですね。
      >> 続きを読む

      2017/03/27 by 月うさぎ

    • >月うさぎさん
      月うさぎさんさすがです。
      登場人物が言うセリフは「今日は死ぬにはいい日だ」で、引用元も触れられています。
      でも、「だとしても」で続いて語られる言葉があれば、文脈が全然違ってくると思うんです。
      そこがなかったのが残念でした。

      酷評されている本を読みたくなる気持ちわかります(笑)。
      評価が二分するってことはままありますよね。
      本作はまとまっている作品ではあるので、駄作というより期待はずれという感じですね。
      >> 続きを読む

      2017/03/27 by ともひろ

    • 評価: 3.0

      期せずしてタイムリープものを連続して読むことになった。目覚めたら日付が飛んでたり戻ってたりというもの。移動の理屈はよくわからないけど、終わりよければすべて良し。表紙やタイトルから高校生の話かと思ったら違った。

      2016/11/27 by

      七日目は夏への扉 (講談社タイガ)」のレビュー


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