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サン・キュロットの暴走 小説フランス革命 13 (集英社文庫)

4.0 4.0 (レビュー1件)
著者: 佐藤 賢一
定価: 670 円
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    「サン・キュロットの暴走 小説フランス革命 13 (集英社文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 4.0

      【だからいわんこっちゃない/小説フランス革命13】
       ルイ16世処刑の後、フランス国民公会は大混乱が続きます。
       ジロンド派、ジャコバン派が入り乱れての論争……というかもう収拾がつかなくなっています。
       こんな体たらくで良いのか?

       本巻は、エベールという、『デュシェーヌ親父』なる新聞を発行し、このどさくさにパリ市第二助役になった下品な親父がメインに出てくることもあり、全編お下劣な言葉のオンパレードです。
       まぁ、そういうこともあったのでしょうけれど、ちょっと読むに耐えない。
       かなりおげふぃんです。

       さらに、『革命中』だからと言って、『革命裁判所』なるものまで設置してしまいます。
       反革命意思を持った者を裁くということで、裁判官、検事等々を国会が任命するという、もう三権分立も何もあったもんじゃない。

       良識派だと思っていたデムーランすら、「これはやばいよ、やばい」と思いつつ、「でも、革命中だから」という安易な理由でこれを許してしまいます。
       それって、独裁でしょうに。

       もちろん、国王を処刑してしまったということに革命の広がりを危惧する諸外国はフランスに敵対し始めます。
       ダントンが予想した通りですね。
       イギリスを中心に、オーストリア、プロイセン、スペイン、ナポリ、ローマなどが、反フランス連合を形成してしまうのです。
       だからいわんこっちゃない。

       それで国内はぐだぐだだし、サン・キュロットと呼ばれる庶民層は、またもや蜂起しそうな勢いで暴れまくっています。
       内憂外患を絵に描いたような状態。
       「フランスは壊滅する!」とデムーランが恐れるのはその通り。

       ジロンド派を陰で操っていたロラン元内務相夫人も、一応はリベラルな思想を持っているはずなのですが、さすがにサン・キュロットたちの横暴振りを見ると、「あの人たちには政治は分からない。無学な者にまで権利を与えるべきではなかった。」と言い出す始末。

       この辺りはとても難しい問題です。
       国民に等しく権利を与えるというのはその通りで何も異論はないのですが、ちゃんと啓蒙、教育しないと身勝手なことしか言わない、全体を考えない、ただの烏合の衆になってしまうというのはどこかの国にもあったかしら?
       自分の利益しか主張しない、目先のことでしか動かない、動くと暴発する、付和雷同する……。
       あぁ……。

       まぁ、エベールとかマラなんかは、そういう民衆を煽り立てているわけで。
       それでも彼らは議員としての責務を負うわけですが、ただ外野から好き勝手な事を言って、それがどういうことになるのか考えていない(浅知恵であっても考えているのだとしたらなおタチが悪い)どこかのマスコミみたいなのは……。
       それだけ言うのならやってみろと言いたくもなります。

       ダントンは、危機に対処するために右派、左派を統一した国全体としての対処が必要だと奔走するのですが、そのダントンすら革命裁判所に起訴されかねない状態です。

       この時代の法律がどうなっているのかよく分からないのですが、どうやら国会の議決で訴追を決定できるようで、革命裁判所の検事は何だかその訴追文を読み上げたりしていて、でも、手心を加えられるような一定の権限を持っているかのようなのですが、一体どうなってるの?

       経済が回らないと庶民の不満は解決しない。
       また、パリと地方の温度差もあります。
       パリが何勝手なことやってるんだ!というのは地方の弁(それも分からないではないですよね)。
       そもそも、何でパリが首都なんだ?
       王もいなくなり、憲法も作り直すというのなら、何故、パリが首都なんだ?

       あぁ、この混沌はどうなってしまうのか?
       本巻は、もうぐちゃぐちゃになっているフランスを描き出します。
      >> 続きを読む

      2019/07/11 by

      サン・キュロットの暴走 小説フランス革命 13 (集英社文庫)」のレビュー


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