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銀河鉄道の彼方に (集英社文庫)

5.0 5.0 (レビュー1件)
著者: 高橋 源一郎
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    「銀河鉄道の彼方に (集英社文庫)」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 5.0


      この高橋源一郎の「銀河鉄道の彼方に」は、タイトルからも推察されるように、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を踏まえて書かれた作品だ。

      著者・高橋源一郎の小説には「小説とは何か」という自己言及的な問いが常にあると思っていますが、この作品もまた、"言葉と世界と宇宙の成り立ち"に迫る思弁小説として構成されたものであると思う。

      深宇宙探査プロジェクトのメンバーとして旅立ったジョバンニの父親が、「あまのがわのまっくろなあな」という不可解な言葉を残して失踪する。

      そのいきさつを、カムパネルラの父親がジョバンニに語る。
      父親を探しに、宇宙の真実に迫るために、ジョバンニは銀河鉄道に乗って旅に出る。

      宇宙の果てに向けて自動航行する船に乗った「宇宙でいちばん孤独な男」の話。
      3歳児のランちゃんが、突然いなくなった弟を探しにジョバンニと旅をする話。
      予測不可能な出来事が、日常を浸食し、現実世界が大きな深淵へとのみこまれていく「大流動」の話。

      その他たくさんのエピソードが、銀河鉄道の連結された車両のように繋がり、時に入れ子状に絡み合いながら、ジョバンニの夢とも想像とも体験ともつかない認識に束ねられていく。

      つまり、ここにあるのは"言葉や記憶や存在"に対する、壮大な問いかけであり、この世を成り立たせているものの根源を見極めようとする強い意志なのだと思う。

      ジョバンニは「少年期にいる人間だけが持つ特別な叡智」によって、「ほんとうのこと」にたどり着こうとする。
      そして、この少年こそ、世界の神秘と実存性を明らかにする体現者なのだと思う。

      宮沢賢治の文学と響き合うリリシズムが、随所に織り込まれたこの作品は、優れた宮沢賢治論としても読めるような気がします。

      現代文学の一つの到達点たる作品であると思いますね。

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      2018/12/06 by

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