こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

革命のライオン

小説フランス革命 1
4.5 4.5 (レビュー2件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 500 円

1789年。フランス王国は破産の危機に瀕していた。大凶作による飢えと物価高騰で、苦しむ民衆の怒りは爆発寸前。財政立て直しのため、国王ルイ16世は170余年ぶりに全国三部会を召集する。貴族でありながら民衆から絶大な支持を得たミラボーは、平民代表として議会に乗り込むが、想像もしない難題が待ち受けていた―。男たちの理想が、野望が、歴史を変える!一大巨編、ここに開幕。

いいね!

    「革命のライオン」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 5.0

      「小説フランス革命」シリーズの著者の佐藤賢一さんは、山形県鶴岡市生まれ。
      山形大学教育学部卒業後、東北大学大学院に進まれ、西洋史、フランス文学等を専攻されました。

      主に、中世から近世にかけてのヨーロッパを舞台にした歴史小説を書かれていて、1999年に「王妃の離婚」で直木賞を受賞されています。

      彼が歴史小説の道に入ったきっかけは、ワープロの練習だったそうです。
      1990年代の大学院の時、普及し始めたワープロの練習を兼ねて、歴史のレポートを書いているうちに、歴史上の登場人物が勝手にセリフを語らいはじめ、それを書き進めたら、歴史小説になってしまったということです。

      この「小説フランス革命」は、まさに、そのような佐藤賢一さんの自家薬籠中の物という感じです。
      登場人物が、実に生き生きと、その思いを主張し、大いに語っています。

      プロヴァンス貴族(第二身分)でありながら、アメリカの独立から平民の底力に可能性を見出し、自ら第三身分の平民代表議員の道を選んだ革命のライオン「ミラボー」が吼えています。

      ピカルディ州出身で「ルイ・ル・グラン学院」きっての秀才で、弁護士のロべスピエールも、第三身分の代表議員です。

      将来の大物の片鱗をみせ、空転する全国三部会で、第一身分の切り崩し戦略を企てていました。

      財政破綻寸前のフランスの財政改革をまかされたのは、平民出身のネッケルです。

      これらの登場人物が、名人形遣いの佐藤賢一さんに操られて、1774年から1789年のヴェルサイユでの「全国三部会の開幕」までを、生き生きと語ってくれているのです。

      1789年6月のヴェルサイユで、平民である第三身分という呼称は廃止され、我々こそは国民の代表なんだという自覚から、国民議会の設立が宣言されます。

      その時のミラボーの言葉です。
      「我々は人民の意思によって、ここにいるのだ。
      銃剣の力によるのでないかぎり、ここから動くことはない。」
      早くも革命のきな臭い香りが漂っていますね。

      第一身分(司教等)にはタレイランという大物がいます。
      浪費家の王妃マリーアントワネットもいます。

      変節のカメレオンと呼ばれた政治家ジョゼフ・フーシェが登場するのは、第何巻からでしょうか、楽しみです。

      >> 続きを読む

      2021/12/25 by

      革命のライオン」のレビュー

    • 評価: 4.0

      【佐藤賢一作『小説フランス革命』全巻レビューいきま~す!】

       佐藤賢一さん著の「小説フランス革命」シリーズの第1巻です。
       このシリーズ、手を出そうかどうしようか迷ったんですよね。
       1冊ずつはさして厚くはないものの、全9冊という長丁場にりますので、一端手を出してしまうとかかりっきりになりそうだなぁということで迷っていたのですが、ええい!ということで着手してしまいました。

       シリーズタイトルの通り、フランス革命を描き出そうという大作です。
       その第1巻で取り上げるストーリーは以下のとおり。

       ルイ16世の治世です。度重なる濫費がかさみ、フランス王朝は破産の危機に瀕していました。
       この上は、税制上優遇特権を享受している、貴族や聖職者にも課税せざるを得ない状況になってきているのですが、既得特権にあぐらをかくこれらの層が簡単に課税を許すはずもありません。
       王権を制限すべく、長いこと開かれていなかった国民三部会議の開催を迫り、ここで承認されない以上は課税はまかりならんという態度に出てきたのです。

       この国民三部会議とは、第1身分である聖職者、第2身分である貴族、そして第3身分である平民から構成される、いわば国会のようなものなのですが、各身分ごとに評決をし、その結果3身分のうち多数を占めた方の意見が可決されるという仕組みになっていました。
       ですから、聖職者と貴族が課税に反対すれば、いかに王権と言えどもこれらの層に課税することはできなくなるのです。
       これは課税は不可能かと思われたところですが、平民出身のネッケル財務長官は、この貴族、聖職者らによる国民三部会議の開催要求を逆手に取って課税を実現しようと画策します。

       その策とは、地方の三部会で実際に取られた採決方法を採用させようというのです。この採決方法とは、まず、各身分の代表者の数を変えます。平民は聖職者や貴族の2倍の議員数にするのです。その上で、分科会方式の採決を止め、全体会議で投票するというものでした。こうなれば数の上では5分ですし、平民に味方する聖職者なり貴族なりを少しでも引き抜ければ聖職者や貴族らに対する課税も実現しようという策です。

       さて、この様な状況にある中、平民は熱狂的に王を支持していました。
       ついに王は平民の意見を聞くべく、長らく開催されていなかった国民三部会を開催するのだと。
       そして、この様な平民達の動きを敏感に察知したのがミラボーです。
       ミラボーは貴族なのですが、まぁ、放蕩貴族で、借金は作るは女には手を出すは、金目当ての売文に走るはで、決して評判は良くはないのですが、持ち前の押し出しの強さと、平民側に立つというスタンスが功を奏し、何と、貴族であるのに平民代表である第3身分の議員として当選してくるのでした。
       第1巻のタイトルにもなっている「革命のライオン」とは、ミラボーを指しています。

       そしてもう一人注目すべきは、やはり平民で第3身分の議員として当選してきた若きロベスピエールです。
       何とかフランスを改革しようという熱意にあふれて議会にやってくるのですが、初っぱなから失望させられます。
       それは、あからさまに第3身分が差別されていたからです。

       そして、ネッケルの策謀もうまくいかないように思われます。
       実際、第1身分と第2身分はさっさと自分たちだけで会議を進めようとし始めるのです。
       そして、平民代表の第3身分も決して改革の熱意溢れる者達ばかりではなく、単に物見遊山に来たとしか思えない様な田舎ブルジョアも多数含まれていました。
       実際、国民三部会は、第3身分の意見がなかなかまとまらないこともあり、空転し始めるのです。

       さて、この窮地にミラボーはどのような手を打つのか?
       そして、ロベスピエールは持ち前の改革への熱意をどう実現していくのか?

       佐藤さんの筆は非常に読みやすいものです。
       フランス革命はコミックスなどでも取り上げられるテーマですが、読みやすい小説で通読するというのもなかなか良い物かもしれませんよ。
      >> 続きを読む

      2019/06/29 by

      革命のライオン」のレビュー


    最近この本を本棚に追加した会員

    この本に関連したオススメの本

    取得中です。しばらくお待ちください。

    カクメイノライオン ショウセツフランスカクメイ
    かくめいのらいおん しょうせつふらんすかくめい

    革命のライオン - 小説フランス革命 1 | 読書ログ

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本