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イリュージョン

悩める救世主の不思議な体験
3.9 3.9 (レビュー9件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 580 円
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2015年10月の課題図書

7月のある日。古い複葉機に客を乗せ、10分間3ドルの遊覧飛行をしながら、気の向くままに各地を回っていたリチャードは、風変わりな同業者ドンことドナルド・シモダと出会った。かつて救世主と騒がれながら、あっさり「救世主をやめた」というドンと旅をともにしながら、小さな奇跡を目にする。次第にリチャードは、ドンの究極の自由の世界へと魅了されていく。不滅の青春ファンタジー。

いいね! chao Minnie pyon321

    「イリュージョン」 の読書レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順
    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 2.0

      Illusion――幻影
      む~~。レビューがとっても難しい一冊です。
      小説としてはストーリーが薄い、哲学じゃない、自己啓発本としては半端、奇想天外さではSFに遠く及ばない。
      どうしようね。この本……。

      世界的大ベストセラーの「かもめのジョナサン」の著者が書いた第2作目。
      しかし、「新版・かもめのジョナサン」を読んでしまうと、
      この「イリュージョン」はなんとも中途半端で中身はほぼ一緒という結論に達してしまう。
      両方とも、空飛ぶ若者の元に突然救世主なり仙人なりの超存在が現れて、主人公を開眼させて、救世主の跡継ぎにするっていうお話しです。
      まあ、人間の物語にしたというところだけが新しいというか。
      さらに露骨にキリスト教くさくなったというか。

      もっと自由に生きようという方向性はわかります。
      堅牢で動かしがたいように見える現実世界だって、幻にすぎない。
      見方、考え方一つで世界は変化する。
      一人一人が異なった世界を持っていてそれを見る事ができ、自分の世界で生きることができるのだ。
      それもごもっともです。

      でもヴォネガットは「変えられないこともある」って言っています。
      捕虜という自由から最も遠い立場にいて、目前で大量虐殺が起こり、自分も死んだかもしれなくて、
      見るだけで他にどうすることもできなかった無力を心に叩きつけられる。そんな体験をした彼は、
      『世の中でできないことは何もない。できないとすればそう思いこんでいる自分のせいだ』と、
      能天気に歌い上げることはできなかったのです。

      私も頑固なのかもしれませんが、物理的に水の上を歩けるはずで、歩けないのは水に溺れるという思い込みのせいだ。
      赤ん坊は水の上に立てないと思っていないから水面を歩けるのだ
      というのには文学表現の上のことであっても、賛成できません。
      じゃあなんで数センチの水たまりで溺死するんですか?

      交通事故で半身不随の車いすの男を「奇蹟」で健康にする。
      それも「彼が歩けると信じたから歩ける」という簡単な解決方法で。
      救世主は「その奇跡を起したかったから」そうするのが楽しいから起したのだと言います。
      貧乏暇無しを嘆く人もその人がそういう生き方を望んでいるからだし、死ぬのも納得の上?
      では戦火の下で生きる子供達にも同じことを言えますか?

      ラストもドンの半端な退場で拍子抜けでした。
      ドンはいい奴かもしれない。でもなんとも気まぐれな救世主。

      第一、一人一人バラバラな世界で主人公になって、それで本当に満足ですか?
      人びとと世界を共有しないのなら、芸術は必要ない。

      悪いことは言っていないかもしれません。
      この本で心が軽くなる人がいればそれはこの本の効き目でしょう。
      でも、私についていえば、もっと心に響くことを言ってくれなくてはね。という感じでした。

      類は友を呼ぶ。君は奇蹟を行える人間だ。だから僕と出会った。
      これからは君が救世主のハンドブックで修行してごらん。

      ほら、あなたも救世主になれる。
      あなたの望むやり方で。

      で、リチャードはこの本を書いた。のだそうです。
      >> 続きを読む

      2015/12/03 by

      イリュージョン」のレビュー

    • 当時、私はすっごく面白く読みましたが、月うさぎさんのレビューもなるほど、、と思わされました。たぶん読書が好きになったくらいの時に読んだ気がします。今読んだらどうかなぁ。かもめのジョナサン完全版はやっぱり読まなきゃですね!あと村上龍訳も気になる。。ちなみに、リチャードバックの「One」は「イリュージョン」を楽しんだ私さえも置いてきぼりになる1冊でした笑。 >> 続きを読む

      2015/12/03 by chao

    • chaoさん
      〉「One」は「イリュージョン」を楽しんだ私さえも置いてきぼりになる1冊
      え?ホントですか?ある意味すごいね。リチャード・バック。
      「かもめのジョナサン」の完全版だけで彼は充分かな。
      もともと私は「教え導こう」というスタンスの本が好きじゃないんです。
      空を飛んでいると地べたの人間どもが小さくて不自由に見えるのでしょうけれど、
      彼の「空」だって、地球の星サイズからみれば、地べたに限りなく近い大したことのない高さってことに過ぎないのです。
      地球の引力にようやっと逆らって浮力を維持しているに過ぎない訳。
      それを自由と勘違いするとしたら、仏様の掌の孫悟空と一緒。
      宇宙論を展開したいなら、まずそこを自身で学んでくれなくちゃあ。
      「空」から超人が降臨して人々に超能力を与えてくれて進化させてくれるって
      とってもお子様的なアイディアに私には思えちゃうんですよ…。
      >> 続きを読む

      2015/12/04 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

      色々な意味で次元の違う小説だった。

      もっと自分を解放してあげてもいいんだという気持ちにしてくれるような小説。

      たまにアドラー心理学的な考えが出てきていたのが良かった。

      私も救世主になりたい…

      「すべてはイリュージョンなんだよ」というイリュージョンという単語があまりピンと来なかったので☆-1

      普段、生活していて「イリュージョン」という言葉でてきますか?
      私はあまり使い慣れていない言葉なので「ん~」という感じでした。

      最後のどんでん返し的な言葉は、ドキっとさせられたのと同時に、何が正しくて何が正しくないのかわからなくなった。

      実は正しいことってないのかもしれないなぁ。


      ほら、ラッドウィンプスの歌詞にもあるように、
      60億個の正しさがあるんだと思う。
      >> 続きを読む

      2015/11/04 by

      イリュージョン」のレビュー

    • 評価: 4.0

      この世のすべてはイリュージョンなんだよ。

      このサイトに登録してこの本に出会えたのもイリュージョン。
      レビューを描いているのもイリュージョンだし、このレビューを読んでいるのもイリュージョン。
      なにもかもがイリュージョンなのさ。

      わかるようで、わからない。説明できるようで、説明できない。
      そんな不思議な世界観だった。

      ドンが言っていた。
      「僕たちは皆、やりたいことは、なんでも、自由に、やってかまわないんだ。」

      自由に生きてみようかな。
      >> 続きを読む

      2015/10/31 by

      イリュージョン」のレビュー

    • 評価: 4.0

      10月の課題図書。
      すでに村上訳のレビューは書いたので、今度は佐宗訳に挑戦。

      佐宗さんの翻訳はとても読みやすく、ストーリーの流れがわかりやすかったと思います。
      すらすら言葉が入ってきました。
      初めて読むのならこちらがいいのかもしれません。

      村上さんの方はキャラクターが魅力的でした。
      特にドンがいいですね。ドンの言葉に対するリチャードの反応も好み。
      あと、かなりアレンジしているようです。
      よりドラマチックに描かれていて、後半のあのシーンも村上流に・・・!(←シャレじゃないです)

      救世主マニュアルで比較してみると、

      *佐宗さん

      自分の限界について
      議論するがいい。
      きっと
      それがあなたの限界である。

      *村上さん

      限界、常にそれが問題点である。
      君達自身の限界について議論せよ。
      そうすれば、君達は、
      限界そのものを手にすることができる。

      着地点は同じですが、そこに至るまでの過程が違っていて、比較しながら読むのはおもしろい作業でした。

      もしもどちらか選べと言われたら・・・・・・・・


      遊覧飛行の時間分だけ迷って、味のある村上訳を選ぶような気がします(*´艸`*)
      >> 続きを読む

      2015/10/30 by

      イリュージョン」のレビュー

    • 表紙のイメージはまるでファンタジーですよね。
      この画家は中身を読んでないに違いないです。
      ファンタジーよりはむしろ「紅の豚」のように、飛行機乗りのお話なのにね。
      アメリカンな雰囲気も伝わってこないし。
      >> 続きを読む

      2015/12/08 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      飛行機乗りのお話は全く馴染みがなくて、新鮮で楽しませてもらいました。
      そんな表紙が良かったです。
      ゾウはイリュージョン??
      やはり飛行機がいいし、一度しか出てこない少女よりはドンとリチャードがいいなぁ。
      >> 続きを読む

      2015/12/09 by あすか

    • 評価: 4.0

      救世主だった青年と共に不思議な体験をしていく物語

      個人でできる事が増えたこの現代だからこそ読む意味を感じた。

      人は簡単に常識という枠にとらわれがちである。
      しかし世界とは外にあるものではなくて、自分の想像の内にある。
      それゆえ、少しの想像力で世界は簡単に変わっていく。

      節々で挟まれる救世主のハンドブックの言葉は割とどの言葉も心にしみた。
      特に最後の言葉が一節は上手いこと持ってきたな、と感じた。
      >> 続きを読む

      2015/10/24 by

      イリュージョン」のレビュー

    • どうしても常識にとらわれてしまいがちですが、もっと柔軟に物事を考えられるようになりたいなと思わせてくれました。
      村上訳、ぜひ読んでみてください!
      多分びっくりすると思います(^_^;)
      >> 続きを読む

      2015/10/24 by あすか

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      • 評価: 4.0

        救世主がさあ、と車椅子の二人を促して一緒に飛行機に乗るシーンに感動した。

        ラジオのシーンからラストは救世主の行動に戸惑った。なぜラジオであんなことを言ったのか。町の人々を敵にまわしたらその友人のリチャードや、助けが必要な他の人々のこれからはどうなるのと思ったし、救世主を知らない人々がラジオだけでその人格を判断してしまうところは恐ろしかった。

        2014/02/20 by

        イリュージョン」のレビュー

      • 気持ちを落ち着かせてくれる人が救世主かなぁ…

        2014/02/20 by ice

      • >救世主を知らない人々がラジオだけでその人格を判断してしまうところは恐ろしかった

        これって小説の中だけの話じゃないですよね。SNSなどでの言動が見ず知らずの人に共有され、勝手に判断されてしまいますから。。。怖いですね。
        >> 続きを読む

        2014/02/21 by ◆空太◆

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      他のレビューもみる (全4件)

      • 評価: 4.0

        10月の課題図書。

        図書館予約をして取りに行ったのですが、村上訳を渡されてびっくりしました。
        佐宗訳で予約したと思っていたのに…間違えちゃった(・・;
        悔しいので、両方読もうと思います。
        まさかの読み比べ。
        印象を語る程度だと思いますが、チャレンジしてみようと思います。

        10分間3ドルの遊覧飛行をするジプシー飛行機乗りのリチャードが、救世主をあっさり辞めてしまったドナルド・シモダと出会います。
        リチャードが体験する数々のイリュージョン。
        彼らの会話や「救世主マニュアル」は、心に残る台詞や考えさせられるものが多くありました。
        ふと、自分の人生を振り返ってしまう。
        そんなきっかけをくれる本だと思いました。

        特に好きな言葉。

        『いかなる種類や程度のものであっても、
         困難は君達に何かを与える。

         君達は、言うなれば、困難さを探しているのである。
         困難さが与えてくれるものには、価値があることを知っているからである。』

        『ある願望が君の中に生まれる。
         その時、君はそれを実現させるパワーが
         同時に在ることに気付かねばならぬ

         しかし、そのパワーの芽は、
         きっとまだ柔らかい』


        この本(村上訳)は2回読みました。
        初読時は、そんなこと言っても現実的にはね…と、なかなか受け入れることが出来ませんでした。
        昔はもっと柔軟に、たくさんの可能性を考えることが出来たはずなのに。
        いつからこうなってしまったのだろうってくらい、言葉が入ってきませんでした。
        この本は読めば読むほど、凝り固まってしまった頭を優しくほぐしてくれるような気がします。
        いい刺激を受けました。
        >> 続きを読む

        2015/10/19 by

        イリュージョン」のレビュー

      • 読み比べてみました。全~~然違いますね。
        これは翻訳じゃなくて村上龍の文章だわ。
        ういう意味で面白かったです。 >> 続きを読む

        2015/12/03 by 月うさぎ

      • 月うさぎさん
        全然違いますよね~!
        村上訳→佐宗訳を読んだ時の衝撃ったら。笑
        佐宗さんの訳もわかりやすかったです。
        でもやっぱり選ぶなら村上訳で♪
        >> 続きを読む

        2015/12/03 by あすか


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