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みかづき

4.0 4.0 (レビュー7件)
著者: 森 絵都
定価: 1,998 円
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    「みかづき」 の読書レビュー (最新順)

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    • 評価: 3.0

      昭和36年から平成までの塾業界と大島家3代の家族の物語。時系列にそって、社会情勢が反映された教育を取り巻く諸問題、塾と文科省の対立と歩み寄りなどが描かれていて、読みごたえたっぷりであった。大島家も人間関係の葛藤などがとてもリアリティがあり、最後まで飽きなかった。

      2018/10/23 by

      みかづき」のレビュー

    • 評価: 3.0

      「戦後民主主義教育概論」でした。
      大島家の年代記というスタイルを取りつつ、敗戦によってもたらされた「民主主義」を教育という側面から描いた小説です。
      「教育」がいかに政治や財界からの干渉を受け、道具にされ、教育に携わる人がいかに翻弄されたか。
      これからの教育が危ういというメッセージを作家は発せずにいられなかった訳が、ひしひしと伝わります。

      しかし「教育」が主人公である以上、登場人物の特定な物語はリアルな人生ではなく、教育者の総体としてあるいはサンプルとして描かれざるを得ない。
      本作が、主人公たちに感情移入できなかったという意見がでるのももっともです。
      私も「吾郎」の性格が今一つつかみきれないままでした。
      孫の「一郎」が一番わかりやすかったです。
      また、教育者ではない祖母の頼子がおそらく最も人気が高いことでしょう。


      私は社会科教諭の資格を持っています。
      しかし教育の道にはすすみませんでした。
      採用試験に受からなそうというのも一因ですが、公教育にも私教育にも幻滅し、塾については悪いイメージしかなかったことが最大の理由でした。
      時代も校内暴力蔓延のかなり悪いタイミングでした。
      文部省による教師の支配と教師による生徒の支配。荒れる生徒。
      悪循環に思えてなりませんでした。

      この小説によって公教育からの側面ではない教育者の努力という視点でこの問題を眺めることができたのは収穫でした。
      公教育にできないことを教育者としてなしたいと、心から願った人たちが日本にいたということを教えられた気がします。

      しかし「みかづき」というタイトルの意味深なこと。

      いつの時代も「今の教育は間違っている」という意見で教育者たちは論争を繰り広げてきました。
      決してすべての人に正しい公平な教育を授けることはできない。
      決して月は満月になることがない。
      寂しいです。
      でもそれだからこそ教育者たちは歩みを止めることがない。
      満ちようとする強い意志と衝動が彼らを動かします。
      そんな教育者たちにエールを!

      「お国のためではなく、子どものための教育です。その大前提が近年ではまた覆されようとしている。
      混迷を極めた教育改革の終着点は、結局、能力主義と国家主義だ。
      そのことに私は深く絶望しているし、猛烈に腹を立ててもいるんですよ」

      教育に関心のない方にもぜひ日本の問題としてメッセージを届けたい。
      森さんの想いはこの本を手にしたすべての人に伝わったでしょうか?
      どれほどの方が日本の教育が危機的なのか理解できたことでしょうか…。
      森本学園の運営していた塚本幼稚園は閉園になったそうですが、それはたんに極端な例であって、今の日本の教育事情(安倍総理のご意向)を表現している最適な例だったはずです。

      「みかづき」がベストセラーになったことだけでも明るい出来事ですよね。

      森絵都さんはだてに子供に向けて小説を書いてきた人ではなかった。
      彼女の視線はいつも子供に注がれているはずです。
      いつの時代も社会的弱者はつねに子どもなのですから。

      子どもへの強いメッセージも込められています。
      「自分の意見をはっきりおっしゃい」
      「人に流されないの。自分の頭があるんでしょ」

      そう、その為にこそ教育があるべきなのです。

      『教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。
      不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだーー。』
      >> 続きを読む

      2018/04/14 by

      みかづき」のレビュー

    • >本作が、主人公たちに感情移入できなかったという意見がでるのももっともです。

       そういう意見があるのですか。
       ぼくは、さまざまな「主人公たち」に感情移入して読んだように思います。何度も、目頭が熱くなりました。
       それは「主人公たち」というよりも、「戦後民主主義」に対しての感情移入だったのかもしれません。しかし、そんな抽象的すぎて理念ともいえないようなものに感情移入させられてしまうというのは、おそらくこの小説の、フィクションとしての力なのではないかと思います。
      >> 続きを読む

      2018/04/16 by 弁護士K

    • 弁護士Kさん
      感情移入しにくいというより、人物造形が一面的ということではないかしら
      私はそれがこの小説の欠点というつもりは全くなくて、この小説において人物は抽象を具象化する手段なんだろうと思います。
      私はどうやら、作家の意図は…と勝手に読んでしまう癖がありますね(^^;)
      癖なんです。すみません。お赦しを。
      ドラマにしてほしいというご意見も多数あるようなので、俳優さんの血肉がつけば人間らしさが増すかもしれませんね。
      そんなことよりも重要なのは、森さんは小説のフィクションとしての役割をきちんとわきまえている作家だと思います。
      >「戦後民主主義」に対しての感情移入だったのかもしれません。
      それです!きっとそれが狙いだと思うんですよ。私は。
      敗戦後、日本の庶民たちが情熱をもってこの国を支えてきたことを忘却してはいけない。アメリカのいいなりだったわけでもない、トップダウンですべてが決められたわけでもない。民衆の願いは力となります。そういうことですよね。
      >> 続きを読む

      2018/04/16 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      学習塾をテーマにした親子4代にわたる物語。女系家族に翻弄された温厚な大島吾郎。激しい性格の年上の妻、千明。教育とはなんぞやという話をはさんだ奮闘記である。面白い。分厚い本だが、あっという間に読んでしまった。ときおり、くすぐるような笑いが起こる。個性的でどこか憎めない登場人物たち。最後に驚きの展開に笑いをこらえながら読み終えた。

      2018/03/06 by

      みかづき」のレビュー

    • 評価: 4.0

      内容を知らずに読んだらすごい質量熱量で圧倒された。塾にもこんな歴史があったのね。一郎のパートが一番素直に読めた。

      2017/06/07 by

      みかづき」のレビュー

    • 評価: 3.0

      (図書館本)お勧め度:☆8個(満点10個)。実に、面白かった。戦後の教育界の有様をまざまざと彷彿させる小説である。時代背景も私と似たり寄ったりで自分が生きた過去を思い起こさせる気がした。

      まさに、大島家の壮大な家族ドラマを見ているようだった。曾祖母から始まり、孫に至るまで教育とは何か?塾の役割とは何だったのか?私も子どもの頃は深く考えもせず塾に通っていた記憶がある。

      それともう一つ、この時代、子どもの自主性を考えて塾というものが存在していたのかと思うと、今は、受験受験とついて行けない者は振り落とされ、能力主義に走っていった私塾が謳歌している現在はいったい何なのだと思う。中にも出てきたが、子供の教育資金で右往左往している家庭にそんな余裕も無いのは明らかだけど、今時、ボランティアで勉強を教えてくれるなんて夢の又夢のような気もする。

      これだけ長編にもかかわらず、素直に読めたのはやはり、読みやすい文章と登場人物のキャラが目立っていたのからかもしれない。特に主人公の大島五郎には共感が持てる。未読の方は是非読んでもらいたい作品です。
      >> 続きを読む

      2017/06/05 by

      みかづき」のレビュー

    • 本屋大賞では惜しくも2位だったけれど、1位の作品よりも比較するのが悪い位素晴らしい小説だそうですね。
      何となく真面目で重そうな印象で、手を出しかねていましたが、sumiさんのお勧めによって読みたい度がグンとアップしました。
      >> 続きを読む

      2017/06/06 by 月うさぎ

    • 子供や教育。今とても興味のあるテーマです。私も読んでみたいと思いました。

      ついて行けないものは振り落とされる中、受験勉強させるよりも、学ぶことの楽しさを教えてあげたいなぁとか思っていますが、、現実はどうなのかな…。教育資金とかもシビアな問題です…。 >> 続きを読む

      2017/06/06 by chao

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